Monthly Archives: 2月 2017

玉砂利を踏みしめて

2月3日(金)

例によって、日枝神社へ豆まきを見に行きました。コートにマフラーで出かけましたが、陽だまりは結構暖かく、スーツだけで行ってもよかったかも。暦の上だけでなく、本当に春が来たかのようにも感じられました。

新宿御苑前駅で乗り遅れた学生を待って引き連れて行ったこともあり、例年よりも遅い時間に現地に着きました。既に中級や上級の他のクラスは豆まきが始まるのを今か今かと待っているところでした。しかし、Jさんを始め何人かの学生は、豆まきをする舞台のそばへ行くどころか、そちらを見ようともせず、ひたすらスマホをいじっていました。そういう学生を見るたびに、どうして自分で自分の世界を狭めてしまうのだろうと思います。

その一方で、Hさんなどは日枝神社の祭神を調べてくるといって、由緒書きを探しに境内を歩き回っていました。SさんとEさんがおみくじ売り場を探していたので、案内してあげました。また、K先生はクラスの学生からどうして神社には玉砂利(学生は「小さい石」と言ったそうですが)が敷き詰められているのかと聞かれたそうです。こういう学生は、これからの留学生活でも多く物を得ることでしょう。

豆まきが始まると、いつの間にかHさんも豆の取り合いに参戦し、戦果を私に分けてくれました。今年は力士のほかに晴れ着の女性タレントが多いように思いました。また、ゆるキャラが2体(2人?)いました。どこかで見たような木がするのですが、なんのゆるキャラか思い出せませんでした。

豆まきが終わり、お客さんが引くと、舞台の解体など、後片付けが始まりました。係員が灯籠を保護していた覆いをはずすと、舞台からまかれた豆袋が出てきました。それを見るや、どこかのオジサンがさっと拾い集めました。あんな豆にご利益があるんだろうかと首をかしげながら、あんなオジサンにだけはなりたくないと思いました(もう十二分にオジサンですが)。

さて、神社の玉砂利ですが、神聖なところを清浄にし、それを踏みしめることによって心身ともに清めて神前にまかり出て祈りをささげられるようにと敷き詰められているそうです。

不安と喜び

2月2日(木)

夕方、受験講座を終えて職員室に戻ってHさんの宿題を採点していると、YさんがS大学を受験したその足でやってきました。Yさんは既にいくつかの大学に受かっていますが、S大学にはどうしても受かりたいといっていました。

「先生、入試要項には口頭試問と書いてありましたが、口頭試問はありませんでした」「あ、そう。じゃあ、どんなこと、聞かれたの」「志望理由以外には生活のこととか…」と、何だか闘志が空回りして拍子抜けだったようです。Yさんの受けた学科は出願者が4名でしたが、1名欠席したとかで、面接に臨んだのは3名。自分以外の2名に比べて、自分の面接時間が短かったことも、Yさんの不安をかき立てているようでした。

S大学の発表は8日ですが、その日、Yさんは国立B大学受験のため遠征しています。そのB大学の志望理由は少々無理をしてこしらえたので、面接の時に突っ込まれたら怖いといいます。B大学のある町は、独特な雰囲気のある町なので、それを志望理由に加えればいいとアドバイスしました。大学4年間、大学院に進学したらさらに2年間その町に住むのですから、その町に惹かれたというのは、立派な志望理由になります。月曜日に面接練習をすることになりました。

Yさんよりも前に、T大学の大学院に受かったIさんが、受験講座の教室までわざわざ報告に来てくれました。IさんはYさんとは違って、なかなか桜が咲かなかった学生です。苦労した末の合格のせいか、目が潤んでいました。

Iさんは、まじめな学生ですが、それが結果につながりませんでした。初級で教えましたけれども、努力しているのに成績に結びつかないところがありました。その後順調に進級を続けて上級まで来たのですから、地力がないわけではありません。入試もどこかで歯車がずれてしまったのでしょう。職員室で面接練習や進路指導を受けている姿を秋口から見てきたような気がします。それだけに、小さい春を見つけたIさんの姿に、そしてそれをわざわざ報告しに6階の教室まで来てくれたIさんの篤い気持ちに、心が温まりました。

今週の目標

2月1日(水)

2月になりました。今月から、毎月「今月の目標」を掲げ、さらにその月間目標をブレークダウンした「今週の目標」を決め、学生も教職員もその目標を念頭に置いて動いていくということにしました。2月の目標は「健康に気をつけよう!」で、今週の目標は「手洗いうがいをしよう!」です。今、東京ではインフルエンザがはやっていますから、こういう目標を設定しました。

私が入った超級クラスの学生たちに説明すると、思ったより真剣に聞いてくれました。説明資料の中に学生たちが知らない知識や情報があったからかもしれません。このクラスにはこれから本命の国立大学を受けることになっている学生がいますから、受験日に体調不良で力が発揮できなかった、などということのないようにしてもらわなければなりません。学生たちもそう感じているからこそ、この目標に共感を覚えたのでしょう。

実は、昨日の選択授業・身近な科学で風邪について取り上げたばかりでしたから、そこで使ったネタも使い回ししたのです。全校共通の資料より、その分だけ内容が豊富で、ちょっと違った捕らえ方もしていたというわけです。ウィルスの伝播経路を詳しく説明し、このクラスには受験生が多いのだから、みんなで気をつけようと話をまとめました。

とかく学生は健康管理をおろそかにしがちです。そういう方面の知識が足りないのか若さを過信しているのか、いつでも病気みたいな学生や無茶をしまくる学生が目に付きます。この目標を機に、手洗いという健康管理の基本から見つめ直してもらいたいです。