5月30日(土)
作文の採点をしました。もうすぐ中級というクラスを担当していますが、クラス全体を平均すると、このまま中級に上がってこられたら困るなという作文力です。
学期初めに比べて、表記の間違いは減りました。濁点や「っ」の有無、原稿用紙の使い方の間違いなどは、絶滅には程遠いですが、だいぶ少なくなりました。しかし、文法の間違いや、習った文法を使うべきところで使わなかったことによる減点は、それほど減っていません。もちろん、個人差があります。できる学生は勉強したばかりの文法や単語を果敢に使おうとして失敗するという、積極的なミスが多いです。その一方で、自分が使える文法で何とか表現しようとして表現しきれずに減点という、後ろ向きのミスを重ねる学生もいます。
表記や文法は、文章表現という川の下流にあります。水源地には、文章を作る発想というものがあります。与えられた課題に対して貧弱な発想しかできなかったら、読み手(=教師)の心を揺さぶることはできません。発想はそこそこでも、因果関係や順接逆接の関係がつかめていないと、理解不能の文章になってしまいます。また、単文を羅列しただけでは、自分の意見や考えや感想が伝わりません。残念ながら、上流部分に問題のある学生が少なからずいます。
Rさんもそういう学生です。原稿用紙上で添削していたら何がなんだかわからなくなりそうでしたから、別紙に書き直したほどです。言いたいことはなんとなくわかりますが、読んでいて疲れてしまいました。文と文との関係をつかむために想像力をフル回転させなければならなかったからです。
そういうRさんたちを何とか中級に上げるのが私たちの仕事です。期末テストまで3週間あまり。そこまで伸ばせるでしょうか。