7月31日(火)
好きな有名人というタイトルで、自由に会話をさせました。Gさんは山本勘助を挙げました。もちろん、クラスの他の学生はポカンとするほかありません。孫子の兵法がどうのこうのとかと語ってみたところで、学生たちのポカンは一層深まるばかりです。私が多少解説を加えても、どうにもなりませんでした。
Gさんは日本の歴史が好きで、山本勘助の時代に限らず、幅広く多くの歴史小説や新書などを読んでいます。日本史に関する知識は、下手な日本人よりずっと豊富です。チャンスを見出してはその知識を披露しようとしているのですが、悲しいかな、日本語の表現力が知識に追いつかず、今のところ思いが空回りしています。
それをばねに日本語の勉強に集中してくれればいいのですが、残念ながらKCPでの勉強より知識を増やすことのほうがおもしろいようで、勉強はおろそかになっているのが現状です。その証拠に、文法テストは2回とも不合格、漢字テストも不合格でこそありませんが、低空飛行を続けています。
まず気になるのが、授業の受け方が雑なことです。ノートも取らないし宿題の字も汚いし教師の注意も聞いていないし不合格のテストの再試も受けないし、このままでは進級できないでしょう。そして、危険な状況にあることに本人が気付いていないことが、最大の難点です。
Gさんが日本語力をつけて日本史の研究に携われば、きっと大きな業績を残すことでしょう。しかし、今のままではその研究に携わることが認められません。こんないい加減な日本語では、どこの大学・大学院でも受け入れてくれません。自分は日本語ができないんだと謙虚になり、基礎からもう一度積み上げ直すべきです。プライドが許さないなんでけちなことを言っているうちは、将来が開けません。