10月30日(月)
「…東海道新幹線など、やたらトンネルが多いが…」という文が超級のテキストの中にありました。授業でそこの部分を扱ったのですが、私はどうも納得がいきませんでした。かつて、私は月に1回ほどは東海道山陽新幹線を利用していましたから、このあたりはちょっとうるさいです。山陽新幹線は確かにトンネルが多いですが、東海道新幹線は決してそんなことはありません。平野を突っ走るイメージが強いです。
調べてみると、東海道新幹線のトンネルの割合は13%、山陽新幹線は51%でした。建設中のリニア新幹線の8~9割は別格としても、東海道新幹線以外の新幹線はどれも半分ほどがトンネルですから、冒頭のテキストは当たっているとは言えません。
東海道新幹線は、何と言っても富士山がよく見えます。高架橋の上からですから、並行して走る東海道線より眺めがいいかもしれません。海は熱海の前後、焼津付近、浜名湖辺り、蒲郡の手前でチラッと見えるだけですが、山陽新幹線は三原と徳山の海だけですからねえ。穏やかな多島海で遠景は癒されますが、近景は工場の裏手の海ですから、いまひとつパッとしません。夜は工場萌えになりますけどね。
東海道新幹線は景色が悪いと思われかねない文章でしたから、「幸せの左富士」の話をしました。東京から大阪方面に向かって新幹線に乗ると、富士山は右手に見えるのですが、静岡駅を過ぎた直後に、ほんの一瞬、右手に富士山が見えます。静岡を過ぎたあたりですから、同じ静岡県内とはいえ、富士山までかなりの距離があります。ですから、天気に恵まれないと見えませんし、精神を集中して首をかなり後ろに向けないと拝めません。だからこそ、これが見えたら“幸せの”となるのでしょう。
関西の大学を受験する学生が、幸せの左富士に見送られて、望みを叶えてくれれば最高ですね。