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400ppm

12月1日(金)

英国で18世紀後半に始まった産業革命は、人類が化石燃料を大量に消費するきっかけともなりました。化石燃料を燃やすと二酸化炭素が大気中に放出されます。それ以前は約280ppmで一定していた大気中の二酸化炭素濃度はじわじわ上がりだし、50年ほど昔の私の子ども時代には300ppmになりました。理科の時間に、地球温暖化とは関係なく(その頃、そんな言葉はありませんでした)純粋に知識として、そう教えられました。今は、どの教科書も400ppmと記し、温暖化効果ガスをどうにかしなければという流れになっています。この大気中の二酸化濃度変化の曲線を外挿すると、学生たちが私の年齢になることには500ppmになっているかもしれません。

このところ、なぜかこんな話を立て続けに数回しました。すると、何だか歴史の生き証人みたいな気分になるんですねえ。100ppmの変化を日々少しずつ実感してきたわけではありませんが、50年分をまとめて振り返ると、霜柱が少なくなったなあとかって感じることもあります。ベルリンの壁のあっち側とこっち側の話をしても、学生たちにとっては歴史の教科書の写真でしか知らない物を見て触って越えてきているんですから、半分英雄みたいなものです。社会人になる直前、無理してヨーロッパ旅行をし、度胸を決めて東ベルリンに踏み出したおかげで、今の私が形作られているのです。

今上天皇退位の日が2019年4月30日と決まりました。翌日から新しい元号となり、私は昭和平成そして新元号の三代を生き抜くことになります。それから10年もすると、私が明治生まれの祖父母を見ていたような目で、新元号時代生まれの子供から見られるようになるのでしょう。それまでに、祖父母たちのように威厳を備えた人物になっていたいなあと思います。