Category Archives: 社会

早お昼

4月24日(金)

今学期は午後から受験講座というパターンがほとんどですから、昼食を早めにとるようにしています。12時台はどこも混みそうですから、12時前に戻ってこられるように出かけます。すると、どこの店も開店直後のため、少なくとも密集ではない状態で食事ができます。

ある店は、椅子の数を減らしました。まばらに配置して、客同士が比較なりすぎないようにしています。私のように1人で食べに行く者にとっては何ら影響ありませんが、2人連れなどというと微妙な距離感がぎこちなく感じられるのではないでしょうか。だから、会話も弾まず、密接にもならず、感染を防げるという計算もあるのかな。おしゃべりできないから店に長居せず、客の回転が速く、時間当たりの客数の減少を少しでも食い止める効果もあるのかもしれません。

お金のやり取りを直接手渡しでするのではなくトレイを介して行うのは、どこでもやっています。これなんかは、この騒動が終わってもずっと続き、標準化しそうな気がします。事務的過ぎて店員と客との触れ合いがなく、潤いのないやり取りにも感じますが、無人のコンビニが開発される時代ですから、数百円の買い物に触れ合いがなくても気にするほどのことではありません。

「小売店はサービス低下宣言を」という記事が日経に載っていました。「ポイントカードをお持ちですか」なんていうのは、確かに鬱陶しいですね。書店で「カバーをしてもよろしいでしょうか」と聞かれるのも、私にとっては時間の無駄です。カバーは紙の無駄でもあります。

そういう過剰なサービスをそぎ落とした形が、この騒動が収束した後の常識にしていくべきだというのが主張でしたが、椅子減らしもトレイも、その仲間に加えていいんじゃないかなと思いました。

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青い病原体

4月23日(木)

新型肺炎予防には3密を回避することが必須とされています。個々人がばらばらに存在することが求められます。SNSでつながっているとは言いますが、基本的には孤独な戦いを強いられています。東日本大震災の時には「絆」がキーワードになり、精神的にも物理的にも一致団結して難局を乗り切りました。それと比べると、力を合わせてという気持ちになりにくく、これがゆえに安倍さんが叫び続けている8割削減に届かないのかもしれません。

それから、みんな他人に対して疑心暗鬼になっています。自分のそばにいる人が無症状感染者かもしれないという前提で接し続けています。親しき中にもマスクありで、顔の過半を覆い隠し、しかも1.5mとも2mとも言われるソーシャルディスタンス(最近はフィジカルディスタンスと言い換える向きがありますが…)をあけてコミュニケーションを取らなければなりません。信頼とか親密とかよりも、疑念とか距離とかが優先されます。

病原体がはっきり見えないのがいけませんね。見えないから、まず疑ってかかれとなってしまうのです。青かびみたいな、誰にでもすぐわかる色がついていたら、お互い信じ合える生活ができたんじゃないかと思います。電車の中の空気が青いから乗るのをやめようとか、ドアのノブが青いから除菌しておこうとか、あなたも私も青い息をしていないからもう少し近づいて話しましょうとか、そういうことができるでしょう。まあ、青い病原体だったらすぐに駆除されて、こんな大騒ぎにはならなかったでしょうけどね。

そんな夢物語を書き連ねても、緊急事態宣言は解除されません。孤独に地道にひっそりと、嵐の過ぎ去るのを待つほかありません。

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薄い新聞

4月21日(火)

最近、新聞がめっきり薄くなりました。スポーツ面はほぼ全滅で、無理やり紙面を作っているような気すらします。他の紙面も人を外に誘うようなことは書けませんから、その分記事が減ります。インタビューだってあまり歓迎されないでしょうから、それも減ります。広告も、だいぶ減ってるんじゃないかな。そうそう、折り込みのチラシがほとんどありませんね。スーパーは営業していますが、チラシで客寄せすることはできません。

航空便や新幹線が一部運休というのはすでに始まっていますが、JR九州は5月2日から6日まで全特急列車を運休するという思い切った策に出ました。県境をまたいでの移動を防ぐためで、発売されている特急券は手数料なしで払い戻します。本来なら稼ぎ時のはずなのに、それを全てあきらめるのです。客寄せをしないどころか、すべて断ってしまいました。勇断と言っていいでしょう。でも、九州は高速道路が発達していますから、高速道路を全面通行禁止にしないと、せっかくのJR九州の決断も意味を失ってしまいます。

感染が進んでいる他の国々では、これに近いことをやっています。全国民が痛みを分かち合って立ち向かわないと、この災厄には打ち勝てません。安倍さんの掛け声もむなしく、思ったほど人出は減っていません。JR九州ほどの劇薬が、全国に必要です。

オンライン授業も2か月になろうとしています。学生に学校へ来てはいけないと叫び始めてからも2か月。インフルエンザの学生にそう注意したことはありますが、全学生に向かってアナウンスし続けるのは初めてです。学生のいない学校という異常事態は、いつ解消されるのでしょうか。

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大混雑

4月20日(月)

うちの前のショッピングモールには、ユニクロやABCマートやRight-onやドコモショップなどがありますが、みんな臨時休業しています。マッサージ屋さんもあったのですが、いつの間にか消えていました。やっているのは、キリン堂とスーパーマーケットとダイソーと食べ物屋さんとクリーニング屋さんです。

昨日、スーパーに買い物に行ったら、あまりの客の多さにびっくりして、入る気を失いました。確かに、駐車場は万社で、本来ならユニクロなどに分散していた客がスーパーに集中したとしたら、かなりの混雑になって当然です。緊急事態宣言から休業していた本屋さんが土曜日から再開し、そこも混んでいました。昨日は陽気がよかったせいもあると思いますが、宣言に罰則がないのをいいことに、油断が感じられました。

私は、緊急事態宣言以来、定期券の範囲外に出たのは、8日の健康診断だけです。今月は、このまま交通費ゼロの日が続くものと思われます。車も持っていませんから、何から何まで、すべて学校の近くかうちの近くで済ませています。先週末も出かける予定が入っていたのですが、この騒動で全面キャンセルになり、結局は仕事とうちの中の片づけをして過ごしました。

アルコールを含んだ除菌シートであちこち拭いていたら、除菌というよりも油汚れが取れてシートが真っ黒になりました。素手でよく触る取ってとかスイッチとかを除菌するつもりでしたが、去年の年末にサボった大掃除をしているような感じでした。それだけ汚いものを触り続けてきたのだと思うと、よく何でもなかったものだと妙に感心してしまいました。

明日、シャープ製のマスクがネットで売り出されるそうです。これを機に反転攻勢が始まるといいのですが…。

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4月16日(木)

茨城県のパチンコ屋がにぎわっているそうです。東京近郊のパチンコ屋が緊急事態宣言で軒並み休業しているため、茨城県まで遠征するのだそうです。茨城のパチンコ屋は駐車場完備ですから、車で乗り付けると言います。ギャンブラーの執念はすさまじいものです。

授業で、わがままという言葉から、自己中心的、利己的、自分勝手などという類義語が学生から挙がってきました。対義語は、まず、利他的を思い浮かべますが、「思いやりがある」とか「優しい」とか「協力的」となると、意味がぼやけてしまいます。それだけ、日本人にはわがままな人が多いのでしょう。

パチンコ屋を求めて茨城遠征をしている人々は、ジコチューそのものです。パチンコをしに行くなんて、不要不急の外出の最たるものではありませんか。車で往復100キロかそれ以上走るとなると、二酸化炭素もたっぷり排出します。そうまでしてパチンコ台にかじりつかないと、体が震えてでもくるのでしょうか。それはまさしく依存症であり、肺炎にならずとも、そちらの治療で入院するべきです。

でも、緊急事態宣言は近日中に全国に拡大されます。そうなったら、茨城県もどこも、パチンコ屋は休業するに違いありません。依存症のみなさんは、果たしてどうするのでしょう。たばこの値上げや喫煙所の廃止を機にタバコをやめた人は少なくありません。この臨時休業をきっかけとして、パチンコと縁を切るというのはいかがでしょう。長い目で見れば、どうせ負けるのですから。

でも、これは対岸の火事ではありません。自粛疲れから“自分1人ぐらい”というわがままが湧き上がり、無礼講状態になってしまったら、日本沈没です。出たがりません、ウイルスに勝つまでは…。

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雨の国

4月14日(火)

昨日、東京では132ミリの雨が降りました。4月の新記録に迫る雨量でした。この雨がすべての病原体を流し去ってくれないかなあと思いましたが、そんなわけにはいきません。確かに、空気中に浮いていたり路上に落ちていたりしたのは流されたかもしれませんが、人間の体内に存在しているものはそのままです。警戒を続けなければなりません。

三重県尾鷲市では、昨日1日で248.5ミリの雨が降りました。未明には1時間に100ミリ近い雨が降ったという記録が残っています。12日お昼ごろの降り始めからの雨量は300ミリを超え、警報も出されました。

尾鷲の人たちは避難したのだろうかとおもぃました。避難所は、少なくとも「密集」です。「密閉」を避けたいと思っても、大雨の最中に窓やドアを開けっ広げておくことはできないでしょう。災害の恐怖におびえながらお互いを励まし合おうとすると、「密接」にもなりかねません。

もちろん、これは尾鷲だけの話ではありません。梅雨時になったら、全国各地で起こりうることです。去年のように頻繁に広範囲に台風が襲来したら、首都圏や近畿圏のような人口過密地域では、3密避難所がそこかしこに生まれます。不幸にも被災してしまったら、必然的に避難所暮らしを余儀なくされます。

日本は雨がよく降る国です。それに伴う災害も頻発しています。今はまだ4月ですから、雨は1日で過ぎ去りました。しかし、雨の季節になったらそういうわけにはいきません。その時までに何としてもこの騒動を抑え込まねば、洪水に巻き込まれるか避難所のクラスターに巻き込まれるかの究極の選択を迫られるおそれすら考えられます。

安倍さん、犬とじゃれてる暇なんかありませんよ。

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命を守る行動

4月11日(土)

外出自粛を呼び掛けている小池さんや安倍さんには申し訳ないのですが、来週の授業の資料作りのために出勤しました。学校にある資料や学生の個人情報を扱うので、家ではできないのです。私のほかに学校へ来たのは、やはり週明けすぐの仕事がかかっているS先生だけでした。

2人とも黙々と机に向かうだけでしたから、話し声も聞こえず、別の用事を持ちかけられることもなく、かかってきた電話も2本だけで、仕事ははかどりました。そういう面ではストレスを感じませんでしたが、窓の外の雲一つない青空が目に入ると、どうして仕事なんだろうと思ってしまいます。でも、仕事に来なかったら、家の窓から空を眺めてどうしてどこへも行けないんだろうと思ったことでしょう。そっちの方が、ストレスを感じたかもしれません。

食事も学校の中で済ませてしまいましたから、自宅待機とあんまり変わりがないような気もします。ネットのニュースを見ると、新宿を始めどこもかしこも人通りはまばらだそうです。今までの土曜日なら、仕事帰りに紀伊国屋によって本を物色するところですが、その紀伊国屋は今週から土日がお休みですから、それすらできません。したがって、人のいない新宿を味わうことなく帰宅することになるでしょう。

去年、台風が襲ってきた際に、「命を守る行動を」とアナウンサーが何回も視聴者に呼びかけました。その時は、1日か2日、“命を守る行動”を取れば命の危機を脱することができました。でも、今年は、当分の間、四六時中“命を守る行動”を意識し続けなければなりません。明日になれば、明後日には必ず過ぎ去るものと、しばらく居座るものとの違いと言ってもいいです。

お天気は下り坂みたいですから、明日は巣篭りかな。

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レギュラーメンバー

4月10日(金)

緊急事態宣言以来、電車が空いたという話を聞きます。しかし、私が毎朝乗る1番電車はそんなに変わりません。もともとそんなに込んでいるわけではありませんが、立つ人がちらほらいるという状況は、先週も先月も去年も同じでした。朝早くから不要不急ではない用事を抱えている人々がこの電車に集うのです。

毎日、見慣れた顔ぶれが乗り合わせます。顔しか知らない人たちですが、みんな病魔に侵されてはいないようです。挨拶すら交わしたことがありませんが、何となく連帯感を抱き、いつもと同じポーズで居眠りしている姿などを見かけると、ホッとさせられます。

お昼によく行く店が、都からの要請に応じて、明日から当分の間、土日は休業するという告知を出していました。街を歩くときはマスクで隙なく防護していても、店内で食事するときはマスクを外さざるを得ずません。無防備な顔をさらして、口も鼻の穴も目一杯広げてお腹を満たすのです。一番危ない瞬間です。

力士に感染者が出たとのことです。きっと、食事の最中に拾ったんだろうなと思いました。力士は日々体を鍛えていますから、多少のことではびくともしないはずですが、食べ物と一緒に悪い物を吸い込んだら、取り込む量が量だけに、やられちゃったんでしょうね。

相撲は、5月場所を2週間延期して始めると言っていましたが、力士に感染者が出たことでどうなるでしょう。プロ野球もJリーグも見通しが立っていません。隅田川の花火大会も中止になりました。博多どんたく、青森ねぶたなど、有名なお祭りも中止が決定しています。でも、EJUは予定通り実施と強気を貫き通しています。果たしてどうなるでしょう。

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街の様子と学生の心配事

4月8日(水)

安倍さんと小池さんには申し訳なかったのですが、午前中は健康診断で病院へ行きました。以前から予約してあったので行ってきた次第です。せめてもの罪滅ぼしとして、電車には乗らず片道30分ほどかけて往復しました。人通りがあまり多くない道を選んだつもりですが、それでも人影が途絶えることはありませんでした。東京の街自体が3密ですから、いくらか自粛したところで人通りがなくなることなどないのでしょう。

安倍さんは人との接触を8割減らしたいと言っています。また、ある学者の説によると、東京は98%減らさないと感染者は増え続けるとのことです。しかし、私が見た街の様子は、確かに人通りは減ってはいますが、8割とか98%とかには程遠かったです。あごマスクで歩きたばこという、危機感のかけらも感じられないオヤジもいました。その一方で、5月6日まで臨時休業という店も結構見かけました。伊勢丹もそうだと言いますから、考えているところは考えているのでしょう。

午後は、受験講座をしました。2月末にオンライン授業に移ってからずっと休講状態でしたが、その補講という形で再開しました。学生たちの心配事は、EJUが予定通り実施されるかどうかで、早速質問されました。EJUのサイトには予定通り実施と書かれていますから、そう答えるほかありません。でも、本当に予定通りできるでしょうか。実施できないとなると、各大学の留学生入試に多大な影響が及びますから、万難を排して実施するつもりでしょう。そうは言っても、受験生間の距離を離すとか熱のある受験生は受けさせないとかという条件が加わると、去年までと同じように実施できるか疑問です。

頭痛の種はたくさんありますが、今できることを確実にやっていきましょう。

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新人

4月7日(火)

新しい事務職員が入りました。Kさんがほぼ付きっ切りで仕事を教えています。大学を卒業したばかりだそうですから、KCPの学生と年齢は変わりません。先週から始まった日本語教師養成講座の受講生の中にも同じ年頃の方がいます。私から見ると、子ども未満、孫以上の年齢です。

私が新入社員だったのは、今から35年前です。事務系、技術系の新入社員200名ほどが合宿形式で新入社員教育を受けました。周りのみんながライバルでしたが、同時にお互い支え合う仲間意識も芽生えていきました。背伸びしたり素直に尊敬したり、手を差し伸べたり背中を押してもらったり、こいつとは生涯付き合おうと思ったりこいつの顔はこの教育が終わったら二度と見たくないと思ったり、今思うと、それが切磋琢磨だったのでしょうか。

そういう観点からすると、1人だけというのは、気楽なのかな、心細いのかな。KCPのような小さな組織は、OJTにならざるをえず、新人でもどんどん仕事が回されてくることでしょう。泥臭い仕事ばかりで、夢と現実のギャップを感じることだってあるかもしれません。そんな時は、短期的な目でお先真っ暗だと思うのではなく、長期的なビジョンを頭に描いて自分なりに前進していってもらいたいです。自分のすぐそばには同期がいないかもしれませんが、今はSNSでも何でも、以前の友達とつながる手段はいくらでもあります。

さて、緊急事態宣言が出されました。諸外国ほどの強制力はないものの、指定された地域の住民に与える精神的プレッシャーはかなりのものでしょう。そんな日に社会人の第一歩を踏み出したということは、きっと一生忘れないでしょう。

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