Monthly Archives: 4月 2023

さよなら、日本

4月3日(月)

お昼過ぎに、だいぶ昔の卒業生Yさんが来ました。残念ながら、“Y”という名前はすぐには思い出せませんでした。マスクの外に出ている眼もとと声に覚えがあり、別の先生がYさんと呼び掛けているのを耳にして、「ああそうだった」となった次第です。

Yさんは関西の大学に進学し、その大学の大学院に進み、大学院を修了して、あさって帰国します。話を聞くと、日本の国の、もしかすると日本人の心の狭さが感じられ、考えさせられることが多かったです。

Yさんの研究内容にも関連があるのでしょうが、就職の際に国籍が問題にされたそうです。日本に帰化していたり、永住権を持っていたりすれば、その会社の研究の核となる仕事に携われたのですが、そのどちらでもないYさんは、修士の学位を持っていても周辺的な仕事しかさせてもらえそうもなく、就職はあきらめざるを得なかったそうです。国へ帰ったほうが、明るい未来が開けそうだということで、帰国を決意しました。日本は、有望な人材を1人失ったのではないでしょうか。

大学院は京大に進学したかったのですが、入試と感染拡大期が重なり、入試がめちゃくちゃになってしまい、やはりあきらめざるを得なかったとか。京大なら、どこの会社でも入り放題だったのではと言っていました。

でも、関西での留学生活は充実していたようです。東京では味わえなかった経験を、あれこれ語ってくれました。そういった経験が、Yさんの留学生活に花を添えたようです。

Yさんで一番印象深いのは、大学を14校受けたことです。1校か2校でお茶を濁そうという学生が多い中、私の知る限り最多記録です。今の学生たちには、その根性を見習ってほしいものです。できれば進学授業でその体験を訴えてほしいところですが、あさって帰国じゃしょうがないですね。

それじゃあ、Yさん、お元気で。

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落ち着いた雰囲気

4月1日(土)

午前中、電気設備の定期点検のため停電でした。停電でもできる仕事、パソコンやコピー機などを使わない仕事ということで、昨年11月のEJU理科の模範解答を作りました。これなら紙と鉛筆でできます。

学期中は授業が最優先ですし、1月期はギリギリのところでの進路指導もあります。ですから、EJUの問題を解くための時間はなかなか作れませんでした。学期が終わったらすぐに新学期の準備ですから、やっぱり時間が取れません。停電でパソコン仕事ができないとなるで、出勤する教職員も少なく、だから鍵もありません。というわけで、停電のおかげで、やっとまとまった時間が取れたというわけなのです。

解いてみると、いくつかオヤッという感じの問題がありました。今までとは傾向の違う問題で、ちょっとした頭の体操になりました。聞いている事柄は同じなのですが、角度を変えて問うているので、新鮮に感じられました。毎回こういう問題がバンバン出てくると、解くにしても教えるにしても、甲斐が出てきます。

残念ながら、“問題のための問題”みたいな問題もありました。毎度のことですが、知識の有無を調べてどうするのだろうと思ってしまいます。また、厳密には成り立たないんじゃないかなという問題もありました。日本人の高校生が受ける共通テストで同じ問題が出たら、騒ぎになったかもしれません。

人が少ないので仕事がはかどりました。新学期は、6月18日のEJU本番に向けての理科の授業をしていきます。Hさん、Jさん、Pさん、バリバリ鍛えていきますよ。覚悟していてください。

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