Mさんの変身

4月24日(金)

夕方、職員室で仕事をしていてふと目を上げると、カウンターにMさんがいるではありませんか。Mさんは今年の卒業生で、今月からB専門学校に通っています。

学校は大変だと言っていましたが、表情には悲壮感はなく、むしろその大変さを楽しんでいるようでした。学校は毎日朝から夕方まで、宿題もたくさん出ますから学校以外で4時間ぐらい勉強しているそうです。学校へは定刻の30分ぐらい前に行きます。遅刻が多く、出てきても予習してこないこともたびたびだったKCP時代からは想像もつきません。

専門の勉強が大変なら、高度な専門性を身に付けるために進学したのですから、当然のことですね。だから、まだ始まってから1か月も経っていませんが、順調な滑り出しではないでしょうか。日本語はどうかって聞いたら、動機の留学生の中で自分が一番話すのがうまいと言っていました。学校で一言もしゃべらない留学生もいるとか。MさんはKCPの発話訓練をがっちり受けていきましたから、これもまた当然の結果ですね。KCPの厳しさの意味がわかったとも。そんなことを話すMさんの話し方は、1か月ちょっと前までに比べると明らかに進歩していました。

Mさんが日本語でつぶれていないことを聞き、日本語を教えた立場としては一安心です。送り出すときは少し不安な日本語力でしたが、本当に好きなことが勉強できるとなると、私たちが感じる以上の力が沸いてくるのでしょう。こう考えると、専門の勉強の力って偉大なものです。KCPのように留学の入り口の学校が持ち得ない、留学生をひきつけ脱皮させる力があります。うらやましく感じます。

でも、きっと逆もまた真なりで、専門学校や大学がうらやむ条件がKCPにもあるはずです。それを見つけて、教えることそのものを楽しみたいです。

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