4月20日(木)
昨日採点した学生たちより2学期分上のレベルの学生たちが書いた作文を採点しました。さすがですね。読みやすさが全然違います。そりゃあ、助詞や漢字や文法の間違いはありますよ。でも文の構造が崩れていないってところが立派なところです。主語と述語がかみ合わないねじれ文が少ないのです。
2つのレベルの学生たちに頭脳的な差があるとは思えません。要するに、頭で考えたことを日本語の文章にする力の差だと思います。語彙力の差もあるでしょうが、長い文になったときに文全体が見渡せるかどうかによるところが大きいように思えます。初級の段階では単語レベルを見張るのがやっとなのに対して、もうすぐ上級という学生たちは複文になっても前後の関係が見えてくるようになっているのだと思います。
午後は、今学期から理科の勉強を始めた学生たちの受験講座をしました。初回ですからオリエンテーションが中心でした。入試の口頭試問の例として、半減期を説明しろと学生に聞いてみました。すると、目や手は動くのですが、口はさっぱり動きません。国の言葉でなら説明できますが、それを日本語で表現できず、もどかしい思いをしているのが手に取るように思いました。私が学生たちの知っている範囲の文法や語彙で説明すると、ノートにメモする学生もいました。
上級の学生なら、半減期程度のことは自分の手持ちの言葉で強引にでも説明しきってしまうでしょう。3月に卒業していった面々を思い浮かべても、そんな気がします。今、口をもごもごするしかない学生たちが、そこまであつかましくたくましく育っていくのでしょうか。彼らの日本語力の倍増期はいつでしょう。