どちらに進む?

5月29日(月)

Pさんはこのところずっと受験講座を休んでいます。呼び出して事情を聞いたところ、親との間で進路に関してもめているそうです。もめているといっても、険悪な状態にあるわけではありません。むしろ、Pさんが親の意見に合わせようとして、右往左往させられているというのが実情のようです。

Pさん自身は、日本で大学を出て、アメリカで大学院に進学したいと考えています。それ自体は親御さんも賛成なさっていますが、問題は何を勉強するかです。Pさんはコンピューターのソフトウェアを開発する技術を学びたいと思っていますが、親御さんはそれに賛成したり経営学を勉強しろと言ってみたりと、その日によって意見が変わるのだそうです。そのため、Pさんは落ち着いて勉強することができないというわけです。

Pさんがソフトウェアを勉強したいというのも、いずれはその方面で起業したいという望みがあるからです。ですから、経営学がいずれは必要になります。そのため、親御さんから経営学を勉強しろといわれると、そちらの方向に心が動いてしまいます。また、Pさんには親に学費を出してもらうという弱みもあります。

そんなこんなで、結果的には親の意見に振り回されているというのが今のPさんの姿です。しかし、こんなことをしていては、いつまで経っても受験勉強は始められません。この1年を棒に振ってしまうことにもなりかねません。やはり、ここはPさんが強く出るしかありません。自分のやりたいことはこれだと明確に主張し、全面的な支援を取り付けることが第一です。

これは一見衝突ですが、親御さんは大筋ではPさんの将来設計を認めておいでですから、まずソフトのほうに進むにせよ、経営学を勉強するにせよ、賛成してもらうのは決して難しい話ではありません。Pさんが強く自己主張することを、親御さんも望んでいるような気さえします。親子の間柄ですから、そういう阿吽の呼吸を読み取って、何とか自分の未来に向かって第一歩をしるしてもらいたいです。

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