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楽天家

10月13日(金)

夕方、明日から始まる受験講座の準備をしていると、先学期私のクラスだったHさんから電話がかかってきました。Hさんは水曜日に新学期が始まってからずっと休んでいたので、ゆうべ、メールを送りました。それに反応して連絡してきたのかと思ったら、どうやら違うようでした。

「今、何してるんですか!」「東京で〇△@★×をしています」「学校は水曜日から始まっているんですよ」「始まる日を間違えました」「先学期の終わりに10月は11日から学校が始まりますよって、私、クラスで言いましたよねえ。私以外の先生もおっしゃっているはずです。聞いていなかったんですか」「いいえ、聞いていました」「ふざけるのもいい加減にしろ!」と、電話をたたき切りました。

すると、またすぐ、かかってきました。「先生、どうもすみません」「何がどうすみませんなんですか」「学校を休んですみませんでした」「あなた、そんなに気安く休んでいい出席率だと思ってるんですか」「いいえ…。これからは気をつけます」「気をつけるだけですか。気をつけたけどダメだったって言うつもりなんでしょ」「いいえ、もう絶対に休みません」「私は信じられませんね。同じことばを私や他の先生に何回言いましたか」

Hさんのように、事の重大さを感知せず、学校というか海外留学というか世間をなめてかかる学生が後を絶ちません。こういう学生に共通しているのは、自分だけは大丈夫という根拠のない信念を抱いていることです。自分に都合の悪い情報は聞き流し、都合のいい情報だけを信じるのです。

確かに、それでどうにかなる場合もありますが、どうにもならない場合は、傷口が大きくなってしまいます。Hさんも去年の入試で痛い目にあっています。あれほど面接が重要だと口を酸っぱくして注意したのに、同じ大学に受かったSさんの10分の1も練習せずに、あっさり墜落しました。少しは教師の言葉に耳を傾けるようになるかと思いきや、出席率で注意しても馬耳東風、耳の痛い話をされそうになると巧妙に逃げを打ちます。今回だって、始まる日を間違えたなんて、おそらく嘘でしょう。その場しのぎであることが見え見えです。

早くも、学生との激戦が始まってしまいました。

掲示板

10月4日(水)

お昼を食べに外に出たら、学校のすぐそばの公園に衆議院議員選挙のポスターを貼る掲示板が立てられていました。公示が10日ですから、そういう準備が始まっていても当然です。

それにしても、今回の選挙は、いろんな意見を総合して私なりに公平に判断しても、安倍さんのわがままのような気がしてなりません。「大義がない」とよく言われていますが、そういう面が多分にあると思います。だから、安倍さんのチームに1票を入れたくはありません。

野党のほうも「希望の党」が、急に湧いて出たように現れて、いつの間にか結構な支持を集めています。それにあおられて民進党が実質的に解党してしまいましたが、前原さんは何のために党の代表になったんでしょうね。前原さんは以前民主党の代表になったときも、偽メール事件で党の足を引っ張ったあげく、辞任していますよね。何だかひ弱な感じがして、いまひとつ信頼できません。まあ、民進党というか旧民主党は選挙のための互助組合みたいな性格がありましたから、解党して各人が自分自身の政治思想をしっかり固め、それに一番合う政党を選ぶか、それを実現していく力になる政党を作るかしたほうが、政治家として正直な生き方ではないでしょうか。

小池さんも、動けば動くほど都知事に当選したころの清新なイメージが薄汚れていく感じがします。だんだん都民ファーストじゃなくなっていく気もします。むしろ、石原さんのほうが、豊洲を始めいろいろと問題もありましたが、“都民ファースト”だったとも思えてきます。

夕方、1日中ラウンジで勉強していた学生が質問に来ました。こういう留学生に光が当たる世の中を作ってくれる人に、私の1票をささげたいです。でも、そういう人が見つかるかなあ…。

ブラックリスト

9月27日(水)

KCPでは、毎月出席率が悪い学生をリストアップし、学生指導するとともに、学生自身にどうすれば出席率がよくなるかを考えさせています。Sさんは9月の出席率が悪く、そのリストに載ってしまいました。私は、Sさんが欠席・遅刻した日を調べ、その日付を書いて、いったいどうしてこんなに休んだり遅刻したりしたのかを説明するように求めました。

Sさんは手帳を見ながらこの日は休んでいないなどと言い出しました。でも、その日は休んではいませんでしたが、大幅な遅刻をした日でした。たとえその日が全面的に出席であっても焼け石に水で、Sさんがリストから外れることはありません。そもそも、休んで日を手帳につけているくらいなら、呼び出しを食らうほど休むなといいたいです。

Nさんはボーダーラインをわずかに下回り、リストアップされてしまいました。入学以来今学期の初めまでは出席率が100%でした。ところが、風邪をこじらせて1日休んでしまいました。これがきっかけになって崩れなければいいのだがと思っていましたが、遅刻が目立つようになり、休むようになりと、転落していきました。出席が悪いことで呼び出されたこと自体、Nさん自身にとってショックだったと思います。ここでギュッと締めておけばきっと復活してくれると信じていますが、新学期はどうなるでしょう。

SさんやNさん以外にも何名かの出席率の悪い学生から事情を聞きましたが、同情に値する話はありませんでした。要するに、たるんでいる、緊張感・切迫感がない、勉強や進学を軽く見ているのです。学生たちが休んでも、私はこうやって嘆くだけで済みますが、休んだ学生自身は自分の人生を食いつぶしていることに気がつかないのでしょうか。

でも、本当に困った学生は、リストを突きつけようにも休みやがってできなかった学生どもです。今までにもさんざん注意してきた連中です。さて、どうしてやりましょう…。

和服とぬいぐるみ

9月13日(水)

7月は雨に見舞われ、8月は暑さに負けて延び延びになっていた今学期のバザーが、ようやく開かれました。校舎の前の、通りに面したところに店を開くため、KCPの学生・教職員に限らず、近所の皆さんや通りがかりの人たちもフリーマーケットのノリで品物を手に取り、時には買ってくださいます。このバザーの売り上げは、親と離れて暮らさざるをえない子どもたちのために使われますから、少しでも多くの物が売れてほしいものです。

今回のバザーには、和服が多く出ていました。学生たちも盛んに手にとって眺めていました。また、ぬいぐるみも大小取り混ぜてたくさんあり、あれこれなでたりひっくり返したりしながらしばらくその前から離れようとしない学生もいました。私はポケットファイルやせっけんなど、いつも狙っている物が出ていないか見てみましたが、思ったようなものがありませんでした。

最近は、何でもインターネットで買い物する学生が増えてきました。受験講座で参考書や問題集を紹介すると、その場でアマゾンに発注してしまいます。今すぐ食べたり飲んだりする物以外は、お店では買わないと言っている学生さえいます。そんな学生も、バザーの品物には自然に手が出て、売り上げに貢献してくれたようです。

必要な物、欲しい物はインターネット経由で手に入れつつも、やっぱり実物を目で見て手で触ってみるショッピングも魅力的なんでしょうね。いや、もしかすると、そういうショッピングの味を知っている世代は、今の学生たちが最後になるかもしれません。インターネットのお店しか知らない世代は、バザーにどんな反応を示すのでしょう。見てみたいような見てはいけないような…。

空振り

9月6日(水)

今学期末は、久しぶりに強権を発動しなければならないかもしれません。さっぱり学校へ来ない学生がいるのです。その学生は、私のクラスなのに顔がおぼろげなのですから、いかに休みまくっているかご想像いただけるかと思います。説教したくても、会えないのですから、説教のしようがありません。電話やメールなど、他の手段でも応答がなく、でも、たまに、私が授業担当の日を避けて学校に姿を現しますから、病気だったり変な道にはまり込んだりはしていないようです。

派手に休んでいますから、平常テストもろくに受けておらず、中間テストも未受験ですから、来学期は進級できません。勉強する気があるとは、到底思えません。すなわち、留学ビザの発給要件を満たしていません。だから、今学期末をもってやめていただこうと思っているのです。

一昔かもうちょっと前は、長欠の原因はアルバイトのしすぎと相場が決まっていました。“勤労学生”がクラスに何名かいるのが常でした。その後、ゲームのし過ぎで昼夜逆転というのが長欠学生の共通項になってきました。こういう学生たちは、ゲーム依存症だったのかもしれません。

今は、アルバイ励んでいるわけでもゲームにのめり込んでいるわけでもなく、ただなんとなく休んでいる学生が増えてきました。理由を聞いてもこちらが納得できる答えが返ってきません。私のクラスの長欠学生も、恋人が病気だからとか、どうしても言えない理由があるとか言って休んでいました。国にいたくないとか、日本は面白そうとか、消去法や漠然とした理由で来ていることが多いようです。

もちろん、大半の学生は「進学」とか「就職」とかの確たる目標を持って留学しています。しかし、無目的でお金だけはある学生たちは、将来、この日本で過ごした若き日々をどのように思い出すのでしょうか。

8月17日(木)

校長をしていると、説教役が時たま回ってきます。今回は、喫煙所ではないところでタバコを吸った学生です。現行犯で捕まった日に担任の先生に厳しく指導され、自分の非は十分に悟った上で送られてきました。こちらの目を見て受け答えしていたことからしても反省の色は十分うかがわれました。それゆえ、再犯は起こしそうもないと判断し、何が悪くて今後どうすべきなのか確認を取り、一筆書いてもらいました。いたずらに激しく叱っても逆効果ですから、まあ、こんなところで勘弁しておいてやりましょう。

いつもこのぐらい素直に言うことを聞いてくれると説教する側もありがたいのですが、非を認めるどころか開き直って徹底抗戦という輩にはほとほと手を焼きます。説教3時間ともなると、体力気力の勝負です。文化とか国民性とかの違いではなく、人間性の問題です。君はどういう躾や教育を受けてきたのかねと尋ねてみたくなります。

ルール違反を何回も繰り返すとか、勉強しようという意思が感じられないとかとなると、退学も視野に入れた説教になります。残念ながら、少数ですけれども毎年こういう学生が出てきます。ここまできてしまうと、どんな結論でも後味が悪いものです。学生の頭を叩き割って、思考回路をつなぎ替えてやりたくなります。

それにしても、タバコです。毎朝のように学校の前に吸殻が落ちています。この辺は歩きタバコは禁止されているはずなのに、どうして灰皿のあるところまで待てないのでしょう。今回の学生にしても、タバコを吸わない友達とおしゃべりしたかったので、喫煙所ではなく校舎前で吸ってしまったとか。喫煙所を、友達が誘えないほどの汚い空気にしているのは、正しくあんたの吐き出している煙なんだよと言ってやりたいです。

どうしてこんなに不健康で無駄なことをしているのかなあと、タバコを吸わない私は思っています。

猛暑日

8月9日(水)

「38度になるってテレビで言ってましたよ」と、朝の校舎内のお掃除をしてくださっているHさんは、おはようございますもそこそこに、そう言いました。そういえば、ゆうべは蒸し暑かったです。台風が南の暑くて湿った空気を運び込んできたのでしょう。スタートラインが高くて、しかも朝からきれいな青空。ガンガン暑くなりそうです。

先月末に予定されていて雨で延期になっていたバザーが予定されていましたが、猛暑日疑いなしということで、再び延期となりました。前回は半袖では寒いほどでしたから、足して2で割ってもらえるとよかったのですが、お天気の神様はそんな器用なことはできないようです。

東京は正午過ぎに37.1度を記録し、当然、今年の最高気温。午前の授業が終わって外に出た学生たちも、どことなく足取りが重たげでした。でも、おとといが立秋だったんですよね。だから、このどうしようもない暑さも残暑となるわけです。何だか理不尽な気がしますが、暦の上ではそうなります。

花園町内会は、来週の17・18日に盆踊り大会を行います。明日は夕方から花園小学校で盆踊りの練習会があります。KCPも町内会から声をかけていただいたので、学生たちから盆踊りの練習会への参加者を募りました。先月浴衣販売を行い、その浴衣を着るチャンス到来と思ったのでしょうか、練習会で一大勢力をなしてしまいそうな人数が集まりました。立秋は過ぎても、夏たけなわです。

天気予報によると、明日以降は天気が下り坂になるとともに気温も下がり、むしろ平年を下回る日も出てくるとか。そういわれると、何だか寂しい気がするのは、夏の暑さがまだ足りないからなのでしょうか。

花火が見られるかな

7月29日(土)

今晩は隅田川の花火大会が予定されています。雨が降っているので、予定通りに行われるかわかりませんが、浅草方面に向かう電車は混雑のため遅延も出ているようです。

私のうちの最寄り駅も花火の日は大混雑します。花火がはじまって少し経ってからでないと、電車も何も身動きが取れません。また、終了時刻が過ぎると帰宅ラッシュにかち合い、駅からうちまで歩くのが一苦労どころではなくなります。ですから、絶妙のタイミングを見計らって帰らねばなりません。

早く帰ってうちから花火を見ちゃえばいいのにと思われるかもしれませんが、マンションの私の部屋は花火が打ち上げられるのとは逆向きですから、音だけの花火大会という、何とも間の抜けた状況となってしまいます。ですから、毎年この日は、8時過ぎぐらいに駅に着くように時間調整して帰宅しています。

私はこういう花火大会やお祭など、人が大勢集まるところがあまり好きではありません。ラッシュが嫌いだから朝早く出勤するし、連休や夏休み、年末年始休みなど長期休暇も、混雑しないところを選んで出かけるし、昼食もピークの時間帯を避け、店をのぞいて混んでいたら入りません。

今から30年以上も昔、勤めていた会社のある町の花火大会を誰もいないところから見ようと、打ち上げ場所の近くの山に車で登ろうとしました。しかし、同じような考えの人が多かったみたいで、山道は大渋滞を起こし、中腹の林のすき間から打ち上げ花火を見下ろすという、しまりのない結果に終わりました。隅田川花火大会もスカイツリーから見下ろすというのがはやっているそうですが、私の経験からすると、それって楽しいんだろうかって気がします。

先週の浴衣販売で浴衣を買い、今週の着付け教室でき方を覚え、そして、今晩花火を見に行くのを他のlしみにしている学生が大勢いますから、どうにか開催されるといいですね。

車を買ってもらう

7月28日(金)

「大学卒業のお祝いに」に言葉を続けて文を完成させるという宿題がありました。

「両親が腕時計を買ってくれました」ぐらいなら、私の時代にもよくあったことですから、十分理解できます。「新しいパソコンを買ってもらいました」も、理解の範囲内です。しかし、「新車を贈ってくれました」となると、これが実話なら世の中が変わったと思わざるをえません。しかも、「新車」と書いてきた学生が2人いました。教室での様子を見る限り、この2人が答えを見せあったとは思えませんから、大学卒業に新車というのは、この学生たちの国では珍しいことではないのかもしれません。

このように、この仕事をしていると、思わぬところでいまどきの世界の若者の生活の一端や思考回路のかけらを垣間見ることができます。私は外国で暮らしたことはありませんが、こういう小さな「へぇ~」を感じるたびに、心も頭も世界に広がっていくような、大きな刺激を受けます。残念ながら心地よい刺激ばかりではありませんが、それだからこそ、現実の世界を正確に反映しているのだと思っています。

先日、家の中の片づけをしていたらパスポートが出ていました。もしかするとと思ってページを開くと、期限が切れていました。海外に遊びにいくかもしれないと思って取ったのですが、かもしれないで終わってしまいました。でも、KCPにいると毎日海外旅行並みに小さな見聞が少しずつ広がります。グルメでない私にとっては、この程度でも結構満足できちゃいます。

さて、来週の土曜日はスピーチコンテスト。ぐぐっと目が見開かせてもらえることを期待しています。

触媒作用

7月19日(水)

先学期の私のクラスは、学期の最初のころは、授業中はおとなしいし、病弱ですぐ休んじゃう学生や理由もなくなんとなく欠席を続ける学生などもいて、一時はどうなることかと頭を抱えてしまったものです。しかし、学期末は、意見は活発に出るし、なぜか誰も病気をしなくなり、欠けても1名という日が続き、いつになくまとまりのあるクラスになりました。初級のクラスでしたが、違う国出身の学生と学生が、共通言語である日本語を通じてコミュニケーションを取る姿がごく当たり前に見られました。期末テスト後の食事会では、進級してもこのクラスのままがいいという声が上がるほどでした。長欠になりそうだった学生が、クラスメートの力によって遅刻もせずにきちんと出席するようになったというところが、このクラスが学生たちにとっていかに居心地がよかったかを示しています。

他のクラスが何名かの不合格者を出したのを尻目に、このクラスは全員が進級しました。しかし、クラスは解体され、数名ずつの塊となって新クラスに配分されました。各クラスで、彼らが核となってまとめていってほしいという願いも込められていました。

ところが、今学期の初日から、このクラスのメンバーは何人も欠席しました。新クラスの核どころか、お荷物になってしまいました。長欠から立ち直ったと思った学生も、昨日、新旧の担任の先生方からたっぷり叱られていました。それ以外にも、Aさんは欠席とか、Bさんは2日連続とか、よからぬ噂が毎日のように私の耳に届きます。先学期は、惑星直列みたいな奇跡の一瞬だったのでしょうか。

そもそも、先々学期の先生方が先学期のクラスを作るとき、私のクラスがこんなすばらしいクラスになるとは、予想だにしていなかったでしょう。クラスの空気は教師の人知を越えた領域で作り出されるのです。教師のクラス運営がそのクラスの学生たちに与える影響を否定はしませんが、学生がお互いに触媒になって向上していくパワーにはかないません。

スピーチコンテストのクラス代表がほぼ決まりました。今学期は、スピーチコンテストを通して学生が成長していく学期です。