Category Archives: 生活

3人そろって

12月8日(木)

授業後、Xさん、Yさん、Zさんの3人を残しました。みんな、出席状況に問題があります。Xさんはアルバイトのしすぎです。もちろん、留学生に認められたアルバイトの上限時間・28時間は守っていますが、疲労が回復せずに遅刻欠席が増えています。Yさんは夏ごろ大騒ぎしてビザ更新したのに、その後の出席率が思わしくありません。昨日も休みました。Zさんは“大学院の出願準備”という理由での欠席が増えています。やはり、昨日も休んでいます。

各人それなりに理由があります。受験期が迫り、精神的に不安定になりよく眠れないという要素も加わって、生活のリズムが乱れてしっています。私たちKCPの教職員はすぐそばで見ていますから、同情もすれば、全面的ではないにせよ、理解もできます。しかし、ビザがかかわってくると、同情や理解は全く得られません。出席率という数字がすべてと言ってよいでしょう。3人は、その辺を甘く見ているような気がしてなりません。

また、Yさんは「病気」と言えば大目に見てもらえると思っているようですが、これも違います。学校を休まなければならないほどの病気なら、国へ帰って治せと言われてしまうでしょう。日本での留学に耐えられるだけの体力をつけてから戻ってこいという発想です。

そういった話を15分くらいしました。YさんとZさんには月曜日にも話していますが、効き目が薄いようなので、再度ということになりました。最後に、「私から皆さんに注意を与えるのは、これが最後です。次に私が皆さんを呼ぶのは、退学届を書いてもらう時です」と、脅し30%、現実70%ぐらいの言葉で締めくくりました。大遅刻で10:45からの後半の授業しか出ていないUさんも捕まえておけばよかったかな。

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教室回り

12月2日(金)

残念なことに、休み時間に少なからぬ学生が少し離れた駐車場まで遠征し、タバコを吸って、吸殻をポイ捨てしていました。近隣住民からの通報もあったので、学生の一団がニヤニヤしながら学校に戻ってくるのを見かけたO先生が学生の来た道をたどっていくと、駐車場に行きつきました。そこに吸殻が大量にたまっていましたから、証拠物件の押収も兼ねて、掃除もしてきました。

その証拠物件を持って、吸ってきた学生がいそうなクラスを回って、注意してきました。初級クラスには各国語の通訳もつけて、趣旨の徹底を図りました。どのクラスの学生も神妙な顔つきでこちらの話を聞いていましたが、本当に話の効き目があったかどうかは、来週になってみないとわかりません。来週も大差がなかったら、何か別の方法を考えなければなりません。

KCPの近くには、おおっぴらにタバコが吸えるところはありません。学校にいる時間帯は、タバコは吸えないものと思ってもらいたいです。タバコを吸うことによって、受動喫煙はもちろんのこと、吸殻の処理などによっても、周りに迷惑が掛かります。授業中に教師が乱入して無関係な話を聞かされた非喫煙者は、たとえトータルで5分ほどであったとしても、教育の機会を奪われたのです。しかも、証拠物件の吸殻が発するあの独特な悪臭までかがされて…。露骨に顔をゆがめて鼻の前で手を振っていた学生もいました。タバコが吸いたいと思ったら、そんな迷惑になど一顧たりともしないのでしょう。

そもそも、他人の敷地に入ることも、そこでタバコを吸うことも、吸殻を捨てることも、すべて法律違反か新宿区の条例違反です。触法学生は、除籍処分の要件に該当します。そうなったら、日本で進学も就職もあったものではありません。喫煙学生に猛省を促したいです。

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友蔵さんの社会

11月26日(土)

12月1日(木)に、静岡鉄道がダイヤ改正を行います。静岡鉄道は、その名の通り静岡市の新静岡駅と新清水駅を結んでいます。11.0kmの運転区間に両端の駅を入れて15駅ありますから駅間の平均距離は800m弱です。並行するJR東海の東海道線は、静岡清水間に両端を入れてわずかに4駅ですから駅間平均距離は3.7kmほどになります。日中の運転間隔が8分おきだということからも、市内の短距離の行き来をこまめに拾っている鉄道だと言えます。

さて、このダイヤ改正によって、新静岡―新清水間の所要時間が2分延びます。21分が23分になるそうですから、約1割のスピードダウンですから、ダイヤ改悪と言われてしまうかもしれません。なぜ、スピードダウンをするのでしょう。それは、各駅の停車時間を少しずつ延ばすからです。一つの駅の停車時間の延びはわずかですが、始点から終点まで途中に13駅もありますから、塵も積もれば山となるで、2分も延びてしまうのです。

じゃあ、なぜ、停車時間を長くするのかというと、乗客の高齢化が進んだからです。お年寄りのお客さんが増え、てきぱきと乗り降りができなくなり、現在でも遅延が慢性化しているのだそうです。ですから、所要時間を延ばすというよりも、現状に合わせた所要時間にすると言ったほうが適切です。上述のように800m弱に1駅、8分おきの運転ですから、車の運転ができないお年寄りのチョイ乗りが多いのでしょう。

これから、高齢化の影響が各方面で顕在化していくに違いありません。電車の停車時間の延長なんて、かわいいものです。近い将来、想定外の受け入れがたい影響を被らないとも限りません。清水と言えばちびまる子ちゃんですが、友蔵じいさんみたいな人が大勢いる社会を想像してみてください。

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変な日本人?

11月17日(木)

「先生、卒業生が来ています」と言われて職員室の外に出てみると、Nさんがいました。サークルのミーティングがKCPの近くであるということで、ちょっと足を延ばしてこちらへ顔を見せに来てくれました。ありがたいじゃありませんか。ついこの前卒業したと思っていたら、来年は3年生になり、サークルの幹部を務めることになっているそうです。同時に就職活動も始めなければならないとぼやいていました。

サークルは250人からの大所帯とのことですから、その中の幹部というと、盛らずとも“ガクチカ”として書いたり話したりできますね。しかも、外国人はNさん1人だけだそうです。でも、よく聞くと、周りの学生はNさんを外国人だと思っていないのだとか。地方から出てきてちょっとなまりのある学生ぐらいにしか見られていないのでしょう。確かに、Nさんと話していると、外国人と話している気がしません。若者言葉がポンポン飛び出してきて、むしろ私のほうが置いて行かれてしまうくらいです。

Nさんに思考回路は日本語で回っているに違いありません。そして、その回転もかなり高速度です。そうでなかったら、あんなに当意即妙に対応できませんよ。GPAも3ぐらいありますから、遊んでばかりの学生生活ではありません。会社に入っても、ONとOFFのメリハリを利かせて、仕事も私生活も充実させることでしょう。企業さんはこういう人材が欲しいんじゃないかな。

「じゃ、先生、また来ます」と言って、Nさんはサークルのミーティングに向かいました。外はすっかり夜でしたが、Nさんの後ろ姿がまぶしかったです。

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遅刻の理由

11月9日(水)

朝9時、出席を取り始めたとき、教室にはクラスの半分ほどの学生しかいませんでした。学生の名前を呼んでいる最中に数名が駆け込んできました。自分の名前が呼ばれたときに教室にいなくても、名簿の最後の学生の名前が呼ばれるまでに教室に入ればセーフということになっています。この数名と、名前を呼び終わると同時ぐらいに息を切らしながら入室したLさんが、この恩恵にあずかりました。

連絡事項を伝え、宿題、テストなどの返却物を配っている間にKさんが教室着。もはや出席とすることはできませんが、私の腕時計を見ると9:04ですから、遅刻扱いです。その約10分後に、あまり申し訳なさそうでもない顔で教室に入ってきたMさんは、1コマ欠席扱いとなります。また出席率が落ちてしまいました。

大遅刻のMさんをいじりながら授業を進め、前半が終わりました。職員室に下りて、クラス担任のT先生に、2名遅刻でUさんが欠席だと報告しました。UさんはMさん以上に困った出席率の持ち主です。昨日、T先生にたっぷり説教されたはずなのですが、効き目がありません。

ところが、教室に戻ると、教卓の真ん前の机にUさんが鎮座しているではありませんか。すぐにチャイムが鳴って授業が始まってしまいましたから、遅刻の理由は後回しにして、文法やら読解やらを進めました。Uさん、授業にはまじめに参加し、時々すばらしい答えも出してくれました。

寒くて起きられませんでした――これが、授業後に聞きだしたUさんの遅刻理由です。こんなの、理由とか言い訳とか以前の問題です。すばらしい答えも帳消しです。「昨日、T先生に何と言われたんですか」と追及しても、うつむくばかりでした。

今年も1人、自分の手で自分の未来にふたをしようとしている学生が、誕生しようとしています。

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ストーブが欲しい

10月22日(土)

夕方、仕事をしていたら、Tさんから電話が来て、学校で相談したいことがあると言います。何事かと思って待っていると、ほどなくTさんが来ました。

相談内容を聞くと、スマホを取り出して、石油ストーブと電気ファンヒーターの写真を見せて、どちらが暖かいかと聞いてきました。国のお母さんに、寒くなったから暖房器具を買いなさいと言われたそうです。

部屋にエアコンがあるかと聞いたら、あるけどエアコンを暖房に使う空気が乾燥するので加湿器も使わねばならず、電気代がかさむと言います。最近、電気代、高いですからね。でも、乾きすぎた空気は、のどにはあまりよくありません。Tさんは、体格はいいのに病弱なところがありますから、用心に越したことはありません。

ただ、石油ストーブとなると、住んでいるところによっては禁止されていることもあります。また、灯油を蓄えておくことは、感心しませんね。春になったら、使わなかった灯油の処分をどこかに依頼しなければならないかもしれません。そういうことを考えると、石油ストーブは、なしですね。

そう話すと、Tさんは一応納得しました。しかし、スマホを操作して、1枚の写真を見せました。アルミホイルに包まれた焼き芋の写真です。石油ストーブの口コミには、ストーブで作った焼き芋を、ストーブで暖まりながら食べるとおいしいと出ていました。

本音はここにあったようですね。私が「うん」と言えば、胸を張って石油ストーブを買い、焼き芋ライフを楽しむつもりだったのかもしれません。土曜日にわざわざ学校へ出てきたということは、よっぽど焼き芋にあこがれているんですね。

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引継ぎ

10月18日(火)

私は一番下から一番上まで、どこのレベルでも教えますから、例えば初級で教えた学生を中級や上級でまた教えるなどということがあります。先週入った上級クラスには、去年、レベル1のオンライン授業のクラスで教えた学生が3人いました。「Pさんの顔はzoomの小さい画面でしか知らなかったけど、実物のほうがカッコいいね」なんて言うと、少し照れながら「先生、よろしくお願いします」なんて答えてくれました。そんな切り返しができるあたり、日本語の面でも成長しているんですね。

午後、もう一つ入っている上級クラスの引継ぎがありました。先学期担任をしていたH先生から、各学生の進路の決定状況や学業面、生活面などについての話を聞きました。このクラスにも、初級で教えた学生や受験講座で面倒を見ている学生が何名かいます。

YさんとLさんは、中級で教えました。順調に進級していれば最上級クラスにいてもおかしくないのですが、なぜかまだ上級の入口のクラスにとどまっています。Yさんは休み癖が抜けないようです。継続・積み重ねができませんから、伸びないんでしょうね。Lさんはマイペースで準備して大学院を受験し、面接で何もできずに撃沈したとのことです。Lさんもまた、授業中はいい加減でしたね。

Xさんは、初級で教えたときは危なっかしかったですが、先学期あたりはだいぶ安心して見ていられるようになったとか。こういう報告を聞くと、会うのが楽しみになってきますね。GさんやJさんは、私が受験講座で見ていた通り、話す力はかなりあるとのことです。

学生たちは若いですから、わずかな期間で大変身することもあります。1月期、私が次の先生方にどんな引継ぎをするのでしょう。これからの授業にかかっています。

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50%じゃ困ります

10月17日(月)

新学期初日から呼び出していたCさんに、ようやく会えました。私が呼び出して、しかもその召喚になかなか応じなかったということは、だいたいどんな学生か見当がつきますね。

Cさんの9月の出席率は、ちょうど50%でした。今学期も始まって1週間しかたっていないのに、すでに何日も休んでいます。このままでは、ビザの更新すら危うい状況です。また、そんなふうに休んでばかりいますから、学業面も思わしくありません。大学に進学しようと考えているようですが、見通しは暗いです。

志望校を聞いてみると、すぐに3校の名前が出てきました。その大学名も、夢物語レベルではなく、現実的な線でした。うち1校は名前を間違って覚えているようでしたが、進路についてまるっきり考えていないわけではないようです。試験日を聞いたら、ちゃんと答えられましたしね。

だからこそ、出席率が大事なのです。せっかく合格したのに、出席率が悪くてビザがもらえなかったなどということになったら、泣くに泣けません。欠席することは、自分の将来を自分の手で狭めているにほかなりません。

そして、日本語です。私の言葉は通じていたみたいです。まあ、そんなに難しい話はしませんでしたから、当然といえば当然です。しかし、Cさんからの返答は普通体になってしまうことが多かったです。これが入試の面接だったら、落とす理由を面接官に与えているようなものです。また、担任のO先生によると、Cさんは授業中に母語で友達としゃべっていることがよくあるそうです。指名されて答えるときも、単語だけなんでしょうね。

今回は初回なので、激励モードで終わりにしました。しかし、次は激怒モードですよ。

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新しいマウス

10月15日(土)

今週、学校で使っているパソコンのモニター以外が入れ替わりました。前のは5年以上使っていましたから、交換どきでした。マウスは、この夏ぐらいからほとんど言うことを聞かなくなっていましたから、キーボードはまだ使えたものの、一緒に取り換えることにしました。マウスが復活すると、改めてその便利さに感心させられます。コピペをはじめ、多くの操作が片手でできますからね。

そのマウスの操作、私は左手でします。コンピューターにマウスがついたのは30年ぐらい前でしょうか、その時からずっと左手です。初めてマウスに触った時から左手だったというか、右手で触るという発想は全くありませんでした。私の中では、機械類の操作は、ボタンを押すのもつまみを回すのもタップやスワイプも、左手の仕事です。右手の役割は、箸とペンを持つのが中心です。

だから(という接続詞が妥当かどうかわかりませんが)、他人が何かをするときにどちらの手を使うかということに、私は普通の人より敏感だと思います。電車の中で周りの人が左手でスマホをいじっていると、“あ、ご同業”と思ったり、NHKの桑子アナウンサーがブラタモリで左手でお箸を持っているのを見て親しみを感じたりしています。初めてのクラスでも、左手をよく使う学生から顔と名前を覚えていく傾向があります。

横書きの書類をホチキス止めするときは、左手のほうがやりやすいと思います。いちいち上下を逆さまにしながらパチンとやっている先生を見ていると、ご苦労なことだと思います。まあ、自動改札を左手でタッチしようとする私は、右利きの人たちから変な奴だと思われているんでしょうけどね。あ、そもそも、そんなことは誰も気にしていないのかな。

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半袖の街から

10月11日(火)

東京は、最近長袖がちょうど過ごしやすい陽気が続いています。昨日も、天気予報では最高気温が29度とか28度とか言っていましたが、日がほとんど差すことなく、結局は22.8度止まりでした。沖縄は、連日30度近くまで気温が上がっているようです。まだ夏なんですね。

新学期が始まったにもかかわらず、Yさんはその沖縄にいます。当初の予定なら、今頃は会社の社長になって、KCPの学生ではなくなっているはずでした。しかし、手続きが遅れて、KCPをやめてしまうと不法滞在になってしまいますから、KCPの学生の身分をキープしている次第です。

ビザを変更するにしても、留学ビザ時代の出席率がかかわってきますから、沖縄になんかいちゃいけないのですが、Yさんにはそういう意識は希薄なようです。欠席したので様子を聞こうと電話した先生に「沖縄にいます」と答えたYさんを、素直でよいとするのか、罪の意識のかけらも感じられないとするのか、意見の分かれるところですが、私は後者のような気がします。

Yさんは国で大学を出ていますから、会社をつくればそれなりのビザを取ることはできます。しかし、会社を設立するにはお金がかかります。そのお金を、Yさんはご両親に出してもらったそうです。それも、個々の家庭の事情ですから、部外者の私がとやかく言うお話ではありません。しかし、そのお金で沖縄へ行って遊んでいるとなると、一言も二言も申し上げたくなります。どんな会社をつくるか知りませんが、今からこんな浪費を繰り返していたら、経営がうまくいくはずなどありません。また、会社設立のためにどうしても休まざるを得ないというのであれば、受験生が入試日に休むのに準じて認めてあげてもいいですが、“沖縄にいます”じゃどうしようもありません。

明日はYさんのクラスに私が入りますが、きっと会えないでしょうね。

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