山越え

6月29日(木)

今学期はクラス担任をしていないので、自分が担当の期末テストの採点が終わったら、成績処理などクラスに関わる仕事はありません。それでも授業を担当したクラスの学生の成績は気になりますから、コンピューターでちょっとのぞいてみました。どうやら、全員期末テストでしかるべき点数を取り、そろって進級できるようです。

それは、私にとっては教えた甲斐があったというものであり、学生の努力が実ったということでもありますが、よくこんなすばらしい結果にたどり着いたと思います。期末テストの直前までは、Cさん、Gさん、Eさん、Pさんあたりは結果が出せないのではないかと危惧していました。その4名が、すばらしいとは言いかねますが、決してぎりぎりではない成績をたたき出したのです。見事な土俵際の踏ん張りでした。

しかし、これで喜んで油断でもしようものなら、次の学期は間違いなく落第です。自分の実力を過大評価し、進級したレベルの勉強を甘く見たら、たちまち置いて行かれるでしょう。そうなったら、進学にも悪影響が出てくることは疑いありません。

それぞれのレベルには、山があります。例えば、一番下のレベルなら「て形」です。その山を乗り越えられないとそのレベルは合格できません。“暗記の日本語”で帳尻だけ合わせても、上のレベルの授業にはついていけず、下のレベルをもう一学期勉強し直したほうが実力がついたのに、ということになってしまいます。

Cさんたちがその山に果敢に挑んでいる姿は見ていました。でも、山の頂に立てたかどうかは確かめられませんでした。成績表を見る限り、頂上を極めたのでしょう。ただ、息も切れ切れの状態であることは容易に想像できるので、次の学期が心配でならないのです。

新学期に私がCさんたちを受け持つ可能性はとても低いですが、一度つながった縁ですから、かげながら見守っていきます。

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