11月30日(月)
朝、メールを見ると、昨日の夜遅く、Aさんからメールが届いていました。S大学の志望理由書に目を通してくれとのことでした。
Aさんは塾に通っていますから、おそらく塾の先生が手を入れたのでしょう。S大学を志望するに至ったきっかけ、S大学で何を学び、将来どのような道を進もうと思っているかなど、志望理由書に欠かせない内容がきちんとまとめられていました。和文和訳が必要な暗号解読のような文章とはレベルが違います。あっという間に読めてしまいました。
しかし、つぶさに見ていくと、小さな文法の誤りもありましたが、専門用語の使い方が間違っているところが散見されました。文脈に沿って好意的に読めば理解可能ですから、致命的なミスではありません。でも、用語の正しい定義を知らないことは知られてしまいますし、知ったかぶりをして失敗していると見られないこともありません。その点も指摘しておきました。
学生たちもこういうことがあるのは織り込み済みのようで、塾で指導してもらっても最終チェックは日本語学校の教師のところへ持って来ます。私たちは学生にとって最後の砦のようなものなのです。語句や文法のネイティブチェックは言うまでもなく、大学で勉強する内容が的確に表現されているかも見る必要があります。塾の先生と言っても多くの場合は大学生でしょうから、自分の専門外の事柄についてどれだけ知っているかとなると、心もとないものがあります。
もちろん、私たちだってこの世の森羅万象に通じているわけではありませんから、チェックするのに苦しい場合もあります。ただ、私たちが見て明らかに間違っているとわかるような間違いがあるような志望理由書は、大学の先生に鼻で笑われてしまうでしょう。そうならないように精一杯目を光らせるというのが、私たちの仕事です。
Sさんは、“11月30日消印有効”にかろうじて間に合ったようです。次は、面接練習です。
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