3月13日(金)
今年は大勢が一堂に会するのは具合が悪いということで、卒業式を中止しました。でも、証書はぜひ学生に渡したいので、学生の都合のいい時間帯に学校まで足を運んでもらうことにしました。本当は来週の月曜日からと考えていたのですが、Eさん、Kさん、Fさん、Cさんが、午後、受け取りに来ました。
みんな、東京を離れる学生たちです。Kさんは明日出発だと言っていました。毎年、卒業式の直後に引越しをする学生がいましたから、そんなに珍しい話ではありません。でも、今年は卒業生を一斉に見送ることができず、個別に送り出すことになり、卒業生の個別な事情がより明確になり、それが別れの寂しさを強調しているような気がします。
そして、入学式やオリエンテーションが中止になったと言っていました。授業が予定通りに始まるかも、予断を許さない状況のようです。こればかりはいかんともしがたいものがあります。一抹の不安を抱えての門出となりそうですが、そんなことには負けないぞという強い意志を目の奥に宿らせていました。
ばらばらに卒業生が来るおかげで、教職員が卒業生に直接話し掛けるチャンスはいつもの年よりずっと多くなりました。四谷区民センターの雑踏に紛れてフェードアウトというのではなく、きちんと挨拶できます。Cさんのように、レベル1で入って超級まで上り詰めた学生は、関わった先生も多く、思い出話に花を咲かせていました。
私は例年のような“証書渡しマシーン”に化することなく、一人一人に文面を読み上げて手渡し、記念写真に納まりました。式こそできませんでしたが、それに勝るとも劣らぬ別れの場を設けることができました。災い転じて福となすとまではいかないでしょうが、少しは失点を挽回できたかなと思っています。
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