6月2日(金)
昨日、藤井聡太六冠が名人位を獲得し、七冠になりました。14歳でプロ棋士になった時からずっと注目され続け、順調に力を伸ばして次々とタイトル戦を制し、最高のタイトルとされる名人位も手にしたのです。秋に予定されている王座戦に勝てば、八冠独占となります。
その藤井新名人、まだ20歳です。KCPの学生たちと同年代です。身を置く世界がまるっきり違いますから、直接比較するのは無意味です。でも、飽くなき向上心だけはKCPの学生たちに見習ってもらいたいです。
藤井新名人は、勝負が終わった後の感想戦が長いそうです。感想戦とは、今指し終わった将棋を、対局した2人が最初から振り返り、重要な局面でどんな指し方があったか研究する場です。勝っても負けても、ここでこう指していたらどんな変化が生まれたか、最善の手筋は何だったのか、そういったことを時間の許す限り追究することが、新名人の力の源なのでしょう。
AIが将棋名人を破ってから数年になりますが、新名人は、そのAIすら思いつかなかった(計算できなかった)素晴らしい手を繰り出すこともしばしばだといいます。天賦の才もさることながら、上述のような向上心こそが、AIをも上回る頭脳を作り上げているのです。
今の学生たちは、概して勉強時間が足りません。1日わずか1時間か2時間の勉強で、有名校を並べ立てた志望校に入れると、本気で思っているのでしょうか。テストを返却すると点数だけ確認して鞄にしまい込んじゃうようだと、先行き見通しは暗いです。
新名人はプロ棋士230名の頂点に立ちましたが、KCPの学生だって、せめて10人の中の1番にならなければ、頭の中に思い描いている夢を実現させることは難しいです。教師に尻を叩かれたら、素直に慌てて勉強してほしいです。
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