Category Archives: 生活

不思議な物体

8月6日(金)

朝、学校に着いたら、地下駐輪場の入り口付近の路上にオレンジ色の何物かがぶちまけられていました。「やられた。ゲロだ」と背筋に寒気が走りましたが、近寄るとゲロにしてはオレンジ色が鮮やかで、ドロドロ具合が足りないように見えました。においも、ゲロ特有の、それこそ吐き気を催すようなものではなく、それよりは刺激が強いように感じました。断言はできませんが、キムチじゃないかとも思いました。

少なくとも、昨夜9:30少し前、私が学校を出たころには、“キムチ”はありませんでした。とすると、夜中に学校の前の道を通り、キムチを落っことしたのでしょうか。ゲロだとしたら、大酒を飲んで足元をふらつかせながらここまで来て、オエッとやらかしたのでしょう。いずれにしても、学校の前の、表通りとは言い難い道を真夜中に歩いていた人がいたということです。

確かに、夜遅い時間帯の地下鉄は、おととしあたりと比べたら、明らかに乗客が減っています。ロングシートに1人か2人ぐらいしか座っていないことだって珍しくありません。それを見ると、人出が減っているのだなと思います。しかし、本当に夜中に外を徘徊する人が減ったかと言ったら、そうでもないのかもしれません。飲む人は何があってもしっかり飲んでいるのです。日本選手の金メダル獲得なんか、格好の肴ではありませんか。

オリンピック期間中に、累計感染者数が約15万人増えました。開会式の頃の全国の新規感染者数が、今や東京都の1日分です。専門家の懸念が、そのまま現実化しています。それでも菅さんの頭の中では、オリンピック大成功なのでしょうね。

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急下降、急上昇

7月27日(火)

梅雨明け以来、ずっと窓を開けて寝ていますが、今朝は雨音とその窓から忍び込む寒気で目が覚めました。久しぶりのお湿りと思っていたら、現時点での24時間雨量が34.5ミリと、まとまった雨になりました。でも、最大でも1時間15.5ミリですから、このところ頻出の記録的豪雨というほどではありませんでした。おととい・昨日あたりの予報に比べたら、降水量は少なかったと言えるでしょう。

気温のグラフを見ると、ちょうど日付が変わるころに、雨の降り始めとともに、30分ほどで4度ぐらい気温が下がっています。この冷気が部屋の中にしみついた熱気を駆逐するのに2、3時間かかり、その後私の目を覚ましたようです。さすが台風、文字通り空気を入れ換えてくれました。

その台風、勢力を弱めながら関東東方沖をうろうろしています。遠ざかるか完全に弱まるまでは安心はできませんが、厳重警戒の域は脱したのではないでしょうか。オリンピックへの影響も最小限に抑えられたようで、泣きっ面に蜂にはならずに済みそうです。

しかし、新規感染者数は予想を超えるペースで増えています。今朝の気温のグラフを逆さまにしたような感じで絶壁を築きつつあります。しかし、私たちの感覚もマヒしているようで、1年前の10倍ぐらいの数字なのに、絶望感とか緊張感とかはありません。明日も来週も来月も、ごく普通に授業を続けている自分の姿が頭の中のモニターに映し出されています。しかし、厳重警戒を解くわけにはいきません。

雨が上がり、日が差し始めると、気温も上がってきました。明日の朝は、また熱帯夜かどうか微妙なラインになりそうです。やっぱり、窓を開けて寝ましょう。

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一瞬で

7月19日(月)

T先生は痛くて腕が全然上がらないと言い、土曜日に打ってもらってから出勤してきたF先生も腕が重いと言っていました。私は、箸と鉛筆は右ですが、その他は左もよく使います。「利き腕じゃない方」と言われても、困ってしまいます。普通の人に比べて左手ですることが多い分、どちらかの腕が使えなくなると被害が大きいのです。

そんな不安を抱えながら、昨日、予防接種を受けてきました。会場はうちから歩いて10分ほどのところですが、昨日は梅雨明け10日の真夏全開でした。予約時間は11:30でしたが、暑くなり過ぎないうちにと、11時前に会場へ。あっさり受け付けてくれて、数分のうちに医師の予診。それが終わって待合室の椅子に腰かけると、待ち時間に読もうと思って持参した本を取り出す間もなく看護師さんが来ました。

「左腕でよろしいですか」「はい」「じゃあ、腕の力を抜いてだらんと垂らして…。アルコールでかぶれたりしたことはありませんか」「はい、全然ありません」などとやり取りをしていたら、もう絆創膏を張っているではありませんか。針の痛みを感じることなど全くなく、接種が終わってしまいました。私は子どもの頃病弱でしたから、注射も数えきれないほど打たれました。針が刺さる瞬間を見るのが趣味みたいなところがあるんですが、昨日はじっくり観察する隙もありませんでした。

それから経過観察の15分間、今度は本を読む時間がありました。全く何ら異状はなく、無事会場を後にしました。お昼過ぎまでかかるかもしれないと覚悟していましたが、うちへ戻ってもまだ11時半前でした。夕方になって、多少腕に違和感が出てきましたが、何かができなくなるほどではありませんでした。今朝は筋肉に痛みがないわけではないという程度でした。普通に授業も受験講座もこなし、今はもう全く何ともありません。

どうやら今回も、注射を打たれ慣れている私にとっては、荷が軽かったようです。副反応は2回目の接種の後で現れることが多いと言われていますから、まだ油断はできません。でも、乗り切れちゃう感じがしてきました。

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身近なところに

7月5日(月)

土曜日の夜、駅の近くの小さなスーパーがやけに混んでいました。お惣菜の棚なんか、ほとんどすっからかんでした。よほどの目玉商品があったのだろうと思いながら家の近くまで来ると、何となく暗いのです。ショッピングモールの中核をなすスーパーが臨時休業でした。金曜日の夜は、ごく普通に営業していたんですけどね。

入口の張り紙を読むと、スーパー内の魚屋で陽性者が出たため、急遽休むことにしたとのことでした。今まで、私の親戚縁者、職場、友人など、親しい人に感染者はいませんでした。よく行く店がこういう形で臨時休業になるのも初めてでした(去年、最初の緊急事態宣言が出た時は、紀伊国屋書店が休業になり、大迷惑でしたが…)。ですから、私にとって、この魚屋さんが、一番身近な感染者となりました。

このスーパーに最後に入ったのは、確か先週の水曜日で、その時間にはもう魚屋は閉まっていました。ですから、私が濃厚接触者となる可能性はゼロです。でも、こういう心配をしなければならなくなったというあたりに、東京での感染の広がりを実感しました。

ここのところ、前の週に比べて1.2倍のペースで新規感染者が増えています。何としても有観客でオリンピックを開こうとしている菅首相を嘲笑うかのごとき増えようです。菅さんの夢を打ち砕くために苦しい思いをする新型肺炎にかかる人はいませんが、あたかもそうであるかのようにさえ見えます。都議選だって、前回が負けすぎですから多少は議席が増えましたが、到底勝ったとは言えません。

今週末から新学期ですが、学生たちも安全安心とは思っていないでしょう。

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活用法

6月30日(水)

「○○さん、アベノマスク、まだ持っていますか」「あったかなあ…」「こういう状況ですから、検査の最中もマスクをしてもらうことになっているんです。でも、鼻のところにワイヤが入っているマスクだと検査ができないんですよ。ですから、アベノマスクみたいな布のマスクが一番いいんです」

病院で、看護師さんが次回の来院時にMRIか何かの検査を受けることになった患者さんに話し掛けていました。久しぶりに「アベノマスク」という単語を耳にしました。こういうふうに使えば有効なんだと思いましたが、このような場面はめったに迎えることはありませんから、やっぱりアベノマスクは“引き出しの肥やし”に甘んじるほかないようです。私も、どこにしまい込んだやら、さっぱり思い出せません。

でも、この看護師さん、よどむことなく、布マスクの例として「アベノマスク」を出していました。この病院では、1年ぐらいからずっとこういう案内をしてきたのでしょう。そうです。去年の今頃はアベノマスクが来たとか来ないとか騒いでいました。今は、ワクチンを打ったとか打たないとか、接種の予約ができたとかできないとかが話題の中心です。利用価値のないマスクをどうするかという議論をしていたのに比べれば、感染の広がりを抑える方向に歩み出しているのですから、大きな進歩です。しかし、日々の感染者は1年目に比べたら3倍ぐらい多いですから、そういう面では退歩しているとも考えられます。

検査を受けなければならない○○さんも、基礎疾患をお持ちだということですから、感染が心配なことでしょう。うちの中を探して、アベノマスクを見つけ出したでしょうか。

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6月23日

6月22日(火)

先週末、区役所から封書が届きました。一瞬、これが噂のワクチン接種券かと思いましたが、表書きには赤字で「選挙」。都議選の告示まで間があるのに、早々と投票所の入場券が来たのです。私の区では、一般庶民のワクチン接種受け付けは、来週になってからだとか。

ワクチンを打っても感染を完全には防げないとか、でも感染率は大幅に下がるとか、しかし、ある変異種には効きが弱いとか、いろいろ言われています。現時点では打たないより打った方がよさそうだし、私は副反応を起こしやすい基礎疾患も持っていませんから、接種券が来たらできるだけ早く打ってもらおうと思っています。

昨日、去年までKCPにいらっしゃったO先生が、新たな職場・沖縄に向かわれました。沖縄は、唯一、緊急事態宣言が発せられたままの県です。O先生がワクチン接種済みかどうかわかりませんが、職場が感染者の多い本島ではないので、多少は安心できるかもしれません。

O先生がこの時期に沖縄へ行くと聞いて、うらやましいことが2つあります。1つは、沖縄の夏至が体験できることです。晴れれば、南中高度ほぼ90度の直射日光を浴び、影のない昼が味わえます。もう1つは、明日6月23日を沖縄で迎えられることです。6月23日は何の日か知っていますか。慰霊の日です。沖縄戦が実質的に終了した日です。今年も大規模な式典は行われないでしょうが、沖縄の人の心に触れる絶好の機会です。13日に自決した大田實司令官は「沖縄県民斯く戦えり 県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを」と書き残しました。“特別の御高配”が米軍基地だとしたら、本土は沖縄をあまりに知らなさすぎます。本土のものが6月23日を沖縄で過ごすのは、このギャップを少しでも埋める意味もあるのです。

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自分の力

6月9日(水)

昨日から暑くなり、2日連続で真夏日でした。1年でいちばん太陽高度の高いこの時期、お日様が本気で照り付けると、あっという間に気温が上がります。黒いバッグを持った学生たちは、軒並み校舎入口のサーモグラフィーのアラームを鳴らして、荷物を置いてから再チェックを受けさせられていました。

直角に近い角度で日が差し込むということは、紫外線もそれだけ強烈だということです。その紫外線を浴びなくてもよくしてくれたのが、Uさんでした。11時に勉強に来るということで、担任のF先生から問題を預かりました。Uさんが来たらそれを渡して食事に出ようと思っていましたが、11時を過ぎても一向に現れません。12時近くになるとどの店も混みますから、そんなときに入りたくないです。F先生が戻ってきてもまだ姿を見せず、結局来なかったんじゃないのかな。おかげで、私はお昼の時間帯もずっと職員室でした。

私はUさんを詳しくは知りませんが、時間を守れないということは、確たる目標もなく留学生活を送っているのでしょう。苦労して日本に入国したのに、これじゃあ意味がありません。あと3、4か月で受験でしょうが、見通しは明るくないですね。

時間にいい加減な学生は、多少頭がよくても、沈んでいきます。自分で自分がコントロールできないのですから。私たちも可能な限り指導はしますが、24時間学生につきっきりというわけにはいきませんから、自ずと限度があります。公助でも共助でもなく、自助努力が求められます。Uさんにそれができなかったとしたら、無理して日本にいてもいいことは一つもありません。Uさんの国は新規患者もほとんどいなければ、若者にもワクチンをバンバン打っています。日本よりずっと安全です。

東海地方までは梅雨入りがやけに早かったですが、関東甲信地方は平年(6月7日)を過ぎてもまだのようです。今週末までは、太陽の元気さは衰えそうもありません。

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初夏のアラーム

5月24日(月)

1階の入り口に設置してある体温測定器のアラームが、朝からやたらと鳴りました。そのたびに事務のTさんたちが学生の手荷物を机の上に置かせ、再測定させていました。今までは、かばんの中に入れた熱い飲み物や手に持った熱い食べ物がアラーム発報の原因でしたから、こうすることでほぼ100%問題解決し、学生は晴れて教室に向かうことができました。

しかし、今朝は荷物を置いて手ぶらで再測定してもアラームがけたたましくなる例がいくつもありました。学生の髪や服が熱くなっているようでした。5月下旬、夏至まで1か月を切りました。一年で最も日が高い時期です。9時ごろでも、10月半ば過ぎぐらいの真昼の太陽高度があります。晴れていれば日差しも強いです。7月中旬から下旬並みと言ったら、かなりの強さだということがおわかりいただけると思います。その日差しをたっぷり受けた黒い髪や黒い服は、私たちの想像以上に熱を持つのでしょう。

学生たちは、気が気じゃありません。アラームがなかなか鳴りやまないこともそうですが、1階で足止めを食っていたら、遅刻になってしまいます。朝一番でテストだとしたら、試験時間が短くなって、点数も取れなくなりかねません。遅刻ギリギリだからと走ってくると、体表面が本当に37.5度以上になり、こうなると脈拍が落ち着くまで測定値は下がりません。だから、時間に余裕を持たなければいけないのです。

去年の今頃は、まだオンライン授業でした。その後通学授業が復活してからは、体温測定はおでこにピッでした。そういえば、おでこにピッでも真夏は5分後に再測定なんていう学生がたくさん出ましたね。

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安くてもろい

5月15日(土)

JR各社をはじめ、鉄道会社が軒並み赤字決算です。JRは大都市で稼いで地方路線が出す欠損を補うという内部補助を行ってきましたから、大都市路線や新幹線など今まで高収益だった部門が調子悪くなると全体として赤字なのは、まだわかります。しかし、大都市内やその近郊しか走っていない大手私鉄までもが赤字というのはどうしてでしょう。盤石に見えても、その経営基盤は意外にもろいのです。私たちの足は、やじろべえのような、微妙なバランスの上に乗っかっているのです。

巨額の赤字を出していても、こういった鉄道会社は事業をやめるわけにはいきません。そんなことをしたら、日本中の交通が大混乱を起こします。道路が大渋滞となりますから、人が自由に行き来できなくなるばかりか、物流も止まってしまいます。電気自動車はまだ普及していませんから、CO排出量削減目標など、一瞬で吹き飛んでしまいます。

日本の鉄道会社は私企業ですが、担っている仕事は、上述のように、公的性格が非常に強いです。国民、県民、市民の足の確保をしてもらっているのですから、国や地方自治体はお金を出してもおかしくはありません。上下分離をして、固定資産は国や自治体が引き受け、鉄道会社は列車運行に集中するというのも一つの手です。これは実際に一部の地方では実施されていますし、ヨーロッパではこちらの方が普通です。

最近、「安いニッポン」という本を読みました。日本は物価がほとんど上がらない代わりに賃金も上がらないので、諸外国に比べるとなんでも安い国だというお話です。ディズニーランドの入園料も、世界一安いそうです。一見好ましく見えますが、これが日本停滞の主原因だと言われると、考えてしまいます。JR本州3社は、1987年の創立以来、消費税増税以外で運賃を値上げしていません。企業努力のたまものだと思いますが、それが日本の国力伸長の足を引っ張る結果になっていたとしたら、皮肉なものです。

この本を読んで、日本は国を挙げてお金の使い方を考え直さなければならないと思いました。鉄道など公共交通機関をどうするかもそうですし、いわゆるエッセンシャルワーカーに、私たちの生活を支えてくれているだけの報いができるしくみを築いていくべきです。

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明るくて考えすぎました

5月11日(火)

私のうちの前に、小ぶりのショッピングモールがあります。そこの駐車場を斜めに突っ切っていくと、駅からうちまでの時間がちょっと短くなります。しかし、早朝・深夜のショッピングモールが閉まっている時間帯は、通路にシャッターが下りていて、このショートカットが使えません。

昨日は会議などで遅くなり、そのショッピングモールまで来たのが10時半ごろでした。4月の緊急事態宣言以来、ショッピングモールの中核店舗であるスーパーが閉まるのが9時になり、10時ごろにはシャッターが下りてしまうようになりました。「あーあ、遠回りか…」と足取りが重くなりかけたところ、なんだか明るいのです。なんと、スーパーがやっているではありませんか。昨日から、夜11時までの平常営業に戻ったのです。確かに、営業短縮は5月8日までと言っていました。店の入り口の掲示を見る限り、9時閉店を続ける気はなさそうです。

緊急事態宣言の効き目が薄れていると、各方面から言われています。1年前の初めての緊急事態宣言は、うろたえ過ぎという面もありました。また、態勢が全く整っていないところへ急に始められてしまったという感じもしました。1年でずいぶん図太くなったものです。10時半にスーパーが開いているだけで、普通の生活に戻ったような気がしてきました。9時15分ごろに明かりの消えたスーパーの前を通ると、いかにも緊急事態という感じだったんですけどね。

私の街だけじゃなくて、東京中、日本中がこうなのでしょうか。これもオリンピック開催に向けた布石だとするのは、考えすぎかな。

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