12月19日(月)
超級クラスの読解は、留学生向けのテキストでは易し過ぎるので、今学期は日本人の高校生向け問題集を教科書として使ってきました。これは、やはり、よくできる学生にとっても難しかったらしく、漢字の読み書き以外は選択問題であっても苦戦していました。
学生たちは、本文中の設問部の直前直後に答えがあるものは比較的よく答えられますが、ちょっと離れたところから答えを見つけなければならない問題には非常に苦労しています。要するに、文章を読んではいますが、頭の中にはその文章のごく狭い範囲しか入っていないのです。前の段落との関係なら見えますが、前の前の段落ともなると、あっぷあっぷの状態です。
「この言葉と1ページ後のこの言葉とが対応していて…」というような解説をすると、学生たちが不思議そうな目をすることがよくあります。傍線部があると学生はすぐそばから答えを探し出そうとしますが、実は結論に近い部分まで読み進まないと答えが見つからないことがよくあります。それゆえ、選択肢を読んでも目が点になっていることもしばしばです。
また、該当箇所を抜き出せという問題は何とか答えにたどり着きますが、それを要約したり言い換えたりしなければならないとなると、とたんに手も足も出なくなります。字数制限を無視して長々と本文を抜き出すような答えが目立ちます。字数制限がなくても、概して長ったらしい答えになりがちです。国によっては、筆答問題では答えがなければ長いほど高く評価されるとのことですが、日本は決してそんなことはありません。むしろ、簡潔さこそが高い評価を得ることが多いです。
3か月間悪戦苦闘しましたが、果たしてどれだけ力を付けてくれたでしょうか。国立大学を始め、これからこの手の読解と向き合わなければならない入試が控えています。その場でここで鍛えた力を存分に発揮してもらいたいと思っています。