お互いに

5月2日(火)

化学の受験講座が終わると、CさんとSさんが私のところへ。2人は連れ立ってきたわけではなく、偶然一緒になったに過ぎません。違う国から来ていてクラスも違いますから、受験講座以外には接点はありません。今学期になってから何回か同じ教室で授業を受けましたが、お互いに言葉を交わすのは初めてのようでした。言葉を交わせば同じ目標を持った同志ですから、すぐに打ち解け合えたようです。

受験講座のクラスの中で、こういう友達ができると、お互いに競い合って力を伸ばしていけるものです。去年のAさん、Eさん、Lさん、Wさん、Yさんなんかのグループがその典型です。このグループの学生たちは、みんなこちらの予想以上の力を発揮し、実力相応校以上の大学に進学しました。日本語のクラスは同じだったのに受験講座のグループから外れて独りで気張っていた学生たちは、ちょっと歯がゆい結果に終わっていたのと対照的でした。

今年も同志のグループができないかなと思っていたところに、どうやらその萌芽が見えてきたようです。このクラス以外の受験講座のクラスでもそういう兆しが感じられますから、大切に育てて生きたいです。ライバルとして戦うばかりではなく、お互いを踏み台にしてどんどん高いところに上がっていってもらいたいです。

異国での受験勉強は、強い意志を持っていても挫折と背中合わせです。三本の矢じゃありませんが、自分独りでは耐え切れないプレッシャーも、仲間がいればしのげることだってあります。受験講座は、お互い支え合える存在と出会う場も提供しています。頼り甲斐のある、助け甲斐のある戦友を見つけ、夢をかなえてほしいです。こういった体験は、進学してからのより大きな夢の実現の方法を身に付けることにも直結しているのです。

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