4月21日(金)
今学期の新入生のTさんは、よくしゃべれますが基礎の文法の抜け落ちが激しい学生です。て形を使って話しているのですが、「〇〇ますのて形は?」と聞かれると見当違いの答えをしてしまいます。本人が言うには、独学なので系統立てた勉強はしておらず、そのため整理した形で文法を問われると答えられないとのことです。このままでは今のレベルをクリアすることはできそうもないので、復習用の問題集を買わせてやらせています。
授業後、Tさんがその問題集を持って来ました。昨日は、て系のところが宿題でした。見ると、「(6時に)おきます」も「(本を)おきます」も、どちらのて系も「おきて」としてしまっていました。おい、Tさん、あんた、さっきの授業で「置いておきます」って言ってたじゃないですか。どうしちゃったんですか。
「(本を)おきます」はⅠグループだとわかった上で、今度はて系作りに挑戦するのですが、「(6時に)おきます」に引っ張られて、「(本を)おきて」になり、それがだめだと言われると「おかて」「おくて」「おきりて」など、よくぞこれだけボケられるもんだと感心してしまうくらい間違ってくれます。“ききます⇒きいて”はできているのですから、その最初の“き”を“お”に換えるだけじゃないかと思うのは、ネイティブの日本語教師の悪い癖です。
その他あっちこっちにあった間違いを1つずつつぶして、どうにかチェックが終わりました。するとTさんは、今朝クラスで案内した学校外部の外国人スピーチコンテストについて質問してきました。週末にスピーチの内容を考えてみると言っていました。
Tさんなら、学校代表になって、特訓に次ぐ特訓で毎日ボコボコにされても、必ずはい上がってくれるだろうなと思いました。これから伸びていく学生特有の勢いを感じました。