11月26日(土)
今学期の選択授業・身近な科学は、私が80分ぐらいしゃべりまくって、最後にその内容に関するクイズをするという形で進めています。昨年はノートを取らせてそれを提出させたのですが、ひたすらパワポの文字を書き写すばかりで、こちらの伝えたいことが伝わっていなかったようなので、やり方を改めました。
回答を集めてチェックすると、熱心に聞いていた学生はきちんと答えられているとう、当然過ぎる結果が得られました。身近な科学は受験には利さない内容ですから、理科系志望の学生がクイズに有利だとは限りません。授業で聞いた内容を答えるのが主旨ですから、知識を振り回して小難しい答を書くと、かえって減点されてしまいます。
実際、いつもうなずきながらメモを取っている美術系志望のOさんは、毎回好成績です。前回は、理系のGさんは私がしゃべったことを聞き流し、受験の常識に基づいて答えたので、そこは点数になりませんでした。
別にひねくれた問題を出しているわけではありません。このテーマに関しては、これぐらいは知っておいてもらいたいという内容を学生に問うています。授業で強調した項目、印象に残るように話したことについてクイズを作っています。それでも的外れな答えがボロボロ出てくるのです。受験に関係のない授業ですから、学生たちが気楽に受けている面もあるでしょうが、授業で大事なことを伝えることの難しさを思い知らされています。
同じようなことが読解だ文法だというクラスの授業でも起きているとしたら、恐ろしいことです。受験講座でもこんな調子だったら、非常に効率の悪い仕事をしていることになります。気楽な独演会のつもりが、針の筵が敷かれた茨の道を歩むような次第になりそうです。