9月29日(火)
今学期もばたばたしているうちに、期末テストの日を迎えてしまいました。私が担当している超級クラスは、私が問題を作り、私が印刷し、私が採点するという、問屋制家内工業みたいなしくみになっています。というわけで、学生一人ひとりの顔を思い浮かべながら愛をこめて作った問題をやってもらいました。
文法は、中間テストがちょっと易しかったようなので、ちょっぴり気合を入れて作りました。最初に採点したHさんが1問間違えただけの98点でしたから、今回も高得点続出かなと思いきや、あとの学生はやっと合格点程度。私の愛が通じた(?)のは、Hさんだけのようでした。
Hさんはその文法がどういう場面で使われ、どんなニュアンスを持っているかをしっかりつかんでいます。だから、文意に合わせて動詞を変形させる問題も、使役とか可能の否定とか、そういうのにも対応できるのです。その文法を使う話者の気持ちも理解しているし、状況も思い描けますから、適切な選択肢も選べれば、気の利いた例文も書けるのです。単に文法項目を丸暗記しただけでは、ここまではできません。
漢字はPさんか大健闘。4月に入学した当初は、漢字、特に書き取りがまるっきりダメでした。これではいけないと思ったPさんは、中級の漢字からやり直し、中級の教科書を買って勉強し、中級クラス用の漢字テストを受けて実力チェックをしてきました。その甲斐あって、クラスで1番にこそなれませんでしたが、それに迫る成績で、平均点を大幅に上回っていました。もはや漢字は得意科目ではないでしょうか。見違えるような躍進ぶりです。
Pさんの国にも「継続は力なり」と同じようなことわざがあると思います。それを信じて努力が続けられたところが、Pさんの偉いところです。学生は三日坊主が多いのですが、Pさんはその貴重な例外です。この調子で行けば、志望校のほうから歩み寄ってきますよ。
読解はまだつけていません。ちょっと怖いようなところもあります。HさんやPさんは、読解でも好成績なのでしょうか…。