暗雲

10月31日(月)

「Lさん、今日の面接練習、2時半からでどうかってK先生がおっしゃってたけど…」「すみません。今日は無理だと思います。志望校のイベントがあるんです」。

今日は無理だと思います??? “だと思います”って、あんた、他人事じゃないんだよって言いたくなります。Lさんは超級の学生ですが、こんな程度のやり取りになってしまいます。もちろん本人に悪気はありません。K先生のご好意を断るにあたって、精一杯気を使っているつもりなのです。でも、それがかえって裏目に出ています。私たち日本語教師はこういうのに慣れていますからスルーしてあげられますが、普通の日本人だったらどうなのでしょう。

午後、Yさんの面接練習をしました。ひと通り模擬面接をしてからのフィードバックでのことです。「ディテールを表現するというのがYさんの答えの特徴になっているから、ここをもっと強調したほうがいいと思うよ」「でも先生、そうすると、私の日本語力では、面接の先生に全体像をつかんでもらえなくなるかもしれません」「そう考えるんなら、ディテールの話は思い切ってカットしたらどう?」「でも先生、そうすると、私の答えの特徴はどこにありますか」という調子で、心配ばかりしてさっぱり先に進みません。

能天気に行き当たりばったりというのも困りますが、Yさんのように物事を否定的に見てばかりいたら、何もできません。Yさんのクラスでは、今日の授業で「敢然」という言葉を取り上げました。しかし、今のYさんの心理状況は「敢然」とは対極にあるようです。

2人とも、受験が近づいてきていますが、果たして面接が通るでしょうか。少々不安にさせられました。

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