8月25日(金)
Sさんは、去年国でJLPTのN2を取りました。それを手土産に、4月に日本へ来て、1年でW大学に進学するつもりでした。しかし、その目論見は潰えつつあります。
まず、KCPのプレースメントテストで初級に判定されました。さらに、その初級クラスでもすばらしい成績というわけにはいかず、今学期の中間テストでもどうにか合格点を確保したに過ぎません。そして、ようやく、今の自分の力ではW大学など夢のまた夢で、来春進学できるとしたら、Sさんの考えている大学より数段落ちるところだろうということを悟りました。大学のレベルで妥協するのではなく、予定を1年延ばすに至りました。
Sさんは12月にN1を受けるつもりでその勉強もしていますが、わからないことだらけで困っているそうです。文法テストの間違え方を見る限り、基礎部分がスカスカでN2合格だって奇跡に思えてきます。よほど気を引き締めてかからない限り、W大学の入試の長文読解や小論文に堪えられる実力をあと1年でつけることは不可能でしょう。
話すほうも単文が中心で、いかにも初級という感じです。単文と単文の間に抜け落ちている接続詞や「たら」とか「ても」とか論理性を担う語句などを補わなければなりませんから、こちらがかなり歩み寄らないと、コミュニケーションが成り立ちません。このままだと、Sさんがどんなに立派なことを考えていたとしても、面接官を始め、それをどうしても理解してもらいたい方々に伝えることも難しいでしょう。
来週は夏休みです。どのクラスでもたっぷりと宿題が出ています。みんな、みっちり勉強して、力をつけてもらいたいです。