Monthly Archives: 2月 2018

寒中喫煙大会

2月2日(金)

午前中は雪が結構勢いよく降った時間帯もありましたが、お昼過ぎにはそれも上がり、先週のような大雪にはなりませんでした。低気圧の通過したコースが、先週よりいくらか南だったため、まとまった雪にはならなかったようです。

雪がやんでも気温はあまり上がりませんでした。その寒空の中、学校の前にあるホテルの敷地でタバコを吸っていた学生がいました。しかも10人も。「タバコは喫煙室で」と事あるごとに注意しているのですが、それでもまだこういう学生がいるのです。お恥ずかしい限りです。

教師をバカにしているのか、学校をなめているのか、日本社会を甘く見ているのか、ルールやマナーを守ろうとしない学生は、結局何も考えていないか考えられないかなのです。私が以前捕まえたKさんもそうでした。吸いたくなったから非常階段の踊り場で吸ったのです。「吸ってしまった」という後悔や後ろめたさは感じられませんでした。こいつはまずいなと思いました。でも、厳しく注意したことが効いたのか、その後在学中は問題になることはありませんでした。じゃあ、Kさんはタバコのルールが守れる人間になったのかというと、私は懐疑的です。非常階段はまずいということは学習できたでしょうが、さらに一般化して、吸える場所以外では吸わないという境地にまで至ってはいなかったんじゃないかな。進学先でトラブルを起こしていなければいいがと思っています。

飲食禁止の教室で休み時間にこっそりお菓子を食べたりコーヒーを飲んだりしている学生、「てやまない」は「祈る、願う、期待する、希望する」と何回も注意したにもかかわらず「国に戻ってやまない」などという例文を書いてよこす学生、授業中にせっせと内職する学生、みんな根は同じところにあるような気がします。自分の目の前のことしか見えていないのです。

視野狭窄だからこそ、視野を広げるために日本まで留学に来たのですから、親の育て方が悪いとかっては言っていられません。こういう学生に考える力を付けさせるにはどうしたらいいか考えるのが、私たちの仕事です。

山場

2月1日(木)

2月は、受験シーズン最後の山場です。私のクラスでは、2名が入試のため欠席でした。明日は3名だったかな。どの学生もまだ行き先が決まっていませんから、何とか合格をつかみ取ってもらわねばなりません。面接練習やポートフォリオの説明文のチェックなど、試験に向けての最終チェックを頼みに職員室まで来る学生も、毎日何名もいます。不安や緊張を押し殺して教師の発する想定質問に答える姿には、鬼気迫るものすら感じられます。

中には、ぐうたらしていたあげく、切羽詰って進退窮まって、教師を頼ろうとする学生もいます。そんな学生は、だいたい教師に怒鳴られています。書類がいい加減だったり、約束した時間に来なかったり、質問に対する答えがどうしようもなかったり、早い話が受験の基礎知識すら身に付けていないのです。神妙に教師の指示に従えばいいのに、突っ込みどころだらけの学生に限って自己主張したがります。

「先生、B大学やC大学だけでは危ないですからA大学を受けます。この理由は大丈夫ですか」「本当はB大学かC大学に入りたいけど、そこがダメだったらしかたなくA大学に入るって聞こえますが」「はい、そうです。だめですか」「それは志望理由になりませんね」「でも、A大学を受験する留学生は、みんなそう思っています」「あなたがA大学の面接官だったら、そういう答えを聞いてどう思いますか」「A大学の先生も知っていると思います」

どうやら、世間の荒波様にもんでいただくほかないようです。この頑固さを違う場面で発揮すると、この学生の人生も明るくなるかもしれません。しかし、発揮するのは今じゃないこともまた、確かです。