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来週のお天気は…

4月9日(土)

新宿御苑では安倍首相主催の観桜会が開かれたようですが、KCPでは来週半ばぐらいにお花見を企画しているレベルが多いようです。首相の観桜会の記事によると、御苑は、今、ソメイヨシノがちょうど盛りで、八重桜が六分咲きぐらいだそうです。来週の半ば以降となると、ソメイヨシノは葉桜でしょうが、八重桜が見ごろになっているかもしれません。

最近の訪日外国人は、爆買いのような物質的な満足よりも、文化的精神的テイストを好むようになってきているそうです。花見シーズンになり、上野公園は桜と一緒に写真に納まる外国人であふれているとか。桜に心をくすぐられるのは、何も日本人に限ったことではありません。毎年のように学生を連れて御苑へ行きますが、国籍を問わず桜に目を輝かせ、頬を緩ませ、心を躍らせ、そして、レンズを向けます。

チューリップも紫陽花もラベンダーも向日葵もコスモスも金木犀も菊も牡丹も水仙もみんなきれいですが、心を浮き立たせるということにかけては、やっぱり桜にかなうものはないと思います。そして、盛りを過ぎた花は、しなびた紫陽花や下を向いた向日葵のように、哀れな末路を感じさせます。しかし、桜は、最盛期の直後に、花吹雪という鮮やかな姿の消し方をします。そして、桜の木は、それから350日あまり、人びとの目の端にも留まらぬ、もちろんカメラを向けられることもなく、地味な生活に戻るのです。

来週の半ばあたりは、低気圧が通過するようなので、お天気が心配です。おとといは、九州で春の嵐が吹き荒れました。そういう低気圧が、東京を襲わないことを祈るばかりです。

桜一輪

3月24日(木)

毎年、東京の桜の開花と歩調を合わせるかのように、新宿御苑前駅には大木戸門と新宿門の案内が出ます。案内といっても矢印で示されるだけですが、その案内の地が桜色で、しかもでかいので、陽光の入らない地下鉄駅が一気に明るくなるのです。この案内を見ると春が来たなと感じますし、だから、そろそろコートを脱がなきゃと思い始めます。

今週の月曜日、この案内を見つけ、火曜日からコートを脱いで通勤しています。今朝はちょっと寒かったので、よっぽどコートを着ようかと思ったのですが、少しのやせ我慢と勇気を持って、着ないで家を出ました。駅の温度計は7.7度でしたが、手がかじかむような冷たさは感じませんでした。結局、コートなしでも耐えられました。もうこのまま秋までコートは着ないんでしょうね。まあ、上には着なくても、下はヒートテックを着込んでいますからね、春まだ浅しといったところでしょうか。

朝、仕事をしていると、卒業生のHさんが書類をもらいに来ました。午後から専門学校の入試で、そのときに提出する書類です。今年は、Hさんには暖かい春が来ませんでした。もう1年冬を過ごさなければなりません。妥協すれば入れる大学はたくさんあったのですが、Hさんは最後まで妥協をしませんでした。さらにもう1年その固い意志を保ち続けることは至難の業ですが、その茨の道を敢えて選んだのです。挫けずに貫き通してもらいたいものです。

期末テストが終わり、明日から新入生が来るまでは、束の間の静けさが訪れます。その静けさのうちに、新学期に備えて頭の体力を回復しておかなければ…。

彼岸の入り

3月17日(木)

「暑さ寒さも彼岸まで」ということばの通り、彼岸の入りの今日は、最高気温が20度を上回る暖かな日になりました。風も弱く、「うららかな」という形容詞がぴったりの1日となりました。暖房の入っている教室もなく、気の早い学生は半袖姿で、先生方の装いも春らしい明るい色合いが目立ちました。

春のお彼岸のちょっと前は、私の通勤時間帯に日の出を迎える時期でもあります。毎日ほぼ同じ時間に同じ道を歩くのですが、この時期は日ごとに道が明るくなり、なんだか未来が開けてくるような、勇気が湧いてくるような気持ちになります。朝型人間の私にとって、夜明けの静かな道を太陽に向かって歩くというのは、この上もない幸せです。先週末から今週初めにかけて曇り勝ちの日がつづき、この時間帯が夜に逆戻りしたようでしたが、昨日、久しぶりに晴れた朝を迎えると、明るさがずいぶん進んでいて、驚かされました。

私も、実は先週から、真冬の装備から春装束に替えているのです。コートは着ていますが、スーツは裏地のないものにしています。マフラーも取りたいのですが、のどを冷やすと風邪をひきやすいので、そこまではしていません。そんなに一気に春にならなくても、春は確実にやってくるのですから。

週間予報によると、来週はまた寒い日が控えているようです。コートには今シーズン最後のご奉公に励んでもらわねばなりません。でも、春のマジックナンバーは、確実に減っています。期末テストが終わったら、桜が咲き始めるでしょう。その頃が、脱皮の日かな…。

地震にめげずに

2月6日(土)

今朝、台湾で地震がありました。台南市では、ビルが倒壊し死者が出ています。KCPにも台湾出身の学生がいますが、今のところ実家が被害にあったという連絡はありません。

台湾も日本同様にプレートの境界上にあり、過去にも大きな地震が何回も発生しています。今回の地震もプレート境界型かもしれませんが、台南市の被害の大きさを見ると、阪神淡路大震災のような直下型かもしれません。地震が多いという共通点があるため、台湾は高速鉄道を建設する時、日本の新幹線のシステムを導入しました。その台湾の高速鉄道にも阪神淡路大震災と同様の被害が出ているとのことです。

私は地学ファンですから、地震と聞くと興味や関心は上述のような方面に向かってしまいます。しかし、絶対に忘れてはいけないのは、3.11の際に200億円以上という世界最多の義捐金を贈ってくれたのは台湾だということです。お金だけではなく、衣類や暖房器具を始め、被災者が必要とする物資もいち早く援助してくれました。地震の規模は違っても、困っている人が出ていることには変わりありません。3.11の何分の一でもいいですから、手を差し伸べたいものです。

九州では桜島の火山活動が活発になり、火を噴いています。また、昨日の朝は多摩地方で震度4の地震がありました。震源が立川断層の延長線上だというのが、少し気懸かりです。台湾の地震も含めたこれら3つが互いに関連があるとは思えませんが、パタパタと続くと、いやなものです。

週明けは春節。自然災害を吹き飛ばすくらいパーッとやってもらいたい反面、学生たちの前夜の行状が激しすぎて、月曜の教室が悲惨な状況になることも恐れています…。

コートがいっぱい

10月26日(月)

24日(土)の深夜、東京に木枯らし1号が吹きました。土曜日、帰宅するころは風がちょっと強いという程度でしたが、夜中にかけて次第に風が強まり、寝る頃には音を立てて吹いていました。日曜日の朝はきれいに晴れ上がりましたが、ベランダには隣の家から飛んできたと思われるサンダルが、片足ずつ2種類。私はサンダルを室内にしまっておきましたが、飛んできたのは私のと同じくらい安物の軽いやつでしたから、出しておいたら行方不明になったでしょう。

昨日の日中は陽もあったのでそんなに寒いと思いませんでしたが、家の目の前にあるショッピングモール内のユニクロで冬物のジャケットを買ってしまいました。今朝は、先週よりも厚手のスーツを着たのですが、少々寒さを感じました。気象庁によると、最低気温は11.7度、コートを着るほうが当然の気温でした。そのため、遅くお見えの先生はコートをかけるハンガーを見つけるのが大変そうでした。

でも、学生の中には半袖で平気な顔をしているのがいます。風邪を引きさえしなければ薄着は結構なことですが、半袖を着ていたJさんは受験生ですから、健康管理には十分気を使ってもらいたいものです。

10月は季節がグンと進む月です。新学期の準備をしていた頃は腕まくりをするくらいの陽気でしたが、今朝なんかはとひざ掛けがほしいと思いました。暖房は入れませんでしたが、私がアサイチでする仕事が増えるまでに、そんなに長い時間はかかりそうもありません。

床ドン

9月12日(土)

朝、学校に着いて職員室内をうろうろしていると、突然床から突き上げるような刺激が。地震だとわかるまでに1、2秒かかりました。玄関のドアの外では、駐車場の柵の鎖が揺れていました。エレベーターも大きく揺れたようで、1階に止まっていたエレベーター内から緊急放送が聞こえてきました。しかし、揺れはすぐに収まり、余震を身構えていましたが、それもありませんでした。電車は多少遅れたようですが、授業は通常通りに行われました。

今週半ばまでは台風やら台風崩れの定期やつによる大雨やらに見舞われ、それが去ってやっと秋晴れに恵まれたかと思ったら、この地震です。日本は自然災害の多い国です。

KCPの先生方の中にも、今回の水害の被災地に近いところ出身の方がいらっしゃいます。新宿は「秋晴れ」なんてのんきなことを言っていられますが、水浸しになってしまった地域では、生活建て直しの第一歩を踏み出したばかりです。一日も早い復旧を祈らずにはいられません。私の住んでいる所も隅田川のすぐそばですから、積乱雲の通り道がちょっとずれていたら、洪水になっていなかったとも限りません。報道された大氾濫の映像は、他人事とは思えません。

KCPのある場所は標高が比較的高く、ビルそのものも地震に強いつくりですから、浸水したり津波に見舞われたりということも考えにくいですし、今朝の地震程度(新宿区役所で震度4)ではびくともしません。そうはいっても、1日に何百ミリっていう雨に襲われたら、その雨が地下の駐輪場に流れ込むんじゃないかって心配しています。

いずれにしても、備えあれば憂いなし。気を引き締めていきたいです。

対訳

8月7日(金)

受験講座の化学は、今日から有機化学に入りました。有機化学といえば、カタカナの物質名が山ほど出てきます。EJUの問題では、カタカナ名のほかに英語名は記載されますが、中国語や韓国語で名前が書かれることはありません。ですから、カタカナ名とその物質の構造式や性質などを結び付けておく必要があります。

手ごろな資料が見つからないので、私が物質名を中国語訳、韓国語訳した対訳表を配っています。国の言葉の役を見ても何がなにやらわからない、という声もよく耳にします。確かにそうでしょう。その辺を歩いているおじさんやおばさんに、いきなり「ベンゼンって何ですか?」と聞いても答えは返ってこないでしょう。だから、有機化学になじみの薄い学生たちがカタカナ語の対訳を見てもやっぱりわからないままだというのは、当然なのです。

しかし、それで開き直っている暇はありません。国の言葉での名前は覚えずとも、日本語名はきちんと覚えていかなければ、志望校合格の目はありません。そのためのよすがになればと、対訳を配っているのです。対訳表としてではなく、物質名と構造式をつなげる表として使ってもらってもかまいません。いずれにしても、この表が有機化学の入り口ですから、足場をしっかり固めて、高いところに手が届くように体勢を作り上げていってもらいたいです。

惰性の法則

8月5日(水)

昨日まで5日連続猛暑日というのが、東京では観測史上初とのことでしたが、今日も最高気温は35.2度で、記録更新となってしまいました。単に気温が高いだけでなく、蒸しているのが今年の夏の特徴のような気がします。シャツやズボンの下に冷気をため込んでおいても、一歩外に出たとたん、蒸し暑い空気が足にも背中にもまとわりついてきます。いったい、冷夏の予報はどこへいってしまったのでしょう。

今日はアメリカの大学のプログラムでKCPへ来て勉強している学生のインタビューがありました。2人の学生を担当しましたが、やはり暑さは身にしみているようでした。夜はエアコンのお世話になっているとのことでしたが、エアコンは風邪と背中合わせですから、よほど気をつけないといけません。本当はもう1人担当だったのですが、その学生は欠席でした。エアコン風邪なのかなあと思ってしまいました。

震災の年以降、KCPはクールビズで夏場は半袖ノーネクタイです。最初はちょっと抵抗がありましたが、今はこのくそ暑い日にスーツにネクタイなんてありえないっていう気分です。習慣を変えるのには労力が要るものですが、変えてしまってそこで新たな平衡状態とも言える環境が整うと、その新たな習慣もまた居心地がよくなるものです。物理の慣性の法則に似ているなあってよく思います。私のような怠け者には、慣性の法則ではなく惰性の法則と呼んだほうが、その実態をより正確に表しているように思えます。

さて、明日はスピーチコンテスト。学生たちのフレッシュな感性のシャワーを浴びて、惰性に流されている精神に刺激を与えたいです。

蝉時雨

7月29日(水)

丸ノ内線四ッ谷駅でドアが開くと、蝉時雨がなだれ込んできます。四ッ谷駅は春は桜を楽しませてくれます。赤坂御所に近いですから、自然が豊かなのでしょう。赤坂御所のほかにも、都心は皇居、新宿御苑、明治神宮など、けっこう緑に恵まれています。そういうところがカラスの供給源になっているという説もありますが。それにしても、今年の蝉の鳴き声は例年になく激しいような気がします。夏らしい夏でいいんじゃないでしょうか。

梅雨が明けて以来、猛暑日になるかならないかぐらいの暑さが続いていましたが、今日は一息ついた感じです。そんな中、毎学期恒例のバザーがありました。湿度は高かったものの、カンカン照りではありませんでしたから、バザーをしていた方々も少しはましかなという顔をしておいででした。

いつものように学生たちはバザーの商品に群がり、掘り出し物はないかとあれやこれやとひっくり返していました。買いたいものがあってそれを探すというよりは、たくさんのものの中から光るものを見つけ出すことを楽しんでいるようにも見えます。誰にとってもすばらしいものでなくても、自分にとっての宝物が手に入れば、それで満足なのでしょう。そこまでいかなくても、友達とわいわいやりながら物を見ることが、学生たちには息抜きであり、時節柄暑気払いなのかもしれません。

新宿御苑のすぐそばは、御苑の木陰から吹き出す風のおかげで多少は涼しいそうですが、KCPの周りは夜でもむっとするような暑さです。これに四ッ谷駅並みの蝉時雨が加わったら、暑苦しくてたまりません。

さわやか?

7月10日(金)

朝は私の家から直線距離で3kmほどのスカイツリーが半分ほどしか見えませんでしたが、日中は久しぶりにきれいな青空となりました。梅雨明けですか、なんて聞いてきた学生もいました。そういってもらいたいところが、ちょっと気が早すぎますね。でも、その学生の気持ちはわかります。どんよりとした空の湿っぽい日が続いて気持ちが暗くなりがちでしたから、一刻も早く夏になって今日みたいな青空が続くことを願いたくなります。

でも、日差しが強いわりには気温は上がりませんでした。外に出たとたん汗が吹き出すことも日向が歩けないこともなく、夏らしさはありません。湿度は結構高いんですが、それが蒸し暑さにつながらず、お昼を食べに出たときにさわやかさすら感じました。新しくできたラーメン屋さんで熱いラーメンをすすりましたが、全く苦になりませんでした。

今年はエルニーニョの影響で冷夏だと言われていましたが、気象庁の最新予報によると、関東地方は冷夏ではなさそうです。日照時間が短めで気温が高めという予報ですが、要するに今年の夏は蒸し暑い日が続くのです。今日みたいに気温が程ほどで青空がパッと広がる日は、あまり望めそうもありません。連日猛暑日・熱帯夜じゃたまりませんが、33度ぐらいのじわーんと暑い日が続くのも、真綿で首を絞められるような嫌な感じです。

さて、今日は多くのクラスでスピーチコンテストの原稿書きをしました。来週初めにクラス内予選をして、代表者を決めます。その頃梅雨が明けて真夏の太陽が照り付けると、グッとムードが盛り上がるのですが、今年はどうなるでしょうか。