6月12日(月)
上野動物園のパンダのシンシンに子供が生まれました。前回は5年前で、このときは1週間足らずで死んでしまいました。それゆえ、上野動物園では今度こそはと思っていることでしょう。
パンダは年に2日ほどしか発情せず、このときに受精しなければ子供は生まれません。また、子供は非常に小さく弱々しい形で生まれてくるため、人間でいう乳幼児死亡率が5割にも上るとされています。こんなふうに、繁殖・生育が非常に難しいため、野生のパンダは絶滅寸前であり、動物園においても生まれたパンダが大きく育つことはなかなかないのです。
今回のパンダが順調に育っていくと、267億円の経済効果が生じるそうです。北陸新幹線に比べたら半分か3分の1ぐらいですが、費用対効果を考えれば、とんでもなくすばらしいのではないでしょうか。新幹線の開業効果は常に何か新しいものを考えていかなければリピーターをつなぎとめられませんが、パンダはその成長そのものが新しいイベントですから、赤ちゃんを1度見た人は自然に2度3度と足を向けることでしょう。それゆえ、大事に丈夫に育っていくかどうかが、一般庶民の最大の関心事となるに違いありません。
でも、2年経ったら赤ちゃんパンダは中国へ行かなければなりません。そういう約束で、上野動物園の2頭のパンダは中国から借りてきているのですから。ということは、赤ちゃんパンダが見られるのも、その成長を喜べるのも、ごく短期間に限られるわけです。里帰り(?)のときに全国民が涙ながらに見送る図が目に浮かびます。
赤ちゃんパンダがいつから公開になるかわかりませんが、ちょうどこの時期に東京にいた記念に見に行く学生たちもいるんじゃないかな。それも267億円のごく一部ですね。