雪の中を

1月13日(土)

センター試験が行われました。留学生のセンター試験とも言えるEJUは2か月前に終わっており、すでに結果も出ています。EJUの行われる11月は、実際に入学する翌年4月の5か月前で早すぎると思うこともありますが、雪のため開始を遅らせた会場もあったなどというニュースを聞くと、日本に不慣れな留学生が受験する試験は、雪のないうちに行うのが妥当だとも思えてきます。

志願者数58万人余りのセンター試験に対し、EJUは全志願者数で20分の1、日本国内の受験者数では30分の1程度になります。学生数の比率もそんなものですから、留学生が優遇されているわけでも冷遇されているわけでもなさそうです。

しかし、センター試験は問題が公開され、正解も配点も示され、自己採点が可能です。しかし、EJUは問題も正解も配点も全てブラックボックスです。どういう過程を経て自分の点数が算出されたのか、受験生自身にもわかりません。こういう点は、留学生はずいぶん冷遇されていると思います。各大学の独自試験も、問題の公開がなされないところが多く、留学生を増やそうと国が旗を振っているわりには、末端は動いていない感じがします。

大学なり大学院なりで学問を修めてから就職しようとなると、さらにお寒い状況が待っています。改善されつつあるとはいえ、優秀な若者が夢を叶えられずに日本を離れる例が後を絶ちません。私が知っているのはKCPの卒業生という、ほんの一握りにもならないサンプルですが、その中でもそうですから、全留学生においてはどれほどの人材流出、教育の空回りになっていることでしょう。

国が望んでいるような高度人材を世界中から集めるには、優秀な若者に学問をする場所として選んでもらうには、実が伴っていないように思えてなりません。

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