3月14日(火)
お昼を食べに行こうと玄関を出たら、卒業生のHさんが微笑みかけてきました。授業料減免の手続き書類を見てほしいと言います。C大学に進学するのですが、書類が通ると約40万円が減免されます。これはHさんでなくても大きな金額ですから、Hさんの書いてきた理由書に手を加えて、説得力を持たせました。実際、Hさんには弟がいて、ご両親の教育費の負担は半端なものではありませんし、これからも当分続きます。
かつてに比べれば学生たちの家庭はかなりお金持ちになりましたが、それでも学費を安く抑えたいという気持ちは変わりがありません。親の負担を軽くしたいという思いは尊いですし、アルバイトのために勉強時間が削られるようでは、何のために進学したかわからなくなってしまいます。日本は奨学金の制度があまり充実していませんから、特に新入生にとっては、授業料の減免は何とかものにしたいところです。
実は、昨日はSさんから入学手続き書類に載っていた奨学金について聞かれました。その奨学金は返済の必要があり、実質的には借金です。そういうのにうっかり手を出してしまうと、就職時に経済的にマイナスからのスタートになってしまいます。そのために真っ暗闇の社会人生活を送っている日本人の例をよく聞くようになりました。ですから、Sさんには少し節約に心がけて、勉学に励んで、2年生から条件のいい奨学金がもらえるような成績を取るようにとアドバイスしました。
Hさんが進学するC大学は、わりと有利な条件の奨学金が整備されています。1年生のときに授業料減免でしのげば、2年生からそれ以上の金額になる奨学金受給生になることも夢ではありません。そうやって新しい生活への不安を取り除いてあげることが、卒業生への最後のご奉公だと思っています。