実力?

2月21日(火)

超級のSさんは、頭がいいというか、語学のセンスがあるというか、テストに強いというか、とにかく成績だけはまあまあ以上で、既に進学先も決まっています。そのSさんの最大の欠点は、出席率が芳しくないことで、ずっとブラックリストに載っています。今学期は私のクラスなのに、あまり顔を合わせていません。

そのSさん、先週の卒業認定試験で赤点を取ってしまいました。授業に出ていないとわからない問題に軒並みつまずいていました。勘の良さだけではカバーし切れなかったようです。それでも、他の赤点の学生同様に、一度だけ救いの手を差し伸べようと思いましたが、その救いの手を知らせる日に休んだので、もう情けはかけないことにしました。卒業証書ではなく、修了証書を手に進学してもらいます。

KCPの卒業認定試験は、確かに卒業に値する実力を備えているかも見ますが、同時にこの学校の授業にどれだけ参加したかを見る試験でもあります。私はそう考えて授業を進めていますから、授業で特に強調したことや板書で詳しく説明したことから試験問題を出します。Sさんのようになんとなく休んでいる学生には不利になりますが、それは当然のことだと思っています。

世の中、要領よく生き抜く力や才覚も必要ですが、愚直に正面から問題にぶつかることも、それ以上に必要だと思います。今までにもこう考えて断を下してきたことが何回かあります。そういう学生やSさんに私の気持ちがどこまで伝わるかわかりませんが、たとえ1人でもこれをくみ取ってくれる学生が出てくることを信じて、これからもこうしていこうと思っています。

はて、Sさんはバス旅行に申し込んでいますが、本当に来るでしょうか。次に会うのは卒業式なのでしょうか…。

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