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大洪水

8月15日(木)

西日本に台風が近づいているという話をしたら、Sさんが自分の故郷もついこの前台風に襲われて大洪水になったと言って、その時の写真を見せてくれました。Sさんの友人が送ってきたもので、屋根まで泥水につかった車が何台も写っていました。大雨で堤防が決壊したのでしょう。

Sさんも、家族や友人を相当心配したようです。長い時間連絡が取れなくなってしまった友人もいたと言っていました。授業で「今、気になっている人」というテーマで自由に会話をさせたら、Sは「家族」と言ってきました。大洪水のことを知らずに「どうして?」と聞いたら、「秘密です」という答えが返ってきました。町が湖みたいになっていましたから、無事は確認できてもこれからしばらくの生活は不自由なものになるに違いありません。Sさんはそういうことをみんなの前で言いたくなかったのでしょう。

聴解の教材の中に、「気象庁」という言葉が出てきました。気象庁は何をするところかと聞いてみると、学生たちは声をそろえて天気予報と答えました。「それから」と言って答えを促すと、「台風」という声が上がりました。「西日本は台風が来ていますよねえ。それから?」と別の答えを求めましたが、それ以上の答えは出てきませんでした。

気象庁は台風情報も出しますが、河川の洪水予報も出しています。河川の水位が大きく上がると見たら、氾濫警戒情報とか氾濫危険情報とかを出します。自治体はそれをもとに住民に避難勧告を出します。こういう仕組みがSさんの故郷にあるのかどうかは知りませんが、たとえ仕組みがあって避難できて命は助かったとしても、町の再建には時間がかかることでしょう。

Sさんの故郷の写真を見ていたら、去年の倉敷の大洪水を思い出しました。広範囲が水浸しになり、いまだに再建途上です。九州北部の集中豪雨に見舞われた地域も生々しい傷跡が残っていると言われています。「100年に1度」が毎年のように発生しています。これも地球温暖化の影響なんだろうかと、Sさんと話し合いました。

奇遇

8月1日(木)

職員室で午前のクラスの後処理と午後の授業の準備を進めているところを、Yさんに呼ばれました。Yさんは先学期受け持った学生で、今学期は教えていません。昼休みに自分のクラスではない学生からお呼びがかかると、だいたい受験講座関係か、何かややこしい事柄です。ちょっと渋い顔をしながらYさんのところへ行くと、「明日からの京都ツアーに行くのは私1人ですか」と聞かれました。

京都ツアーとは、この週末に京都で開かれるオープンキャンパスを巡るツアーで、企画には京都市も1枚かんでいます。明日の昼過ぎに京都駅近くに集合ですから、明日朝の新幹線で京都に向かいます。京都まで1人で行くのは寂しいから、KCPで他にも参加する学生がいたら紹介してほしいというのが用件でした。

たまたま、このツアーに参加するLさんがロビーにいたので、急いで呼び込んで顔合わせをさせました。2人とも新幹線の自由席で行くようで、時間の調整をしていました。

詳しく聞いていませんが、おそらくYさんは東京の外に出るのが初めてなのでしょう。志望校探しの一環として京都ツアーに申し込んではみたものの、出発が近づくにつれて不安が高まってきたのに違いありません。イチかバチか私に聞いてみたところ、その場で同行者に出会えるという最もラッキーな結果になったというわけです。

何はともあれ、東京から離れたところの大学に目を向けようというのは、好ましい傾向です。こういうツアーを組むということは、ぜひとも留学生に来てほしいというサインですから、その流れに乗らなきゃ損です。Yさん、Lさんには、回った大学の中から志望校を見つけてもらいたいです。

でも、天気予報を見ると、明日の京都の予想最高気温は38度、この先1週間、猛暑日の熱帯夜と出ています。「暑くてかなわん」とあきらめてしまうんじゃないかと心配しています。

夏初日

7月29日(月)

昨今の留学生入試事情にはかなり厳しいものがあり、夢や憧れや見栄だけではどうにもなりません。「東京の大学に入りたい」というのは簡単ですが、定員の厳格化も相まって、その実現は決してたやすいものではありません。

学生たちには、6月のEJUの点数で受かりそうなところに出願するように指導しています。6月のEJUの成績がどんなに不満でも、自分の実力はこんなもんじゃないと思っても、公式記録は、大学に通知される成績は、その低い点数なのです。学生は11月には成績が伸びると信じたがりますが、それは往々にして淡い期待に終わります。そして、11月のEJUの成績も使える大学は、国立大学を中心に限られた大学また、6月の成績で前期試験を、11月の成績で後期試験を実施する大学は、間違いなく後期試験の方が入りにくいです。ですから、11月の成績は当てにしてはいけません。6月で勝負しなければならないのです。

そういう指導をずっとしてきたのですが、学生にこちらの真意を伝えるのは難しく、6月の成績を見て愕然としている学生が少ないのが現状です。6月の成績を見て7月中に志望校を決定せよ言い続けてきたので、中にはあれこれ相談に来る学生もいます。でも、大部分の学生は夢の域から脱しきれないのが現状です。

そんな中、H大学の進学説明会が開かれました。予想を上回る学生が集まり、資料が足りなくなるほどでした。H大学は生半可な成績では入れない大学ですが、志望校を決めなければという意識が感じられました。H大学を本命としていると思しき学生は、説明が終わっても会場に残って質問を続けていました。

関東甲信地方は梅雨明け。夏本番=受験シーズンの幕開けです。

夏はいつから?

7月25日(木)

早起きの人間は、日の長さを朝の早さで感じます。目が覚めてからどのくらいで明るくなるか、駅までの道の街灯がついているかいないか、一番電車の車窓から見える太陽の高さがどのビルぐらいかなどといったことで、夏になったとか秋が近いとか思うものです。

ところが、今年は、夏至のちょっと後から曇りや雨の日ばかりで、日の出から間もない太陽を目にすることがずっとありませんでした。今朝、本当に久しぶりに、東の空の真っ赤な太陽が見られたのですが、だいぶ低い位置になっていました。なんだか、知らないうちに夏の盛りが過ぎ去ってしまったようで、いくばくかの寂しさに襲われました。

もちろん、本物の夏はこれからです。真夏日熱帯夜はしんどいですが、冷房の効いたビルや電車に滑り込んだ時の快感や、寝苦しいとき開け放った窓から履いてきた風などに夏のさわやかさを見出します。でも、昨日梅雨明けの機会を逸してしまった関東地方は、週末も雨だそうですから、夏の訪れは来週にずれ込みそうです。

梅雨が明けても、夏らしい強烈な日差しが来るのか、少々不安です。梅雨の湿度を保ったまま、気温だけがじわっと上がり、蒸し暑さに拍車がかかった、過ごしにくいこと極まりない夏になりそうな気がします。梅雨が明けた地方も、今一つスカッとしない夏のようですから。

朝のお掃除をしてくださるHさんは、小学生とラジオ体操をしてからこちらへいらっしゃいます。本気でラジオ体操をすると結構暑くなるようで、汗をふきながら事務室に入ってきます。こんなことをすれば夏らしさを感じられるんだろうかと、曇り空とHさんとを見比べながら思っています。

天候不順

7月13日(土)

去年の関東地方の梅雨明けは6月29日でした。私は梅雨の中休みと判定し、もうひと山来ると踏んだのですが、気象庁に完敗でした。6月から夏本番となり、去年の今頃は外に出るたびに大汗をかいたものでした。それに引き換え、今年はどうでしょう。6月28日を最後に、真夏日がありません。それどころか、最高気温ですら20度をかろうじて上回るにすぎません。

長袖のシャツをすべてしまい込んでしまった私は、部屋の隅っこに丸まっていたカーディガンのようなものでどうにか寒さをしのいでいます。今週は、結局、毎日お世話になってしまいました。校舎の中にいる時はともかく、朝晩は本当に助かっています。明日はうちの前のユニクロをのぞいて、もう少ししゃきっとしたのを手に入れようかな。

週間予報を見ると、来週もパッとしないお天気が続きそうです。このままでは、梅雨明けが発表されなかった1993年並みになりそうです。あの年は、7月なのに外で中継していたアナウンサーの息が白く映りましたからねえ。眠りから覚めたセミがあまりの寒さに飛び上がれず、道端で死んでいました。日照時間を比べたら、今年はその1993年すら下回っています。

こうまでなると、熱帯夜が恋しくなってきますから、勝手なものです。この時期、私の通勤時間帯には、バス停のベンチで気持ちよさそうに眠っているオジサンがいて、羨望の念を覚えるものですが、今年は全く見かけません。たとえ見かけても、気の毒に思ってしまうでしょう。

去年は、毎学期恒例のバザーが、あまりの暑さのために中止になりました。今年は、雨で中止になりそうな雰囲気です。地球温暖化が、巡り巡って、こういう妙に涼しい夏や、やたら雪の多い冬をもたらしているそうです。毎年日本のどこかを襲ってくる“〇十年に一度の大雨”にも関係していると言われています。地盤が緩んだところに地震が発生したら…。文字通り“日本沈没”になりかねません。

外を歩いている人たちが傘をさしています。また雨が降り出したようです。

暖かい

3月20日(水)

朝、コートを着ないで外に出ると、やっぱりまだ寒さを感じました。しかし、身にしみるような寒さではなく、駅まで歩いていくうちに体が温まってきました。最高気温21度などという予報を見たら、コートもマフラーも置いていきたくなりますよね。午前クラスの教室に入ると、窓が開いていました。入り込んでくる外気が心地よく感じられました。

「明日はどうして休みですか」「春分の日ですから」「春分の日ってどんな日ですか」「昼と夜の時間が同じになる日です」といったやり取りをした後、「暑さ寒さも彼岸まで」と板書しました。初級だと、さすがに彼岸を知っている学生はおらず、言葉の意味を説明すると、感心したようにノートに取っていました。漢字の時間に「咲」を取り上げたこともあり、春らしい授業日でした。

期末テストまで1週間を切り、授業語は追試や再試を受ける学生が数名いました。ためこむと期末前に受けられなくなり、進級できなくなってしまいます。学生のほうも必死です。みんな勉強してきたと見えて、受けた学生は全員合格点を取りました。問題は受けていない学生どもです。最後には救いの手が差し伸べられるだろうと、みょうちくりんな楽天主義に支配されて、こちらが受験をせかしても1日延ばしにするのです。こういう学生に春を訪れさせてはいけません。

東京地方の最高気温は21.5度で、5月上旬並み、もちろん今年最高でした。桜の開花宣言が出された長崎市は20.8度、やはり今年最高を記録しています。先週の開花予想によると、東京は明日です。果たして本当に咲くでしょうか…。

教室が寒い

12月10日(月)

昨日からグーンと寒くなり、北国では平年よりだいぶ遅れたものの初雪が見られました。今朝は昨日以上に寒く、日中も10度を下回る寒さでした。最高気温は最も寒い時期よりも低かったのですが、最低気温は、あんなに寒くても平年以上でした。今年は暖冬でしたから、ちょっとの寒さが身にしみるのでしょう。

朝、クラスに入ると、暖房がついていませんでした。初級、特にレベル1は、相当寒くても授業が進むにつれてクラス全体が熱を帯びてきて、暖房どころか半袖になる学生も出てきますが、上級はそういう展開はあまり考えられません。予想通り、授業は淡々と進み、教室は寒いまま。コートを脱がずに授業を受けている学生もいます。上級ですから、寒かったら「エアコンをつけてください」ぐらい言えるはずですから、私は何ともない顔で授業をしていきました。うまい具合に、“寒い”と“お寒い”の違いは何かなんていう問題もありました。学生みんなが寒いのに耐えながら授業を受けているなんて、まさにお寒い教室です。

このクラス、テストをするとそれなりにできるのですが、みんなの前で話すのが好きじゃない学生が多いのです。面談のような1対1ならよくしゃべっても、授業で指名すると黙りこくってしまうか小声で必要最小限のことをボソッとつぶやくだけなのです。学期の最初のクラス作りで何かを間違えてしまったのでしょう。話す雰囲気を醸成できなかったのは、私の失敗です。

もう一つ、みんな大学院や大学の試験に気を取られて、落ち着いて授業を受けるどころではなかったこともあるでしょう。それから、最近は年を追うごとに個人主義の学生が増えています。個人主義だったら自分の肌感覚でエアコンをつけちゃうような気がします。でも、それほど暴れん坊じゃないんですね。

今週はもう少し寒い日が続きます。風邪をひかないように、授業前にエアコンをいれておいてあげましょう。

寒い朝

11月21日(水)

今朝は寒かったですねえ。最低気温が5.8度だったそうです。今シーズン最低ですが、平年より1.3度低いだけです。ごく普通の変動範囲内です。それでも、結露でぐっしょりぬれている窓を見て、思わずワードローブからコートを引っ張り出し、あわてて洗濯タグを取り外し、がっちり着込んで家を出ました。マフラーを巻いていない首筋がスースーしました。

札幌は、平年よりだいぶ遅れて、今シーズン初積雪・3cmを記録したそうです。それも、記録上はお昼にはゼロに戻ってしまいました。やはり全国的に冬の歩みが遅いようです。気象庁のページで全国の積雪状況を見ると、どこも雪は少ないです。積雪の最大値が青森県の酸ヶ湯で15cmです。平年の1/4ぐらいにとどまっています。日本で一番雪の積もるところですから、さすがといえばさすがです。

この冷え込みを一番厳しく感じているのは、きっとゴーンさんでしょう。留置場とはいえ暖房なしということはないでしょうが、一夜にして世界一の辣腕敏腕経営者から容疑者に転落ですから、心の中は寒々しいものがあるに違いありません。

それにしても、毎年数億円から十億円以上も報酬をもらっているのに、さらに世界中に自宅を持つとは、いったいどこまで財産を築けば気が済むのでしょう。私だったら、1年だけ数億円の収入があったら、あとは遊んで暮らしちゃいますがねえ。死ぬまで働かずともよいお金を手にしたら、それ以上の財産は求めません。だから、一攫千金を求めて、もうすぐ発売開始の年末ジャンボを今年も買います。

木枯らしも吹かず

11月14日(水)

今朝あたりはだいぶ気温が下がったと思いましたが、まだまだコートなしでも平気そうです。最近、秋の短い年が続いていましたが、今年は久しぶりに秋を満喫しています。

授業中教室の窓から空を見上げて、真っ青な秋空が目に入ると、思わず見とれてしまいます。冬の乾いた、光ばかりが目立つ青空ではなく、適度な瑞々しさが感じられる、手を伸ばして触りたくなるような青さに心が引き付けられます。こういう秋が、今年はじっくり味わえるのです。

KCPの校舎から見える狭い青空ではなく、広々とした青空に両手を伸ばしたいです。BBQのときがチャンスでしたが、あいにくその日はそれどころではなく、気がついたらたそがれ時でした。3日は好天でしたが雑用に追われ空を見上げるチャンスすらなく、以後、休みの日はいまひとつ空模様がパッとしません。今週末はどうなのでしょう。

秋を満喫するのはいいのですが、今年はまだ木枯らし1号が吹いていません。去年は10月30日でしたから、すでに半月遅れていることになります。木枯らし1号は、西高東低の冬型の気圧配置の日に吹きます。しかし、これから数日の予想気圧配置図を見ても、西高東低にはなりそうもありません。定義上、東京の木枯らし1号は11月の中旬までに吹くことが必要ですから、もしかすると、今年は木枯らし1号が吹かない年になるかもしれません。そうなると、1979年以来39年ぶりになるのだそうです。

気象庁の長期予報によると、エルニーニョが発生しているので今シーズンは暖冬になるそうです。秋が長いのが暖冬の兆候だとしたら、あまり喜んでばかりもいられません。

束の間の好天

9月28日(金)

通勤電車から、わずかにオレンジ色に染まった東の空が見えました。学校に着いたら、青空。1日中快晴で、久しぶりに明るく伸びやかな気持ちになりました。午前中病院へ行きましたが、このままピクニックでもしたくなるような陽気でした。最高気温は26度でしたが、湿度が低くてさわやかでした。きのうとおとといは最高気温が20度を割り、9月に2日連続で最高気温20度未満というのは10年ぶりだったとか。秋らしさの復活といったところでしょうか。

今朝の最低気温は14.1度でした。私が家を出た頃この気温を記録したはずですが、明日はお休みの私にとって夏装束最終日ですから半袖で出勤しました。肌寒さは感じましたが、我慢できないほどではなく、むしろ気持ちがピリッとして、眠気が覚めました。でも、14度といえば3月ぐらいならコートを着ているかもしれません。人間の感覚って、いい加減なものですね。

ただ、この好天も明日の未明までで、その先は台風の接近にともなって雨模様となるようです。なんだか信じられないというか、信じたくないというか、名残惜しいというか、もう少しこのきれいな青空を見ていたいです。それにしても、今年は台風が多いですね。この台風も含めて、異常気象が定番になりつつあるような気もします。長期予報によると暖冬だということですが、暖冬にもすっかり慣れてしまいました。

病院から戻って来て、午後は期末テストの作文の添削をしました。進歩を感じさせてくれる学生もいれば、同じミスを繰り返している学生もいます。そういうことを最後のコメントで指摘しようと思っています。