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地力

12月3日(火)

日本語プラスの授業の後で、受講していたGさんが研究計画書を見てほしいと言って、A4用紙4枚ほどを取り出しました。私がかつて専門にしていた分野なら、多少は意見が言えるかもしれませんが、それ以外の話だったら畑違いですから、見当違いの意見を吐いてしまうでしょう。それでもいいから読んでくれというので、目を通してみました。

残念ながら私の専門外の内容でしたが、興味を持っている分野ではありましたから、おもしろく読ませてもらいました。Gさんの狙いは、内容についての意見を求める点にあるのではなく、研究計画書の体裁が整っているかどうかを確認する点にありましたから、そんなに難しく考えずに読むことができました。

最低限の形式は整っており、論理的な矛盾もありませんでした。翻訳ソフトかAIかを使ったんでしょう、日本語も立派なものでした。一つ気になったのが、大学院の先生と日本語で話をするのかという点でした。もしそうだとすると、Gさんの日本語では心もとないこと極まりありません。

その辺を確かめると、質疑応答は英語でするとのことでした。「そりゃあ、理科系は英語だよ」なんて、日本語教師としてあるまじき発言をしてしまいましたが、Gさんが狙っているM大学なら、修論の発表はきっと英語でしょう。Gさんにとっての日本語は生活用語であって、学問のための言葉ではありません。研究の場こそ日本ですが、研究を進める頭脳は英語で回転しているのです。

何となく寂しいですが、これがに現在の本語の地力です。

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11時に起きました

12月2日(月)

朝、教室に入ると、Gさん、Sさんの姿が見えませんでした。授業の直前にメールをチェックしましたが、2人からの連絡メールはありませんでした。Sさんは先週の金曜日も無断で休んでいますから、その理由を聞こうと思っていました。しかし、休まれてしまったらどうしようもありません。

前半の授業が終わり、職員室に戻り、メールを見てみましたが、やはりメールは届いていませんでした。めったに休む学生たちではありませんから、なおさら気になりました。

授業後はZさんとの面接、Uさんの再試の採点・フィードナック、日本語プラスの授業と、3時まで休む間もなく仕事が続きました。欠席者への連絡が遅くなってしまうことは気になっていましたが、面接などの方が優先順位が高いですから、後回しにせざるを得ませんでした。

そういうのがすべて終わって、まず、無断欠席が続いたSさんに電話をかけました。なかなか出ないので切ろうとした頃になってやっと「もしもし」。欠席理由を聞くと、「昨日JLPTの後で飲みすぎてしまいました」とのこと。金曜日は、うちでJLPTの勉強をしていたと言っていました。「明日から休まずに学校へ行きます」と言いますから、軽く叱って終わりにしました。

次はGさん。こちらはすぐに出ました。理由を聞くと寝坊だと言いますから、何時に起きたか聞きました。11時という答えが返ってきましたから、JLPTの打ち上げかと聞くと、少し小声で「はい」。11時まで目が覚めなかったということは、下手をすると、私が起きた時間ぐらいまで飲んでいたのかもしれません。また、GさんとSさんは同国人ですから、確かめるまでもなく一緒だったに違いありません。

2人とも、受験したレベルに合格したら、これは笑い話として聞き流してあげましょう。

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