クルマより人

4月15日(水)

京都市が市内随一のメインストリートである四条通の車道幅を半減するそうです。その分、歩道を広げます。今の歩道幅は狭くて、車いすも満足に通れなければ、バス待ちの人がいると歩行者のすれ違いにすら苦労します。これでは日本を代表する観光都市として恥ずかしいということで、車道をつぶして歩道を広げようというわけです。

1980年代ぐらいから、日本は目に見えてクルマに優しい国になっていきました。クルマに乗ることを前提に国づくりが進められたと言ってもいいでしょう。中心街がさびれ、郊外の幹線道路沿いに広い駐車場つきの大規模なショッピングモールが造られ、数十キロも離れたショッピングモールどうしがクルマで来る客を奪い合うようになりました。安房トンネルを始め、峠道を貫くトンネルがどんどんできています。高速道路は国の隅々まで通じているように思われますが、それでもまだ建設されつつあります。街中でも、自転車は車道から歩道に追いやられ、歩行者はその自転車と歩道を貫く電柱を避けながら細々と歩く始末です。クルマなら1回の信号待ちで入れる道に、歩行者は2回の信号待ちが必要なことはよくあります。

そうではなく、歩行者や自転車に優しい街づくりが必要だと思っていました。京都市の方針は、まさにわが意を得たりと言ったところです。減ったとはいえ、去年も4000人以上もの命が交通事故によって奪われています。クルマを全面否定するつもりはありませんが、現状はクルマに甘い国になりすぎていると思います。道って本来は歩く人が主役なんじゃないでしょうか。

KCPの前の道は、学生たちがわがもの顔で振舞うせいか、ほかよりはだいぶ歩く人のための道になっていると思います。でも、クルマが来ると学生たちはあわてて道端によけます。この界隈、無理にクルマが通らなくても生活や業務に支障ないんじゃないかな。ですから、生活道路とかっていうのにして、指定車両以外通行禁止にできないものでしょうか。これは、クルマを持たない人間の発想かな。

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