8月22日(火)
みんなの日本語49課の会話は、ハンス君のお母さんが学校に電話をかけて、ハンス君は熱を出したので休むと伝える話です。クラスの先生がまだ出勤していないので、電話に出た先生に伝言を頼むというストーリーです。教科書では、その先生に「よろしくお願いします」と言って終わっていますが、私はクラスの学生に「この先生はハンス君の先生が学校へ来た時にどう言いますか」と聞いてみました。
「ハンス・シュミットの母はゆうべ熱を出して、今朝もまだ下がらないですから休みますと言っていました」
「ハンス・シュミットはゆうべ熱を出しまして、今朝もまだ下がらないんですから休ませていただけませんか」
など、全然意味不明ではありませんが空振り気味の答えが続いたので、「ハンス君はゆうべ熱を出して…」とヒントを板書しました。それからも紆余曲折があり、どうにかこうにか「ハンス君はゆうべ熱を出して、今朝もまだ下がりませんから休…」までたどり着きました。しかし、ここからも大きな山がありました。「休みました」「休んでしまいます」「休んでくださいませんか」「休むつもりです」「休むと思います」「休むようです」「休むはずです」…習った文法をとりあえず言ってみるみたいな大乱戦になりましたが、私が望んでいる答えだけ出てきません。
ついにブチ切れて、「お前ら全員、もう一度同じレベルだあ」と言った直後、「休むそうです」と誰かが小さい声で答えてくれました。「君たち、今学期、何を勉強してきたんだ!」と叫んでしまいました。
とはいえ、こうなるんじゃないかと予想していたことでもあります。単に事実や状況を描写するだけではなく、それに対する話者の態度を盛り込む文末表現を勉強してきました。しかし、それが十分に整理されていません。
でも、私は焦っていません。中級でその辺をがっちり訓練し、聞いてわかる、読んでわかるだけでなく、書いたり話したりできるようになっていくのです。