Category Archives: 学校

声が出ない

8月11日(水)

朝、出席を取ると、JさんはZOOMに顔を出すや否や、チャットで「扁桃腺炎で声が出ません」と訴えてきました。自室内で授業を受けていることは明らかだったので、「はい」という声の返事はなくても出席としました。声が出ないと言っているのですから指名するわけにもいかず、かと言って野放しにもできませんから、いつもよりJさんの画面を頻繁にのぞき込むことで、ずっと出席していることの確認を取りました。

Jさんは最後まで画面から消え去ることなく、課題もきちんとこなしましたから、授業態度に関しては問題ありませんでした。しかし、担任のO先生に届いたメールによると、ゆうべエアコンをつけっぱなしで寝たため、のどを傷めたとのことでした。確かに、昨日は今年最高の暑さでした。その熱気が残り、当然のごとく熱帯夜でした。だからエアコンをつけて寝たというのは理解できますが、こういう時期にのどを傷めてはいけませんよ。今、世界を震撼させているのは呼吸器系の伝染病なのですから。

毎年、この時期になるとエアコンが原因で風邪をひく学生が目立ちます。しかし、今は「ああ、またか」で済ませられる状況ではありません。医者にかかるのも一苦労だし、余計な病気で体力を消耗したところに真打が襲い掛かってくることだって十分考えられます。そういうことも考えて健康管理をしてもらいたいなあ。

でも、Jさんはオンラインだから授業に参加できたのです。対面授業だったら、きっと欠席したことでしょう。熱はなかったそうですが、声も満足に出せないような体調で、外には出たくないでしょう。こういう学生も救える点が、オンラインの真骨頂だとも言えます。

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特徴をつかむ

8月10日(火)

全面オンラインになり、1週間が過ぎました。学生たちのマスクの顔にいくらか慣れてきて、多少は顔の区別がつくようになったころにオンラインが始まりましたから、当初は、マスクを着けていない学生たちの顔がとても新鮮でした。マスクの顔から想像がつく顔もあれば、「えっ、あんた、こんな顔してたの?」って言いたくなるような顔もありました。学生たち同士はどうだったんでしょうね。

今学期は2つの同じレベルのクラスを受け持っています。オンライン授業になってから、どちらのクラスで何を教えたか、ごちゃごちゃになっています。作文と読解は教えるクラスが決まっていますから問題ないのですが、文法や漢字や聴解は両方のクラスで教えますから、混乱がはなはだしいです。対面授業の時は、マスクの顔は特徴がないとはいえ、この聴解はこちらのクラスでやったとか、文法でこの練習をしたのはあっちのクラスだとか、どうにか区分けができました。しかし、オンラインになって、学生の顔の特徴がよりはっきりしたにもかかわらず、わけが分からなくなってきているのです。

こうしてみると、実際に会うということのインパクトを改めて感じずにはいられません。オンラインで何でも仕事が進むようになっても、最後の決め手は対面だと言っている人が結構いるのもよくわかります。私たちは知らず知らずのうちに、何らかのオーラを発しているのでしょうか。

こういう状態がまだ当分は続きそうです。モニター画面の学生の顔を精一杯大きくして、クラスごとのカラーの違いを感じ取っていきましょう。

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不思議な物体

8月6日(金)

朝、学校に着いたら、地下駐輪場の入り口付近の路上にオレンジ色の何物かがぶちまけられていました。「やられた。ゲロだ」と背筋に寒気が走りましたが、近寄るとゲロにしてはオレンジ色が鮮やかで、ドロドロ具合が足りないように見えました。においも、ゲロ特有の、それこそ吐き気を催すようなものではなく、それよりは刺激が強いように感じました。断言はできませんが、キムチじゃないかとも思いました。

少なくとも、昨夜9:30少し前、私が学校を出たころには、“キムチ”はありませんでした。とすると、夜中に学校の前の道を通り、キムチを落っことしたのでしょうか。ゲロだとしたら、大酒を飲んで足元をふらつかせながらここまで来て、オエッとやらかしたのでしょう。いずれにしても、学校の前の、表通りとは言い難い道を真夜中に歩いていた人がいたということです。

確かに、夜遅い時間帯の地下鉄は、おととしあたりと比べたら、明らかに乗客が減っています。ロングシートに1人か2人ぐらいしか座っていないことだって珍しくありません。それを見ると、人出が減っているのだなと思います。しかし、本当に夜中に外を徘徊する人が減ったかと言ったら、そうでもないのかもしれません。飲む人は何があってもしっかり飲んでいるのです。日本選手の金メダル獲得なんか、格好の肴ではありませんか。

オリンピック期間中に、累計感染者数が約15万人増えました。開会式の頃の全国の新規感染者数が、今や東京都の1日分です。専門家の懸念が、そのまま現実化しています。それでも菅さんの頭の中では、オリンピック大成功なのでしょうね。

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苦渋

7月9日(金)

7時過ぎ。養成講座の資料の手直しに集中していたら、ロビーから「おはようございます」と声をかけられました。業者さんが2階ラウンジの自販機の入れるおにぎりやパンを持って来ました。私の場合、学期休み中と学期中とで違うのは、朝、商品納入に来た業者さんのために2階の鍵を開けるかどうかというのもあるのです。

業者さんが来ると、まず、熱を測ります。といっても、熱があってお帰り願ったことは一度もありません。今朝はその時に、「また緊急事態宣言ですが、授業は普通通りにあるんですか」と心配されてしまいました。「学生の数は減っていませんか」というのも、商品を納入する立場とすれば当然の質問です。本気で日本で進学を考えている学生は、下手に帰国すると再入国が難しいですから、日本を離れるわけにはいかないのです。業者さん、ご懸念には及びませんよ。

お昼に入ったお店のテレビで、小池さんが悲壮な顔つきで記者会見をしていました。要するに、無観客になったけど、オリンピックの成功に向けて全力を傾けると語っていました。学校に戻ってパソコンを開くと、オーストラリアのテニスの選手が無観客で試合をしたくないということで、出場を取りやめたというニュースが出ていました。こういう選手がこれからどれだけ現れるかわかりませんが、バッハ会長ぐらいしか見ていないとなると、選手もやる気が湧かないでしょうね。

となると、このオリンピック、記録はあまり期待できないのかな、オリンピックを開催したけど記憶や記録に残る試合が少なかったとしたら、病原菌になすすべもなく敗れ去ったオリンピックとして、永遠に語り継がれることでしょう。小池さんは、そんなことまで考えたから、渋い顔だったのかもしれません。

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演技を見ながら

6月10日(木)

今週はKCPのアートウィークです。去年はこの手の行事が何もできませんでしたから、おととしの秋以来となります。在籍学生数は2年前に比べるとがたっと減ってしまいましたが、出展作品数はそこまで減っていません。学生たちも自分の能力を発揮する場がほしかったのでしょう。

午前中、アートウィークのパフォーマンス部門の発表会を見学しました。今年は海外でオンライン授業を受けている学生も、歌やドラムの演奏の作品を寄せてくれました。その映像が流れると、会場の空気が心なしか色づきました。学生たちはインターナショナルな香りを感じたのかもしれません。

講堂のステージに上がってくれた学生たちは、感染防止のためマスクをしての熱演でした。ヒートアップしてくると、やっぱりちょっと苦しそうでした。演技が終わるや人のいないところへ行って水分補給する姿も見られました。ダンスも歌もピアノの演奏も、大いに魅了されました。相当練習しただろうなということが感じられ、手拍子にも力が入りました。

そういえば、2年前のこの場で漫才を披露した2人組は、来年大学院修了です。こういう状況下で研究は進んでいるのでしょうか。すばらしい映像作品を見せてくれた学生はその道に進んでいるはずですが、就活はどうなっているでしょうか。今の学生に目をやりながら、前回活躍した面々のその後に思いをはせました。

午後は、オンラインクラスの学生たちをアートウィーク会場に送り込みました。午前中私が講堂の隅っこから見ていたパフォーマンスを、私のクラスの学生たちは海外の自室に居ながらにして見られるのです。終了後感想を聞いてみると、拙い日本語ながらも心が動かされた様子がよくわかりました。

KCPの芸術の夏は、明日までです。

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もうすぐ運動会?

5月25日(火)

昼食を食べに出た帰りに、陽気に誘われて、外で本を読もうと、花園小学校へ向かいました。校庭の隅っこにベンチがあり、春はお花見、夏は緑陰と、お昼のひと時を過ごすのに絶好の場所なのです。

先客もいないベンチに腰を下ろすと、目の前の校庭では、低学年と思わられる子どもたちが、トラックに沿って、もちろんしかるべき間隔を置いて、丸くなっていました。みんな、赤系統の体操着を着ていました。私たちの頃は赤といえば女の子だったのですが、今は性別による色分けはしないのでしょう。

何が始まるんだろうと、読書そっちのけで子どもたちを見ていたら、音楽がかかって踊りだしました。振り付けは習っていたのでしょうが、全然バラバラでした。教室の中でビデオかなんかを見ながらまねしてみるのと、校庭に出て他のクラスや学年の見知らぬ顔と一緒に体を動かすのとでは、だいぶ勝手が違います。小さな顔も背中も手足も、みんな戸惑っていました。

先生たちの表情まではうかがえませんでしたが、マイクを持った先生は、盛んに児童らをほめていました。どうやら、運動会で披露するようです。運動会は今週末なのでしょうか。だとしたら、これから一気にムードを盛り上げて、みんなをのせて、本番で120%の力を発揮させなければなりません。KCPの受験に気を取られている学生たちを引っ張るよりは熱くさせやすいかもしれませんが、また別の苦労があるのでしょう。

その証拠に、音楽が終わるとすぐにみんなを座らせていました。熱中症で倒れたなんてことは、絶対に起こしてはなりません。私は木陰でしたが、校庭は南中高度75度の直射日光です。用心に越したことはありません。

花園小学校のホームページを見ましたが、運動会の予定は出ていませんでした。現代は、そういうことにも気を使わなければならないんですね。

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初夏のアラーム

5月24日(月)

1階の入り口に設置してある体温測定器のアラームが、朝からやたらと鳴りました。そのたびに事務のTさんたちが学生の手荷物を机の上に置かせ、再測定させていました。今までは、かばんの中に入れた熱い飲み物や手に持った熱い食べ物がアラーム発報の原因でしたから、こうすることでほぼ100%問題解決し、学生は晴れて教室に向かうことができました。

しかし、今朝は荷物を置いて手ぶらで再測定してもアラームがけたたましくなる例がいくつもありました。学生の髪や服が熱くなっているようでした。5月下旬、夏至まで1か月を切りました。一年で最も日が高い時期です。9時ごろでも、10月半ば過ぎぐらいの真昼の太陽高度があります。晴れていれば日差しも強いです。7月中旬から下旬並みと言ったら、かなりの強さだということがおわかりいただけると思います。その日差しをたっぷり受けた黒い髪や黒い服は、私たちの想像以上に熱を持つのでしょう。

学生たちは、気が気じゃありません。アラームがなかなか鳴りやまないこともそうですが、1階で足止めを食っていたら、遅刻になってしまいます。朝一番でテストだとしたら、試験時間が短くなって、点数も取れなくなりかねません。遅刻ギリギリだからと走ってくると、体表面が本当に37.5度以上になり、こうなると脈拍が落ち着くまで測定値は下がりません。だから、時間に余裕を持たなければいけないのです。

去年の今頃は、まだオンライン授業でした。その後通学授業が復活してからは、体温測定はおでこにピッでした。そういえば、おでこにピッでも真夏は5分後に再測定なんていう学生がたくさん出ましたね。

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変わった?

5月8日(土)

朝、パソコンを立ち上げると、だいぶ前にKCPをおやめになったW先生からメールが届いていました。大学院に進学しようと思っている留学生の面倒を見ているそうです。KCPでの経験が、多少は役に立っているのでしょうか。文面からはお元気なご様子がうかがえ、いつもにこやかでやる気満々だったW先生のお姿が頭の中に浮かび上がってきました。同じ釜の飯を食った仲というよりは、同じ学生に悩まされた仲とでもいうべきW先生です。ずいぶんとお会いしていませんが、太い絆の連帯感がよみがえってきました。

W先生は、現校舎ができてからまだいらっしゃったことがないとのことですから、おやめになったのは震災の直後ぐらいだったのでしょうか。そのころと比べると、確かに教師の顔ぶれは変わりました。でも、毎日学校へ来ていると、その変化に気づかないんですよね。私自身はどれくらい変わったでしょうか。毎朝一番に出勤し、日本語を教え、理科を教え、養成講座を担当し、行事のたびに天気予報をし、…というあたりは、W先生がいらっしゃった頃と変わりありません。オンライン授業をするようになった点が変化といえば変化ですが、いろんな機材を使いこなしているわけではありませんから、進歩とは言えませんね。

緊急事態宣言が解除されたら旧交を温め合いたいと思いますが、いつのことになるやら。ついに1000人を超えてしまいましたからね。他県でも過去最多が目立っています。まずはこれからさらに大きくなりそうな波を乗り越えなければなりません。

ということで、W先生にお会いしていない間に一番大きく変わったのは、世の中そのものですね。

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鎧兜

4月30日(金)

去年は全然何もできなかった学校行事が、やっと復活しました。端午の節句です。毎年連休の直前に行っていましたが、去年はオンラインで細々と触れた程度でした。でも、今年は2年ぶりに五月人形を飾り、日本の伝統文化の一端を学ぶとともに、ちょっとしたゲームも楽しみました。

私たちにとっては、五月人形は珍しくも何ともありませんが、学生たちはしげしげと眺め、写真を撮っていました。教室で一通り説明を受けて来ても、いや、受けて来たからこそ、興味津々だったのでしょう。鎧兜姿の大将、桃太郎、菖蒲の花など、飾ってあるものすべてにスマホを向けていました。

ゲームは、桃太郎にちなんで鬼退治です。軍手を丸めて作ったボールを、厚紙で作った鬼に向かって投げ、鬼が倒れたら点がもらえるというものです。単純なゲームでしたが、思いのほか盛り上がりました。クラスメートの投げるボールにまさしく一喜一憂で、久しぶりに学生の歓声を聞きました。

おととしまでは、クラスみんなで柏餅を食べましたが、今年はもちろん中止。6階の講堂の半分で五月人形を見て、もう半分で柏餅を食べながら歓談という流れでしたが、幸いにも(?)学生数が減ったため、クラス完全入れ替え制でも時間にゆとりがありました。

その代わり忙しかったのがO先生たちで、この行事を海外でオンライン授業を受けている学生たちに中継するために大いに汗を流していました。モニターで見る限り、オンラインの学生たちも画面を通して端午の節句を味わっていたようです。

この先感染拡大がどうなるか見通せませんが、こうして少しずつ平常を取り戻していきたいです。

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懐かしい顔

4月20日(火)

午後の授業の準備をしていたら、A先生がいらっしゃいました。A先生は、去年の春先に出された最初の緊急事態宣言直前まで、上級クラスを教えていました。2月末に全面オンライン授業になってから、ずっと休んでいました。お年を召していますから、授業をお願いして無理に外出させてはいけません。そういうわけで、1年余りのご無沙汰でした。

A先生ご自身もあまり家の外には出ず、新宿も本当に久しぶりだとおっしゃっていました。でも、何より、声の張りも1年前とまったく変わらず、お元気そうなご様子でした。感染状況が改善すれば、今すぐにでも教壇に立てそうな雰囲気を放っていました。

東京は711人。先週の火曜日より201人増えたそうです。3度目の緊急事態宣言が現実味を帯びてきつつありますが、オオカミ少年みたいになってきています。まん延防止などという中途半端な規制のおかげで、国民側の緊張感が薄れています。今晩は日中の暖かさが残っていることでしょうから、お酒とおつまみを買って外で盛り上がる人たちが大勢出るんじゃないかと思います。

もはや悠長に聖火リレーなどしている暇ではありません。せっかく走者に選ばれた方々には申し訳ありませんが、オリンピック自体、もう死に体です。選手だって、ワクチン未接種者が大半の国になんか、足を踏み入れたくないんじゃないかな。

A先生は、事態がさらに悪化しないうちにご挨拶したいという義理堅い理由でお越しくださいました。やっぱり、オリンピック中止で、1日も早くA先生に復活していただきたいです。

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