3月5日(水)
ちょうど1週間で卒業式です。だからというわけでもありませんが、卒業式での証書のもらい方の練習をしました。学生たちにとっては、日本式の証書のもらい方は、それこそ見たこともない、だから全くなじみのない儀礼です。何の指導もないと、少なくとも日本人にとっては頭を抱えたくなるような、目を覆いたくなるような惨状が繰り広げられてしまいます。
演台の前に立ち、授与者である私と向き合い、軽く一礼するあたりまでは、学生も想像がつきます。その後、私が差し出した証書を両手で受け取るというところが、学生たちの生まれ育った文化にはないようです。「両手で受け取る」というと、手のひらを上に向けて、私がその上に証書を載せるのを待っているというイメージになるようです。授与者が証書を差し出したら、自ら腕を伸ばして証書の両脇を持って…という手順をしっかり教え込まなければなりません。
私のクラスも含めて数クラスの卒業予定者が1人ずつそういう動作を繰り返すと、学生たちの目にもそれが当たり前のことのように映り始めたようです。しかし、どのクラスにも欠席者がいましたからねえ。そういう学生にもきちんと伝わるといいのですが…。
大学などに進学すると、2年後か4年後にKCPなんかよりもはるかに盛大な卒業式が待ち受けています。学長から直接証書・学位記を手渡されるかどうかはわかりませんが、そんなチャンスがあったら、ふっとKCPの卒業式を思い出してもらいたいですね。
1週間後には、目の前で証書の受け渡し練習をしたメンバーがみんないなくなっちゃうんですよね。一抹の寂しさを感じるのが、私にとってのこの季節の風物詩です。
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