1月5日(水)
私の世代は、社会人になりたての頃は新人類などと呼ばれましたが、今や完全に旧人類です。コンピューターを本格的に使うようになったのは就職してからで、卒論や修論のデータは紙で管理が中心でした。それに比べると、今の学生たちはデジタルネイティブで、コンピューターを母語のように扱います。
そういう学生たちに、コンピューター経由で進学に関するアンケートを取りました。年末にフォームを送ったのですが、回収率が芳しくありません。催促のメールを送っても、なかなか反応してくれません。オンライン授業での提出物の様子を見ていると、すぐに100%近く回答が来ると思っていましたが、そうはありませんでした。
宿題やテストは提出しないとすぐに痛い目に遭わされますが、このアンケートはそんなことがないからかもしれません。しかし、アンケートを紙で配っていた時は、欠席者を除いてほぼ全員が提出していました。紙に書かれたデータを手入力するのは確かに手間でしたが、回収率の高さには代えられません。
紙のように課題が現物として存在すると、早く片付けなければという意識が働くのでしょう。パソコンかスマホの中の電子的な存在となると、緊急を要しないと見るや、後回しにしてしまうのです。デジタルネイティブのはずの学生たちも、根っこの部分にアナログな思考回路が垣間見えます。
嫌なこと、見えないものはなかったことにという、人間の本能とも言える発想が、デジタルネイティブの行動様式を変えてしまったとも考えられます。とすると、人間って意外と進歩しないものなんですね。真のデジタルネイティブは、今の学生の次の世代なのかもしれません。
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