面の皮

11月27日(月)

私は、面の皮があまり厚くないので、普通の2枚刃のかみそりなどでひげをそると、わりとたやすくかみそり負けしてしまいます。そこで、電気シェーバーを使っています。ところが、最近、何年前に買ったかわからないくらい長期間愛用してきたシェーバーが、スイッチがなかなか入らなくなりました。1回でうなり出すのは稀で、数回から十数回スイッチを押さないと反応しなくなりました。もう寿命だとしても全くおかしくないので、新しいのを買うことにしました。

というわけで、先日、家電量販店でシェーバーを見ていると、「いらしゃいませ」(「っ」が落ちている)「何〇お探しですか」(“〇”は「か」と「が」の中間の発音)と声を掛けられました。こういう場面で、発せられた日本語で値踏みしてしまうのは、職業柄悪いクセだと百も二百も承知しつつ、中国人の店員だと思って振り向くと、それっぽい名前の名札を下げていました。

「こちらはおすすめの機種ですよ」とさらに声をかけてきましたから、「恐れ入りますが、しばらく一人で見させていただけませんか」と言うと、その店員はちょっと怪訝そうな顔をして、去っていきました。こんなばかっ丁寧な言葉遣いをされるのは初めてだったのかもしれません。乱暴な言葉を投げかける日本人ばかり相手にしてきたとすれば、日本人を代表して謝りたいです。

その後もあれこれ見比べて、買うと決めた品物をレジへ持って行くと、レジにはロシア人っぽい名前の店員さんが立っていました。家電量販店へ行くのも久しぶりでしたが、ずいぶんと外国人が働いているものだと感心させられました。KCPの学生たちも、時には私のような悪いお客にいじられながら、精一杯働いているのでしょう。また、進学し、そこを卒業したら、日本社会の構成員として、日本で生活していこうと考えている学生も少なくありません。その時には、少しは面の皮を厚くして、よい意味でふてぶてしく生き抜いてほしいものです。

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