9月28日(木)
Lさんは、左足を右膝の上に載せて足を組んだり、右手に頭を載せて壁のほうを向いたり、机の上の消しゴムや学生証を落としては拾ったりと、実に落ち着きがありません。PさんとSさんは絶えず貧乏ゆすり。Kさんは左腕で腕枕をするように机の上に体をもたせ掛けて問題文を読んでいます。私が監督した教室には、いったいどうなのだろうという姿勢で期末テストを受けている学生が目立ちました。
頭をかきむしりながら難問に取り組んでいるなら、頑張っているなと好感を持つかもしれません。でも、Lさんたちの態度は、見ていて気分のいいものではありませんでした。KCPの期末テストなら、「こいつはまったくもう」などと思いながら試験監督が苦笑いするだけですみますが、入学試験だったらどうでしょう。試験中の姿勢だけで落とされることはないでしょうが、他の評価が同点で並んだ場合、誰を落とすかとなったら、Lさんみたいな受験生でしょう。私が決めるのだったら、そうしますね。
入学試験は、殊に競争率が高いところでは、落とす材料を探す手段の1つです。それに対抗するには、落とされる材料を相手に与えない、隙を見せない用心が必要です。ライオンの前で昼寝をするようなまねは許されません。K先生は、受験クラスの授業では常に「背筋を伸ばして」と指導しているそうですが、学生の体作りも含めて、理にかなっています。
人を外見で判断してはいけないと言われますが、外見で判断されるのが世間というものです。来学期はこんなことも学生に伝えていきましょう。