Monthly Archives: 5月 2024

座りっぱなし

5月18日(土)

昨日は川越課外授業でしたが、今学期の次の学校行事は、6月10日の大学・大学院進学フェアです。参加校がほぼ決定しましたから、来週あたりから学生たちに進学フェアがあることを伝え、進学するつもりが少しでもあるのなら必ず出るようにと指導していきます。

教師が口で出ろといくら繰り返しても、学生はそう簡単には動きません。ですから、パワーポイントで視覚に訴える資料を作ることにしました。参加校には、学生誰もが知っている大学もあれば、日本人には有名でも留学生には無名な大学もあります。また、学生たちが知っていると言っても、名前と偏差値レベル程度でしょう。ですから、パワーポイントで各大学のそれ以外の特徴を紹介して、学生たちに具体的なイメージを明確に持ってもらおうと思っています。

そう思って資料作りを始めると、私自身も各大学について特別詳しいわけではないことを痛感しました。例えば各大学の学部卒業生の大学院進学率を調べてみると、意外と高かったり低かったりしました。各大学のウリは何かとなると、かなり気合を入れて調べなければなりませんでした。まず、私がその大学に入りたくならなければならないんですよね。

試行錯誤を繰り返しながらでしたから、参加予定校の3分の1ほどで終わってしまいました。でも、資料作成の要領はつかめましたから、月曜日以降ははかどることでしょう。

昨日は朝から1日中川越の街を歩きつづけましたから、スマホの歩数計が3万4千歩余りを記録しました。しかし、今、歩数計を見てみたら、わずかに3729歩。そうだよね。お昼にちょっと外に出ただけで、ずっとパソコンの前だったもんね。そのぐらい根を詰めて作ったんですから、学生のみなさん、来週の大学紹介、見てね。見なくても10日は必ず出てね。

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好天に恵まれました

5月17日(金)

朝から快晴。7時に本川越駅に着きました。先生方への事前説明で示したおすすめコースを歩いて氷川神社へ向かいました。大正浪漫通りにはたくさんの小ぶりのこいのぼりが、四万十川などで行われているような、川の両岸を差し渡してたなびかせるのと同様に、道をまたいで泳いでいました(ところが、いつの間にか片付けられてしまい、昼間通りがかったときには、夢幻のごとく、何もありませんでした)。富士見櫓跡に上ると、マンションのすき間から富士山の頂上部が見えました。新河岸川遊歩道から木立の向こうに氷川神社の大鳥居が見えると、やっぱり立派だなと感じました。菓子屋横丁は店がまだ開いておらず、観光客も皆無でした。蓮馨寺は、毎朝お参りしていると思われる地元の方が数人手を合わせていました。境内を掃除している方もいましたが、こちらも毎朝なのでしょうね。

1周して駅に戻ると、先生方が少しずつ集まり始めました。その後学生も来始めましたが、学生も教師もみんな直射日光を避けて日陰に集まったため、駅構内から出る通路を塞いでしまいました。これは反省事項です。

あれほど時間厳守と指導しておいたのに、定刻になっても学生の集まりは7~8割だったでしょうか。“いい学生”と評判の学生も、定刻過ぎの電車で到着し、慌てて集合場所に向かっていました。冷たくおっぱなして出発しても、結局こちらの手に負えなくなるだけですから、待たざるを得ません。これは永遠の課題です。

時の鐘付近で学生の整理に当たっていると、超級クラスのグループが来ました。正午少し前だったので、12時に鐘が鳴ると教えると、写真を撮りながら待っていました。私も時の鐘を聞くのは初めてでした。自動で撞木が鐘から離れ、今か今かと待ち構えていると、撞木が解き放たれて鐘を撞きました。思ったより小さな音(それでも付近には十分響きました)でした。鳴っていない鐘を見上げているくらいが、想像力が掻き立てられて、かえって面白いんじゃないかなと思いました。

超級グループの学生たちが鐘を聞いた後すぐに立ち去ろうとしたので、時の鐘の奥に祭られているお稲荷さんを拝んだかと尋ねました。拝んでいないと答えたので、「ここは合格に著しいご利益があると言われているのに、そこにお参りせずに行ってしまうんじゃ、お前ら全員だめだな」と脅したら、慌てて拝みに行きました。みんな、受験に関しては必死なんですね。

外歩きをする課外授業は、“天気よければすべてよし”みたいなところがあります。最終集合場所の蔵里にやってきた学生たちは、みんな満足そうでした。歩き疲れたDさんやGさんたちのように、しばらくの間座り込んでいる学生もいました。ここでも定刻になっても現れない学生がいて、教師が連絡を取る場面が見られました。体験イベントに夢中になっていたとのことでしたから、担任の先生からは大目に見てもらえたようです。

私は、うっかり、夕方歯医者の予約を入れてしまったので、へとへとの体を引きずって歯医者へ行きました。口を開けたまま、寝てしまいそうになりました。

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大阪の巨星墜つ

5月16日(木)

やはり、キダタローさんが亡くなったことに触れなければならないでしょう。私はもちろんお会いしたことはありませんが、探偵ナイトスクープで深く印象付けられました。

昨年新たに入局した桂二葉に対して、きれいな大阪弁を使っていると評していました。私も、アクセントに乱れがなく、「してはる」という敬語を過不足なく使っていることなどから、聞いていて気持ちがいいなと思っていました。キダタローさんも同じように感じていたのかと、自分の耳に自信を持ちました。

このほかにも、「浪花のモーツァルト」と呼ばれていたり、かに道楽やアホの坂田の作曲をしたりと、常に大阪を愛し、大阪に軸足を置いた活動を続けていました。その活動は、芸能人というよりは文化人というべき幅広さでした。大きく言えば、近松門左衛門からの系譜を継ぐ人でした。

私は東京生まれで東京育ちと言ってもよい人間ですが、そういうキダタローさんが好きでしたし、だから注目もしてきました。そんな方が亡くなり、寂しい限りです。キダタローさんの後が継げる人って誰でしょう。すぐには思い浮かびません。こう考えると、実に偉大な人物を失ったものです。

キダタローさんの死因は報じられていませんが、93歳という年齢からすると、老衰に近かったのでしょうか。でも、老衰というのは、生前のキダタローさんのエネルギッシュさからほど遠い気もします。いずれにしても、今頃は空の上で探偵ナイトスクープ初代局長の上岡龍太郎さんと旧交を温め合っていることでしょう。

ご冥福をお祈りいたします。

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聞く力

5月14日(火)

留学生の大学入試には、必ずと言っていいほど面接があります。受験生の日本語力を確かめることはもちろん、勉学に対する意欲や、4年あるいはそれ以上に及ぶ留学生活に耐えられるかどうかも見ていることでしょう。そして、各大学のアドミッションポリシーに合致した留学生を選抜していることと思われます。

いろいろな大学の先生方の話を総合すると、面接試験はコミュニケーション能力の試験でもあるようです。日本語でコミュニケーションが取れない学生は、指導のしようがないので入学させないという考えの大学もあります。志望理由や将来の計画など王道的な質問だけでは、暗記してきた模範解答でかわされてしまいます。それ以外に、受験生の人となりや社会性を見る質問もなされます。

さて、コミュニケーションとは何でしょうか。自分の気持ちや考えを相手に伝えられればコミュニケーションは完了でしょうか。いいえ、相手の気持ちや考えを理解することも含まれます。受験生はとかく前者に力を入れがちですが、後者がなければそれは自分の思いの押し付けに過ぎません。

そうならないためには、相手の話をきちんと聞いて受け止める力が重要です。しかし、この力は上級になれば身に付くといったものではありません。日頃からスマホではなく人間に向き合わなければ、この力は伸びません。翻訳ソフトの助けを借りてばかりでは、うわべだけの理解しかできません。その言葉に込められた重層的な意味など、想像の埒外でしょう。

日本語プラスの進学授業で、面接試験の大学側にとっての意義を訴えました。今のうちからそういう意識で準備していってもらえば、文字通り実りの秋が迎えられるはずです。天皇陛下も田植えをされたとのことです。今から秋を楽しみにしていましょう。

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5月13日(月)

Sさんは理科系の日本語プラスを取っています。Sさんのいいところは、わからないことをすぐ質問するところです。「ここまで、質問ありませんか」とこちらから誘いかけても質問しようとしない学生が多い中、Sさんは私が何もしなくても「先生、…」と聞いてきます。そして、その質問が的外れだったことはありません。「さっき説明したのに」とか、「それって、今までの話と全然関係ないじゃないか」などということはなく、他の学生にとってもためになることばかりです。宿題をきちんとやり、予習も怠りなくやっていることがよくわかります。勉強しているからこそ、疑問点も浮かび上がり、私の話で満足できないところも出てくるのです。

6月のEJUも大いに期待したいところですが、Sさんにとっては初めてのEJU受験です。日本語・読解の過去問では問題を解くスピードが全然足りません。解いた問題の正答率は非常に高いのですが、制限時間内では7、8問残してしまいます。すると、平均点は確保できますが、Sさんが考えている大学には手が届かない点数にしかなりません。理系科目にしても、「じっくり考えたらできる」では思い通りの成績は挙げられません。そう思って、いつもの学期より“ずるい解き方”を教えています。例えば素早く概算して答えを選ぶとか、化学式を見ただけで答えを絞り込むとか、まじめなSさんにとっては許しがたいと思われる考えを伝授しています。

いずれにしても、Sさんは2024年のKCPの期待のホープです。上手に育てていかねばと思っています。

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教えやすい

5月10日(金)

F先生の代講で入ったクラスには、先学期レベル2で教えた学生が数名いました。また、日本語プラスで顔見知りになっている学生もいましたから、クラスの半分ぐらいは知っている学生でした。ですから、授業の終わりごろにはだいたい顔と名前が一致してきました。

そうすると、当然、顔と名前とできる・できないが紐づけられます。だから、この問題はこの学生に答えさせてみようとか、ここはあの学生の意見を聞いてみようとか、逆に、この学生からはろくな答えが返ってこないだろうから指名するのはやめておこうとか、授業を組み立てる面白さが感じられるようになってきます。

Qさんは、最初に指名した時に全然答えられず、その後こっそりスマホをいじっているのを見つけましたから、私の心の中では最低レベルにランク付けされました。Yさんは、発音はイマイチですが、前向きな姿勢が感じられ、上級でまた会いたいなと思いました。Nさんは先学期も教えた学生ですが、順調に伸びているのが感じられ、このまま力を付けていってほしいと思いました。Gさんも、相変わらずよくしゃべり、このクラスでも中心的存在のようで、安心しました。

何より、このクラスは学生たちの仲がいいので教えやすかったです。冷たい雰囲気のクラスだと、学生同士が名前を覚えません。このクラスは「じゃあ、次は◎△さん」なんて、学生が言い合っていましたから、学期が始まって1か月ほどでよくなじんでいるんだなと思いました。

こういうクラスの代講なら、もう一回ぐらい入ってもいいですね。

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便利さの追求

5月9日(木)

A先生が授業で使おうと思って、最近発売された聴解の問題集を買いました。近頃は、聴解の問題集でも、音声はCDではなくダウンロードするタイプのものが増えました。この問題集もその手のものでしたから、A先生は事前に内容を確認しておこうと思いました。ところが、ダウンロードしようと思っても画面が真っ白になってしまって、結局できませんでした。システムの不具合だそうです。「買う前に言ってよー」とA先生は嘆きましたが、私だったら「金返せ」と叫んでしまったかもしれません。

A先生は出版社に問い合わせのメールを送りましたが、なしのつぶてのようです。やっぱりCDのような現物があった方が安全確実なのでしょうか。ダウンロードの方が、何かと都合のいいことが多いですが、こういうトラブルに巻き込まれると、手も足も出せません。出版社側のシステムなど、私たちにとってはブラックボックスですからね。

昨日、JR東日本が、当分の間みどりの窓口をこれ以上減らさないと発表したと報じられました。以前、この稿に有楽町駅のみどりの窓口が閉鎖されていて驚いたということを書きました。しかし、外国人観光客をはじめ、みどりの窓口を必要とする人が多く、みどりの窓口が残っている駅が大混雑しているそうです。

もう一つ、チケットレス化が予想より進んでいないというのも理由に挙げられていました。スマホかカードを改札口にタッチするだけで座席指定車に乗れるのですから、便利なものです。でも、紙の切符の方が、安心感があるのでしょう。スマホをタッチした瞬間に改札口が閉じられてしまったら、パニックに陥る人もいるに違いありません。チケットレスもブラックボックスです。

A先生も、授業準備の段階でダウンロードがうまくいかないことがわかったからよかったようなものの、スクリプトだけ読んで授業に臨み、ダウンロードできないとなったら、平常心は保てなかったでしょう。授業に大きな穴をあけることにもなりますしね。

紙の切符を持って、CDウォークマンで音楽を聴きながら旅をしていたころが、人間の本能に一番負荷がかからなかったのかもしれません。

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明るくなりました

5月8日(水)

Dさんは日本語プラスの理科系の科目に出ています。しかし、数学も理科も難しいと言います。確かに、物理や化学の授業中の様子を見ても、わかっているような顔はしていません。数学のS先生も、Dさんは苦しそうだとおっしゃっていました。そのDさんが、暗い顔をして、重い足取りで進学相談に来ました。

Dさんは大学で建築か機械を勉強したいという希望を持っています。建築と機械では分野がだいぶ違います。まだはっきり決められないというのが本音なのだと思います。とはいえ、6月のEJUで運命が決まってしまうケースが多いのが留学生入試です。その運命の6月16日まで39日。のんびり迷っている暇はありません。

機械工学を専攻するなら、数学や物理はかなり力を入れなければなりません。AIを搭載したロボットが作れたらいいなあといった夢や憧れだけでは勉強できません。一方、建築は、耐震構造とかという方面は数学や物理をハードに駆使します。しかし、デザインに重きを置いた建築なら、そこまでのハードさは求められません。その代わり、多少なりとも絵の素養は必要でしょうが。

Dさんに聞いたところ、デザイン系の建築も大いに考えているとのことでした。それなら、A大学はEJUの指定科目は日本語だけです。S大学は数学コース1(文科系)で受験できます。K大学は体験入学に参加すればEJU不要で合格証を手にすることができるかもしれません。K大学には、3月までKCPにいたDさんの国の先輩が進学していますから、その先輩から情報やアドバイスが得られるでしょう。

そんな話をすると、Dさんは先月からずっと感じていたストレスが消えたと、笑顔を見せてくれました。自分でも調べてみると言って、雨の中を帰っていきました。こうして早いうちから騒いでいる学生が、結局受験に勝つものです。Dさん、一歩前進かな。

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たくさん歩きました

5月7日(火)

連休は大阪に野暮用があったので、3日の朝いちばんの飛行機で伊丹へ。隣り合わせた親子連れが大阪と奈良のるるぶを出していましたが、「道頓堀であれ食べるこれ食べる」とか「奈良公園でどうするこうする」とか話し合っていましたから、私のライバルではないと判断しました。この親子、「連休は何をしましたか」と聞かれたら、「大阪と奈良で人を見てきました」と答えるんだろうなと、気の毒になりました。

着陸態勢に入ると、窓から大和三山が見えました。あのあたりがこの連休の予定戦場かと思いながら地図と見比べました。

大阪で用事を済ませ、上本町から近鉄に乗り、八木に着いたのがお昼少し前。まず向かったのが、藤原宮跡です。私は「跡」が好きです。もちろん、世界遺産の姫路城や法隆寺の価値は認めます。姫路城を見ればその威厳ある姿に身が引き締まります。法隆寺の夢殿や五重塔からは心が洗われるオーラを感じます。しかし、姿がはっきりしていますから、そこ止まりです。一方、下津井城跡とか豊後国分寺跡とか上淀廃寺などというと、何もないだけにいくらでも想像が広がります。ここに七重塔があったらとか、五層の天守がそびえていたらとか、頭の中に無限の風景を描くことができます。

藤原宮跡は、そういう意味では第一級の史跡です。草ぼうぼうの野原に大極殿跡とか朱雀門跡とかが示されているだけです。近鉄電車から見える復元平城京みたいなものだろうか、それよりもさらに荘厳なものだろうかと、思い切り空想を暴走させました。大和三山に囲まれた藤原宮跡は、朝飛行機から見下ろした予定戦場のど真ん中でした。

4日は桜井から多武峰を抜けて飛鳥へ。だいぶ昔に自転車で談山神社まで行きましたが、途中から自転車を押して急坂を上る羽目に陥りました。体力を使い果たし、談山神社の十三重の塔を見たら下り坂でバスを追い越すほどのスピードを出して桜井まで戻りました。今回は、歩いて多武峰を越えようと企画しました。多武峰は新緑が美しく、山道から見下ろす飛鳥の里ものどかな感じがして、浮世の穢れが洗い流されました。

多武峰の飛鳥川の麓にある石舞台古墳は、以前見たこともあるし、人も大勢いましたからパスして、その付近にある展望所から棚田・段々畑的な景色を楽しみました。私は観光客でしたから「楽しみました」と言えますが、そこにずっと住んでいたらのんびりしすぎて、刺激が欲しくなるでしょう。都会人は心のゆとりを求めて田舎を旅し、のどかな里の人々は刺激を求めて都会を歩きたくなるものではないかと思います。でも、それが毎日となると、お互いかえって疲れてしまうのではないでしょうか。

5日は、卑弥呼が眠っているのではないかと言われている箸墓古墳をはじめとする纏向遺跡を歩き、大神神社のご神体である三輪山にも上りました。箸墓古墳は宮内庁管理ですからまわりを一周する以外は何もできませんでしたが、他は古墳の頂上に登ったり建物の礎石に腰を下ろしたりなど、わりと自由にできました。

三輪山に登るには入山料を納め、神社の方から心得を聞き、輪袈裟をかけてご神体に向かいます。細く険しい山道ですから、上り下りとも譲り合いが肝心です。この道を譲るのが、えもいわれぬさわやかさを伴います。譲ってもらったときに「ありがとうございます」と答えるのも、気持ちのいいものでした。見ず知らずの人たちとのこうしたふれあいの場として、ご神体は懐をくつろげているのではないかとさえ思えました。

その後、桜井市立埋蔵文化財センターに入りました。そこで、普通に読むと7世紀に建てられたはずのお寺が鎌倉時代に建てられたことになってしまう説明文を発見しました。学芸員の方に指摘しました。すると、専門家にとっては常識の説明が抜けており、それを補うと確かに7世紀に建てられたことになりました。旅の最中も日本語教師であることを忘れない金原でした。

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初欠席

5月2日(木)

プライベートレッスンを受けているHさんは、小学校入学以来、学校を休んだことがありません。体調が悪くても親が休ませてくれず、お腹が痛いとか言いながらも学校に出ました。ですから、小学校、中学、高校と皆勤賞をもらいました。その時は誇らしく思い、ひそかに優越感に浸りました。

そのHさん、なぜプライベートレッスンを受けているかというと、会社の仕事で日本語が必要だからです。通常のクラス授業に加えて、会話練習やJLPTの問題などに取り組んでいます。仕事に直結するとなると気合が入るものです。話し方の間違いを指摘するとすぐに言い直したり別のシチュエーションで使ってみたりしようとします。

ところが、連休明けに出張が入ってしまいました。そのため、どうしてもKCPを休まざるを得なくなりました。小学校から続けてきた皆勤が途切れると思うと、Hさんは残念でなりません。二日酔いの朝も、文字通り這うようにして登校してきたのです。私にまでその残念が乗り移り、「仕事だからしょうがないよ。Hさんはほかの学生みたいにいい加減な気持ちで休むんじゃないんだから」などと慰め役に回りました。

Hさんの爪の垢を煎じて飲ませたい学生がおおぜいいます。Dさんはまた日本語プラスを休みました。数学のS先生から才能があるとお墨付きをいただいているのに、このままでは宝の持ち腐れに終わってしまいそうです。RさんはA先生にたっぷり油を絞られていました。こちらも光るものを持っているんですがね。

明日からの連休、Hさんは出張の資料作りをするそうです。私は、例によって関西遠征です。

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