4月26日(木)
今村雅弘復興大臣が辞任しました。“東日本大震災は東北で起きたからまだよかった”という意味の発言をしたからです。首都圏が同規模の地震に襲われたら、25兆円とも言われる損失がとてつもない巨額になっただろうと言いたかったようですが、被災者の心を逆なでする発言だとされても致し方ありません。
発言の後、これを聞いていた記者からあれこれ質問されてフォローをしていましたが、結局発言を撤回しました。しかし、撤回しても一度はそういう発言をしたという事実は残りますし、今村氏は心の奥底で“東北でよかった”と思っていることは確かでしょう。東北は、九州出身の今村氏にとっては地の果てに等しく、そこで何が起きようと自分にはかかわりのないこととしか感じられないのではないかと思います。
自民党には多くの国会議員がいるのに、どうして今村氏「低」度の人材が大臣になってしまうのでしょう。東北の人の心を慮ることすらできない、自分の身の回りしか見えていない人物しかいなくなってしまったのでしょうか。一般人でもこんなことをやっていたら信頼を失います。ましてや、いやしくも一国の大臣がそんな「低」度では、国民は泣くほかありません。
辺野古もそうだと思います。強行着工のニュースを聞いて、20年前の諫早湾のギロチンを思い出しました。辺野古や諫早から遠く離れたところで、現地の真情もわからず何かをやらかしてしまい、やったもん勝ちを決め込む仕事の進め方には、今村氏の発言と通底するものを感じます。
私はかつて東日本大震災の被災地に住んでいたことがあります。だから今村氏の発言に強い憤りを感じている面もあるでしょう。でも、それ以上に、撤回して辞任してそれでおしまいみたいな風向きに、いやなものを感じます。