8月24日(木)
Zさんは中間テストの読解がほとんど白紙で、もちろん不合格でした。他の科目に比べてあまりにも悪すぎるので、面接の時にいったいどうしたのかと聞きました。すると、EJUやJLPTのような選択肢の問題はいいけれども、文章で答えなければならない問題は見ただけでやる気がなくなると言います。中間テストの読解はそういう問題が多かったので戦意を喪失し、さんざんな成績になってしまったというわけです。半分は読解がわからないことに対する言い訳でしょうが、問題文から読み取った内容を文の形でまとめることができないのだとしたら、非常に由々しきことです。Zさんは大学進学を目指していますから、なおさら大問題です。
マークシートに順応しすぎた学生は珍しくありませんが、ここまではっきり言い切った学生は記憶にありません。Zさんの志望校の入試は面接だけです。というか、筆答試験のある大学をたくみにはずしたと言ったほうが正確かもしれません。そんなにまでして筆答試験を避けても、進学後に読む専門書の読解には選択肢が用意されていません。大学での学問をなめているように思えます。
翻って、日本人の高校生はどうなのでしょう。Zさんほどの筆答嫌いが学校にあふれているとは思いたくありませんが、選択肢の補助がないと文章の読み込みが十分にできない生徒が増えつつあるのかもしれません。若者が読書に当てる時間が短くなったと言われています。また、過激な言説が増えているのも、強くはっきり書かれていないと自分自身が読み取れないから、自分が書いたり話したりするときに力こぶが入りすぎてしまうのではないかとも思っています。
Zさんは、来学期はレベルを1つ下りたいとまで言ってきました。そんなに、読んで考えるのって嫌なのでしょうか。