Category Archives: 気象

激突

9月5日(水)

関西地方は台風21号の風雨によってかなりの被害が出ました。船が激突して橋げたがずれてしまった関西空港連絡橋の画像・映像にはただただ驚くばかりでした。その関西空港は、高潮で数十センチも浸水し、機能不全に陥っています。高潮といえば、芦屋の海岸にも襲ってきて、家が流されそうになったそうです。京都では文化財がかなり損害を受けたと報じられています。

稀に見る強力な台風が上陸したことは確かですが、こちらの想像を絶するようなところに傷跡を残しています。二条城や大覚寺もそうですが、大阪湾にコンテナが漂流しているというのは、阪神淡路大震災のときにもなかったことではないでしょうか。私が毎年春に歩き回っている平穏な街並みで、屋根が吹き飛ばされたり泥水が暴れまわったり車が燃えたりなどということが起こっているのです。にわかには信じられません。

そんな中で、JR西日本を始めとする鉄道各社が午前中から計画運休をし、電車がらみの被害がなかったことは特筆に値します。不満に感じた人も多かったと思いますが、船が激突した時に連絡橋の上を電車が通りがかっていたら、悲惨なことになっていたかもしれません。駅間で停電し、大勢の人が電車に缶詰にされたら大きなニュースになっていたでしょう。関空で5000名が缶詰には及ばないでしょうが。

今年は6月に大阪府北部地震がありました。比較的自然災害が少ないと思われていた関西の平野部に天変地異が集中しているようにも思えます。日本列島は災害列島だと改めて感じさせられました。

歩き心地

8月27日(月)

8月19日(日)14:34、室戸岬近くのバス停にバスが着くはずの時刻ですが、まだ来ていません。田舎のバスは、乗降のない停留所が多いので、終点にちょうど定刻に着くように、途中の停留所へはやや遅れ気味で来ることがよくありますから、数分の遅延は気になりません。14:44、10分経ちましたが、まだ来ません。バス会社に連絡しようかと思いましたが、停留所の時刻表には連絡先が書いてありません。終点で11分の接続で電車に乗る予定ですから、穏やかではいられません。14:50、16分遅れでバスが来ました。私が乗るや否や、バスは猛スピードで走り出しました。国道55号線の、追い越し禁止となっているようなS字カーブも攻めまくって、信号のないことをいいことに直線では思い切り踏み込み、とろとろ走っている軽自動車を追い抜き、見る見る遅れを回復し、駅前には4分遅れで到着。30分強の乗車時間で12分も稼いだのです。

…これが、この夏休み最大のビックリでした。先週はずっと四国にいましたが、室戸の翌日に高松へ移動したため、台風19号20号の影響もほとんどありませんでした。讃岐山脈の偉大さに感心させられました。徳島県では元気だった雨雲も、讃岐山脈にぶち当たると消えてしまうのです。先週は、四国は雨がよく降ったのですが、香川県だけは台風が通過した23日深夜だけでした。だから、最大のビックリがバスの遅延回復だったのです。

室戸岬のほかに、四国八十八か所の結願の寺・大窪寺、讃岐平野の真ん中に盛り上がる讃岐富士こと飯野山と、少々マニアックなところを狙いました。それぞれ、1日に30キロ以上歩きました。それぞれ、山の頂上から下界を見下ろすところがあり、大汗をかいて息を切らせながら苦しい思いをして登ったけれども、この景色が見られるなら苦しんだ甲斐があったと心の底から思いました。

四国は、歩き遍路の伝統があるからでしょうか、歩行者に優しいと思います。横断歩道のところで立っていると、車が止まってくれる確率が本州九州北海道より高いように思います。また、「へんろ道」とかかれた赤い矢印が電柱やガードレールなどに貼られていて、陰から導いてくれます。四国の主だった観光地はほとんど見てしまいましたが、なぜかまた行きたくなるのは、こんなことがあるからなのでしょう。

正しい恐れ

8月9日(木)

台風13号は、東京地方には大きな被害を与えることなく、日本のはるか東へと遠ざかろうとしています。昨日のニュースや天気予報では、関東地方を直撃し、大変なことになるかもしれないと言っていました。KCPでも、午前中は休講にしようか、始業を1時間遅らせようかなどとうい話も出ました。でも、私は、各方面からの情報を見て、そこまでする必要はないだろうと判断し、授業は通常通りと決定しました。

今朝、私が家を出る時間でも雨風は収まっており、学生が登校する頃には無風に近く、蒸し暑くなってきました。私の天気予報はよく当たると言われます。それはKCP付近のピンポイントだからであり、関東地方、東京都区部などという広域の予報ではないからです。予報範囲が広がれば、ことに台風など災害が絡んでくる場合は、その範囲内の最悪のケースを予測して予報を発表します。報道機関はその最悪の数値をもとに警戒を呼びかけます。ですから、「それほどでもなかった」と思われることも多いです。

私は、KCP付近だけを考えればよく、銚子は強風、秩父は大雨かもしれないけど、新宿はそれほどでもないと考えたら、「大したことない」と言い切れてしまうのです。それゆえ、当たるように見えるわけです。気象庁などは見逃しを避けるために大げさな発表をし、私は空振りを極力排除するためにぎりぎりまで強気の予報をします。単にどうにかなると思い込むのではなく、上手に高をくくっているのです。適正範囲の恐れを抱くと言ってもいいです。

私の通勤鞄には、いつも折り畳み傘が入っています。毎日適正範囲の恐れを見積もるのが面倒くさく、常に雨に降られるという最悪を想定し、折りたたみを入れっぱなしにしているのです。偉そうなことを言いましたが、実はこんな程度なのです。

夏に勝負

6月29日(金)

梅雨が明けちゃいました。早朝から、昨晩のW杯一次予選最終戦のもやもやを吹き飛ばすような夏空が広がりましたが、まさか梅雨明けしちゃうとはね。関東甲信越地方が6月中に梅雨明けするのは、観測史上初めてだそうです。九州、四国、中国、近畿、東海をすっ飛ばして関東甲信が先を越すのは2年連続だとか。

お昼に出たときにまじまじと空を見上げると、雲が夏でした。夏至直後なので、両側にビルが建っている道でも本当に頭のてっぺんに日が当たり、32.9度という最高気温以上に暑さを感じました。今朝の新聞によると、男の人も日傘を差すようになってきているようですが、そういう気持ちもわからないでもない日差しの強さでした。

夏が早く来すぎると心配になるのが水不足です。利根川水系のダムはそこそこ水がたまっているようですから、今すぐどうのこうのということはなさそうです。夏山登山を楽しみにしている皆さんには申し訳ないのですが、谷川岳や日光連山や相模湖付近で雨がしっかり降ってくれれば、東京はこんな天気でも断水には至りません。でも、節水するに越したことはありません。水も貴重な資源なのですから。

関東地方は北と西に比較的高い山を控えていますから、気候的に本州の他の地方とは違った挙動を示すことがよくあります。今年の冬の大雪も、その一例です。気象庁は、この山にブロックされて、現在北上している梅雨前線が再び関東地方に影響を及ぼすことはないと踏んだのかもしれません。私が気象庁の担当者だったら、ちょっと強烈な梅雨の中休みと判断して、梅雨明けとは言い切れないでしょうね。梅雨明けを発表した気象庁の担当者さん、思い切った勝負に出ましたね、西野監督同様に…。

夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダ

6月28日(木)

今朝の最低気温は25.2度で、このまま24時まで25度を割らなければ今年初の熱帯夜です。昨日の朝の最低気温も24.9度で、ほぼ熱帯夜でした。学期中、去年の10月期以降の入学で、これから初めて東京の夏を経験する学生たちには、東京の夏は夜でも蒸し暑く寝苦しいと脅しをかけておきました。その脅し文句が現実のものとなりつつあるようです。

こうなると気になるのが、学生たちの健康状態です。エアコンをつけっぱなしで寝て風邪をひく学生が山ほど出てきます。風邪をひいても、その後きちんと節制して新学期が始まるまでに体調を戻しておいてくれればいいのですが、無反省にエアコンの中で暮らし続け、始業日になっても休み続けてしまうのが、ダメな学生の典型パターンです。

出だしでつまずくと、気力がそがれるものです。しかし、7月期は主要大学の出願期でもあり、一部の大学・大学院は入試の時期でもあります。受験生はこれから年内いっぱいぐらいまでは、気を緩めている暇などありません。それなのに鼻づまりや熱のために頭がぼんやりしていたら、ライバルに差をつけられる一方です。

そういう暑さにもめげず、アメリカの大学から来た学生たちは勉強に励んでいます。フロリダみたいなところから来た学生は、この程度の気温ならへいちゃらですが、シアトルあたりの学生にはこたえるようです。

私が昨日入ったクラスの学生たちも、促音はしっかり身に付けてくれたようですが、「おくにはどっちですか」は困ります。している単語を書けと言ったら、息抜きのつもりだった「かっぱ」は出てきたのに、他の覚えなければいけない単語はどこかに忘れてきちゃったようで…。

アジサイとカタツムリ

6月6日(水)

うちの近くの植え込みに咲いているアジサイが、とても色鮮やかで目を和ませてくれます。私が見るのは毎朝4時40分ごろですから、空気も澄んでいることもあり、より一層瑞々しく見えるのでしょう。アジサイは漢字で書くと「陽」の字が入りますが、陽がさんさんと降り注ぐ中で見る花じゃないような気がします。明るくなったばかりの、湿り気を含んだ空気を通して見たときが一番映えると思います。

KCPの6月の目標は「梅雨を楽しもう」です。学生たちに雨の日の楽しみ方を聞いてみましたが、返ってくる答えは「寝ます」ばかり。雨が降るたびに寝ていたら、これから先、睡眠過多になっちゃいますよ。お店屋さんの雨の日サービスなんてヒントを出しましたが、学生たちはピンと来なかったみたいです。本当にどこも行かなくなっちゃうのでしょうか。

「梅雨を楽しもう」のパワポのスライドに描かれていたアジサイの絵に、カタツムリもひょっこりくっついていたので、「これは何と言いますか」とクラスの学生たちに聞いてみました。みんな、「ああ、あれだ」とう顔つきになりましたが、名前を知っている人は1人もいませんでした。答えを教えてやると、ほとんどの学生がノートにメモっていました。カタツムリもまた、留学生だけが知らない日本語のようです。

梅雨入りが発表されました。平年が6月8日ですから、順当なところでしょう。朝から雨が降ったりやんだりでしたから、傘立ては久しぶりににぎわっていました。関東甲信地方の平年の梅雨明けは7月21日。その頃には、6月のEJUの結果が出ます。雨だからって寝ている暇などありません。

マイナス10度

4月5日(木)

昨日は汗ばむほどの陽気だったのに、お昼を食べに外に出たときに肌を刺すような風に吹かれ、思わず身を縮めました。最高気温は昨日より10度以上低く、季節が2~3か月ほど逆戻りした感じです。近くの公園でランチを広げているグループがいましたが、話は盛り上がっているみたいでしたが、風邪ひいちゃわないかなあと心配になりました。

まあ、最近が暖かすぎたわけで、最高気温も3月下旬並みとのことですから、とんでもなく寒くなったとは言えません。でも、来週から薄手のスーツにしようかと思っていましたが、それは考え直したほうがいいかもしれません。新学期早々聞き苦しい声じゃ様になりませんからね。

先生方は来週のお天気を気になさっています。学期が始まったらクラス内の親睦を深めるために御苑へ行くのが恒例となっています。去年私が行った日は好天に恵まれ、御苑の芝生に車座になってあれこれ語り合いました。そのときの学生たちは、その後1年、クラスは分かれても、どこかで仲間意識を持ち続けたようです。雨が降ったらそもそも行きませんし、寒かったらそちらに気を取られて友達を作るどころじゃありません。ですから、始業日直後の来週木曜金曜のお天気は、KCPの先生方にとって重い意味を持つのです。

来週だと、ソメイヨシノはすっかり若葉となり、他の木に紛れているでしょうが、御苑には多種多様な桜がありますから、大いに華やいでいることでしょう。1週間先のお天気の予想は難しいですが、景気よく青空になってくれることをお祈りしましょう。

暑い

3月28日(水)

午前中、病院へ行くのに外を歩いたら、汗をかいてしまいました。スーツの上着が少しうるさく感じられました。交差点では日陰で信号待ちする人も。東京の最高気温22.9度は5月中旬並み。5月中旬といえば、クールビズが始まる時期ですよ。上着が邪魔くさいわけです。もちろん今年最高の気温でした。

午後は期末テストの採点。初級の漢字を担当しました。たけかんむりをくさかんむりにするくらいなら、漢字を書き慣れている間違え方ですが、鏡像文字を書いちゃうというと漢字の基礎ができていないのではないかと疑いたくなります。それを中国の学生が書いてしまうというのは、どういうことでしょう。簡体字の影響だとは思えません。スマホ操作ばかりで、手で字を書く習慣が失われているように思えます。

むしろ、アルファベットの国の学生が健闘していました。漢字は表意文字だという点を無視した間違え方はありましたが、絵のような漢字を書く(描く?)ことはありませんでした。きっと苦労はしているでしょうが、努力の甲斐はありました。漢字に対する感覚は磨かれています。

夕方はおととしの卒業生Cさんが、W大学大学院を出て外資系のコンサルタント会社に就職すると報告に来てくれました。かかわった先生方から就活について質問攻めにあいましたが、どの質問にもこちらの知りたいことをわかりやすく答えていました。コンサルタントには頭の回転のよさが必須だといっていましたが、それを感じさせる話しっぷりでした。

明日はさらにもっと気温が上がるとか。いよいよ腕まくりかな…。

早くも

3月26日(月)

先週、桜の満開宣言が出た東京ですが、私の観測ポイント・地下鉄四ッ谷駅は、私が通過する時は夜が完全に明け切っておらず、花を楽しむことができませんでした。しかし、今朝はほのかに桜色が目を楽しませてくれるくらいの明るさになっていました。今朝の東京の日の出は5:37、私がいつも乗っている地下鉄の四ツ谷発は5:36、まさに朝一番の桜を拝んだことになります。

お昼に外に出たら、御苑の駅付近にあたりをきょろきょろしている人が大勢いました。駅から出てきた人みんなが御苑へ行きそうな感じすらしました。朝お掃除に来てくださるHさんによると、昨日の御苑は芝生が敷物で埋め尽くされるほどの人ごみだったそうです。大木戸門から入ろうとする人が新宿門近くまで並んでいたとか。

今週は暖かい日が続くという予報が出ていますから、もうすぐ花吹雪で、今週末には葉桜でしょうね。そう考えると、ウィークデーの日中にもかかわらずこの人出というのもうなずけます。平年は開花が3月26日で、満開が4月3日ですから、今年はかなり気の早いお花見シーズンです。冬の寒さが厳しく、3月になってから暖かくなると、このように桜がハイペースで咲くそうです。

どうやら今年は期末テストの採点などをしているうちに、桜が終わってしまいそうです。花園小学校の桜も、急いで見ておかないと散ってしまいます。明日は期末テストですから、午前の試験監督が終わったら、お弁当か何かを買って、花を愛でながらお昼ご飯としましょうか。

コートを脱いで

3月14日(水)

今朝は何ら迷うことなく、コートを着ずに家を出ました。外に出ても全然寒くなく、ホームで電車を待つ間も風に震えることもありませんでした。先週までは、丸ノ内線が四ッ谷駅で一瞬外に出るときは夜の帳の中に突っ込む感じで、トンネルの中と何ら変わるところがありませんでしたが、今週月曜日に窓の外の空がほのかに明るくなっていることに気づきました。火曜日、水曜日と、日に日にその明るさが増しています。

外よりも、むしろ教室内のほうが寒さを感じたほどです。授業中、学生に暖房をつけてくれとせがまれました。その一方で、昼は復習か宿題かをしている様子の学生で校庭のテーブルがサラッと埋まっていました。東京の最高気温は21.5度で5月の連休の頃並みでしたから、外で何かするのに最適です。

まだ3月中旬ですから本格的な春になるまでには2、3回寒波に襲われるでしょうが、このまま桜の季節を迎えてしまうのではないかという予感すらします。卒業式までに進路が決まっていなかった学生の合格通知もいくつか舞い込んできています。そういう方面からも、暖かさを感じます。

でも、逆に、Cさんは今週から急に理科の受験講座に来なくなりました。理系に見切りをつけ、文転したのかもしれません。Cさんにとっては、春の日差しどころか先の見通せぬ吹雪の中なのかもしれません。でも、今からだったらまだ間に合います。文系に進むにしても厳しい戦いであることには変わりはありませんが、来年は穏やかな春を迎えられると信じて努力を重ねていってください。