Category Archives: 気象

木陰の秋

9月8日(火)

台風10号は秋を呼び込む台風ではなかったようで、日本海側はフェーン現象のため猛暑日だらけです。東京も最高気温34.2度で、猛暑日をかろうじて免れた程度でした。昨日の夜、帰宅するときは、肌にまとわりつくような蒸し暑い空気の層が感じられませんでした。このまま涼しくなるのかなと思いきや夜中に気温が上がったらしく、今朝出勤するときは、空の暗さ以外真夏のままでした。

お昼に外に出た時も、蒸し暑さは変わりませんでした。しかし、木陰に入ると快適だったのです。花園小学校の校庭の端っこにある桜の木の下で、しばらく本を読んでいました。御苑の木陰の芝生に寝転がったら、受験講座の直前まで昼寝しちゃったんじゃないでしょうか。

午後は、K先生が受験相談の学生を連れてくることになっていたのですが、相談しなくてもよくなったみたいで、時間がぽっかり空きました。ですから、先週A先生からもらったT大学の過去問を解いてみました。あさっての受験クラスの練習問題に使えないかと思ったのですが、うーん、無理そうかな。

第1問が古典がらみの問題で、今までの授業で全然触れていない内容が出題されていました。紀貫之の書いた日記なんて、このクラスの学生は誰も答えられませんよ。第2問はわりと素直な文章で、これならいけるかもしれません。でも、筆答問題がなくて、ちょっと歯ごたえが足りないような…。他に適当な教材がなかったら、これを使うことにしましょう。

受験講座が終わり、日がだいぶ傾いても、まだ暑いですね。でも、気象庁の予報によると、今週末か来週には平年並みの気温になるそうです。とすると、台風10号は大きな気象の流れの中で秋のきっかけを作ったと言えるのかもしれません。

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台風10号は去ったけど

9月7日(月)

台風10号は、大騒ぎをした割には大きな被害をもたらさずに九州の西の海上を通り過ぎていきました。いや、大騒ぎして避難したり建物の補強をしたり交通機関を止めたりダムの放流をしたりしたため、被害が抑えられたと考えるべきでしょう。それでも土砂崩れなどによって人的被害が発生しました。7月の豪雨は、大騒ぎする以前に洪水になってしまったため、多数の死傷者が出たのです。

事前に「危ない、危ない」と言って何らかの手を打ち続ければ深手を負わずに済むというのは、受験の世界でも同じです。毎年卒業式間際までどころか卒業式を過ぎてからも試験を受けまくる学生は、スタートが遅い学生か自分の実力を直視しない学生です。

Kさんは9月になったのに自分のしたいことがよくわからないと言います。漠然と理科系、その中で電気か機械かなあという程度です。非常に危ない状況です。いくつかの大学を見繕ってKさんに示すことにしました。半分強制的に考えさせないと、最後まで残ってしまうでしょう。

Sさんはすでに志望校を数校選んでいます。その選び方も、難易度を散らしていますから理にかなっています。ただ、大学によって微妙に志望理由を変えなければならないところに苦労しています。やりたいことは決まっていますが、それと完全に一致する大学学部学科はほとんどなく、やりたいことのある部分に焦点を合わせて志望理由を書くということをしていくわけです。でも、道筋は見えていますから、油断さえしなければ、年末ぐらいまでにはきっと収穫があるの8ではないかと見ています。

明日はCさんの進学相談を受けることになりました。CさんはSさんに近い部類ですから、出願校の組み合わせについての話になりそうです。これから、私のところには続々と台風が襲ってきそうです。データを整えて準備しておかなければ…。

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7区

8月31日(月)

8月が終わってしまいました。今年の8月は、夏休みもなく、ひたすら家と学校の往復に励んだ1か月でした。足を踏み入れたのは、足立、荒川、台東、千代田、中央、港、新宿の7区と、23区の1/3にも及びません。そのうち港区は赤坂見附駅で乗り換えたというにすぎません。中央区・千代田区も、先々週の土曜日に運動不足解消のために朝早く隅田川の河川敷を勝鬨橋まで、そこから晴海通りを有楽町まで歩いたというのを除けば、毎日地下鉄のトンネルで通り抜けただけです。今月の交通費は見事に0円です。

夏休みは、博多に宿を取って、福岡県を中心にあちこち回ろうと考えていました。世界遺産に指定された三池炭鉱、同じく世界遺産の宗像大社(もちろん、沖ノ島へは行けませんが)、いつも通り過ぎるだけの久留米、いつも乗換えと泊まるだけの福岡市内といったあたりを中心に、1日ぐらいは佐賀まで遠征してもいいかなと考えていました。長崎街道を歩いて冷水峠を越えるなんていうアイデアもありました。それがすべて消えてなくなり、気が付いたら60歳になり、安倍さんが辞めていたというのが、今年の8月です。

そして、暑い1か月でした。気象庁が公表している真夏日・猛暑日のデータによると、今年はもしかすると今までで一番暑い8月になるかもしれません。8月の晦日なのに真夏日489地点(観測地点の過半)、猛暑日111地点もあります。それ以上に、7月と8月の暑さの差が激しかった年として記録されるかもしれません。

そう考えると、家と学校の間を地下鉄に乗って行ったり来たりしているうちに半端じゃない日中の暑さをやり過ごしたというのは、健康的だったとも言えます。長崎街道の道端に熱中症で倒れ込んでいたというのでは、シャレになりませんからね。

9月になっても、気温がかなり高い状況が続くようです。せめて、ことわざ通り、彼岸までには夏将軍に撤収してもらいたいものです。

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猛暑日

8月21日(金)

それにしても、暑い日が続きますねえ。今年は立秋を過ぎてから暑くなり、暦の上の秋が盛夏となっています。残暑が猛暑で、ことわざ通り本当に彼岸まで暑さが続くかもしれません。本来ならそろそろ甲子園の決勝戦で、そのころになると、中継のアナウンサーが「秋風が立ってまいりました」なんて言うのですが、今年はそんな気配など、みじんも感じられません。

8月10日から、毎日、全国で100か所以上が猛暑日を記録しています。最多は15日の278か所です。真夏日に至っては、最多が11日の778か所で、最低でも18日の586か所です。全国の観測地点は921か所ですから、778か所とは85%に当たります。北海道の北半分や本州の高地のような暑くなりにくいところを除くと、人の住んでいるところはすべて30度以上になったと考えいいでしょう。

そのため、熱中症で命を落とす方が多くなっています。日々の死者数だけで物を言えば、今は肺炎よりもこちらの方がはるかにこわいです。KCPでも、学生たちに熱中症の予防に心がけるよう呼び掛けています。校内だけでなく、家の中での注意点も伝えています。

いざとなったらマスクを外せと言われ始めたのものも、わからないではありません。そのためなのか、最近はマスクを外して街を歩いている人を見かけるようになりました。ただ、困ったことに、外で口を出している人を見ると、見てはいけないものを見てしまったような気になり、目のやり場に困ってしまうのです。そのたびに心臓がどきんとし、熱中症よりも体に悪いんじゃないかとすら感じます。

午後5時までの最高気温、36.0度…。

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雷雨のち虹

8月13日(木)

受験講座の終わり近く、突然の低い雷鳴に驚き窓の外に目をやると、真っ暗ではありませんか。激しい雨も降っています。受講生たちは不安そうな顔をしていました。きっと、傘を持って来なかったに違いありません。「通り雨だから、すぐにやむよ。授業が終わったら、ラウンジで休んでいきな」と声をかけると、少し安心したようでした。

授業が終わって廊下に出ると、なんという蒸し暑さ! 換気のため外階段に通じるドアを開放していますから、雨の湿気をたっぷり含んだ熱気が廊下に充満しています。結露するんじゃないかなあと思ったくらいです。

教室の後片付けを済ませて1階に下りると、傘を借りに来る学生が続々と。あっという間に貸し出し用の傘が消えていきました。午前中の青空を見ていたら、傘を持ち歩こうとは思いませんよね。でも、天気予報は午後雨が降ると言っていました。それに、昨日も雷でしたが、夏の雷はしばらく続くものです。この週末も、同じような時間帯に雷雨があるのでしょう。

昨日もそうでしたが、雨が降ったのにいっこうに涼しくなりません。気温はたいして下がらず、湿度はぐんと上がって、毛穴がふさがりそうな暑苦しさです。いや、下がってはいるのですが、元の気温が高かったため、下がってもそれなりに暑く、湿度が上がったので素肌に水蒸気が絡みついているような感じです。

でも、ほんの短い時間でしたが、職員室の窓から虹が見えました。ビルの隙間のほんのわずかな空に、角度にして30度ぐらい、七色の橋が架かっていました。何かいいことがありそうだなと、勝手に信じています。

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ドームが満席

8月11日(月)

新型肺炎の累計感染者数が5万人を超えました。春先に中国の感染者数が8万人以上になった時、いくらなんでもあそこまでひどいことにはならないだろうと思ったものです。ですが、今や、中国の背中が見えたどころか、この勢いなら今月中にも中国を追い越してしまうかもしれません。

もはや、感染者をクラスターレベルでとらえることも、感染経路を明確に把握することもできません。市中感染が広がっていると言われていますが、誰もが無症状感染者であると言ってもいいのではないでしょうか。ですから、大勢が集まってマスクを外して会食し談笑すれば、病原体の密度が高まり、より多くの病原体を体内に取り込むことになります。その中には自分が持っているのと違うタイプの病原体もあり、免疫の力が及ばず、発症に至ることもあるでしょう。

日々、自分がウィルスをまき散らしているかもしれないと思って生活すべきです。私は、必要最小限しか口を開かないことにしています。最近は買い物をするたびに「袋は要りますか」と聞かれますが、首を振って拒否の意思を示します。昼食は店が空いている時間帯を狙っていきますから、11時台か2時以降です。学校の外では一言も口を利かず、電車の中ではひたすら本を読みます。

不思議なのはエスカレーターでのアナウンスです。「手すりにつかまって…」と言いますが、電車のつり革や握り棒もつかむと危ないと言われているのに、どこの誰がつかんだかわからないエスカレーターの手すりなんか、触っていいわけがないじゃありませんか。みなさん、足腰の鍛錬と感染防止のために、階段を使いましょう。

5万人と言えば、各地のドーム球場の最大キャパです。猛暑日が続いていますが、冬の寒さをやり過ごすがごとく体を固くして、マスクが外せる日を待っています。

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8月の始まりは夏の始まり

8月1日(土)

久しぶりに、天気予報に晴れマークが並んでいましたから、“もしかしたら”と思っていたら、やっと関東甲信地方も梅雨が明けました。天気図を見ると、おとといあたりまで本州を東西に分断するようにのさばっていた梅雨前線が、本州のはるか東に退いています。ただ、天気図を見る限り太平洋高気圧がでんと構える感じではありませんから、お昼に出た時に見上げた空には、梅雨っぽい雲も広がっていました。

日照不足で農作物が高騰しています。“梅雨明け十日”といって、梅雨が明けた直後はお天気が安定するものですから、カーッと日照りが続いて生育不良を挽回してもらいたいところです。夏が暑くないと、コメをはじめとする秋に収穫期を迎える農作物にも悪影響が現れかねません。週間予報によると、東北から沖縄までは晴れが主体のようですから、あまり心配しなくてもよさそうです。

夏の暑さが本格的になると、マスクが鬱陶しくなりそうだと方々で言われています。暑苦しいからってみんながマスクを外したら、そうでなくても増えつつある感染者が一気に天井を突き抜けてしまうかもしれません。暑かったらうちの中でエアコンをつけてじっとしているのが一番だということなのでしょう。やっぱり今は、“Go To”じゃなくて“Stay Home”みたいですね。新型肺炎が広がり始めた頃、“夏になって真夏日が続くようになったら、こんなの消えてなくなる”などという説もありましたよね。もちろん、今、そんなのを信じている人などどこにもいません。

換気のために開けた職員室の窓から、セミの声が入ってきます。KCPの周りにセミが止まれるような木があったかどうか記憶にないのですが、夏らしさを盛り上げてくれています。

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初めてのカーディガン

7月16日(木)

昨日の夜、学校を出たら半袖シャツから出た腕が寒かったです。丸ノ内線でも銀座線でも、私の周りに人たちは長袖が主流でした。季節が1つ戻ったような感じでした。

今朝、家のベランダに出るアルミサッシにうっすら水滴がついていました。開けると、冷気ではなく寒気と呼びたくなるような空気が部屋の中に入ってきました。これはちょっと耐えられないと思い、先月、ユニクロの安売りで買っておいたカーディガンを着て家を出ました。

家の外はカーディガンを羽織るくらいでちょうどよく、電車も窓を開けていますから暑いと感じることもなく、学校まで来てしまいました。職員室に入るとけっこうな気温で、カーディガンを脱いでしまいました。おそらく、鉄筋コンクリートに先週までの熱が蓄えられていて、それにコンピューターの排熱も多少は加わってたのでしょう。

午前午後ともに授業でしたが、ずっと半袖で過ごしました。最近の授業は学生にあまりしゃべらせるわけにはいきませんから、どうしても教師の発話が多くなります。そうすると知らず知らずのうちに体を動かし、だから体力を使い、ゆえに熱が発生し、そのためカーディガンなど不要となります。しゃべらなくても授業時間中3時間立ちっぱなしだし、学生の様子や理解度を見るために教室中を歩き回りますから、はたで見るよりずっと肉体労働です。

昨日は1日中オンライン授業でしたが、帰宅時まで全く寒さを感じませんでした。気が付くと、1人きりの教室で、パソコンのカメラとマイクに向かって必要以上の大きな声でしゃべっているんですねえ。「仕事に熱が入る」とよく言いますが、こういうのもその中に入るのでしょうか。

というわけで、カーディガンは私の机の上で丸まっています。でも、外に出たらひんやりするんでしょうから、また家まで活躍してもらいます。

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距離感

7月15日(水)

肌寒い日が続いています。東北地方には低温注意報が出ているところすらあります。雨もよく降っています。先々週あたりからずっと日本のどこかで川があふれたりがけが崩れたりしているような気がします。「大雨への警戒はもう2、3日必要です」という注意喚起が1週間以上続いているのではないでしょうか。まあ、安倍首相の「瀬戸際」も2月ごろから続いていますが…。

雨が降っていなければ、校庭の日陰を探して昼ご飯を食べたり教科書を広げたりする学生が見られますが、最近は校庭の入り口の扉も閉まったままです。一部の学生はラウンジに流れています。しかし、ラウンジは、3密回避のため、1つのテーブルに椅子は1脚のみにしています。そんなわけで、昼休みにラウンジをのぞくと、1つのテーブルに1人ずつ、入口に背を向けて、黙々と何かをしています。近寄りがたい空気が漂っています。

もちろん、みんなで仲良くおしゃべりされたら困りますから、これが2020年の東京におけるあるべき姿です。いや、学校としては授業が終わったらすぐ帰宅するように指導していますから、たとえ“黙々と”であれ、ラウンジの椅子が埋まるほど学生が残っているのは、理想の姿ではありません。

それはともかく、こういう状況で学生同士、学生と教師の心的距離を詰めるにはどうしたらいいでしょう。休み時間に親しくおしゃべりをしている学生を見かけると、思わずにらんでしまいます。ざっくばらんに話をしたい学生がいても、ちょっと腰が引けてしまいます。私が担当している受験講座理科は受講生が比較的少ないですから、授業を通して関係を深めるという手もあります。でも、それができるのは“比較的少ない”学生たちだけです。

太平洋高気圧が強まって夏になったら、こういうムードが少しは変わるのでしょうか。

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スイッチON

5月20日(水)

寒い1日でした。日中も気温があまり上がらず、瞬間的に15度をやっと超えた程度でした。気象庁のデータ上では3月下旬並みですが、体感的にはもう半月かひと月ぐらい前の寒さでした。午後の受験講座では、暖房を入れました。学生がいれば体熱でけっこう教室が暖まるものですが、私の体温のほかはパスコンの排熱だけという状況では凍えてしまいそうでした。

今年は5月に入ってから気温が低めに推移しているように感じます。伊達の薄着で半袖を押し通そうという気も起きません。きっちりネクタイを締めて、体温が逃げるのを防ぎたくらいです。5月の初めに勢い込んで長袖のワイシャツをみんなしまってしまったので、半袖シャツの上に薄手のジャケットを羽織って出勤しています。駅までも駅からも余計なところに立ち寄らず、まっすぐ目的地に向かいますから、緊急事態向きかもしれません。

そんな寒空の中、代講で久しぶりに日本語の授業をしました。養成講座で日本語文法の講義はしてきましたが、留学生相手の日本語の授業は学期初め以来です。1か月以上間が空いていましたから、うまく授業を仕切れるだろうかと心配でした。でも、教材を目の前にすると、スイッチが入ってしまうものです。この順番で進めてここでこれをして…と流れが思い浮かび、ぱきぱき指名したり学生の間違いにツッコミを入れたり、そこそこ授業を楽しむこともできました。

学生はどうだったでしょうかね。名にか得るものがあったでしょうか。でも、授業の終わりにオンラインのチャットで「ありがとうございました」なんて言われると、達成感が湧いてきました。午前中の授業は、暖房なしで乗り切れました。

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