Author Archives: admin

ちょっと早い新入生

4月2日(水)

入学式は来週の月曜日ですが、もうすでに入国し、学校を見学しに来る新入生がいます。KCPに入学後、大学や専門学校に進学する時には、オープンキャンパスや進学相談会といった、来年勉強するかもしれない学校を実際に見に行くチャンスがあります。しかし、日本語学校の場合は、せいぜいインターネット経由の画像や映像を目にするくらいでしょう。SNSの情報をどこまで信じるかという問題もあります。

だから、来日したら学校まで足を運んでみたくなる気持ちはよくわかります。そういう新入生には、各国担当のスタッフが懇切丁寧に対応します。現在、新学期の準備で校舎内がごたごたしていますし、誰もいない暗い廊下を案内してもパッとしないでしょうし、学生がワイワイ談笑していてこそのラウンジですし、学校の中を見てもあまり実感が湧かないかもしれません。でも、そういう熱心な新入生には、精一杯サービスしてあげたいものです。

Pさんもそんな新入生で、理科系の大学への進学を目指しているそうです。今学期日本語プラスも含めてKCPで勉強し、6月のEJUを受験すると言っています。国でももちろんEJUの準備をしてきましたが、やはり予定戦場の近くで適度な緊張とともに勉強したいのでしょう。こちらとしては、その期待に応えてあげなければなりません。

寒い日が続いていますが、週末からまた温かくなるそうです。入学式の日は20度近くになるという予報が出ています。1年のスタートにふさわしい陽気になりそうです。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

入力

3月28日(金)

2024年度の進学データをまとめています。受験校や進学先などは、基本的に学生の自己申告です。それを、各学生のEJUとJLPTの成績などとひもづけます。これがなかなか大変な作業なんですねえ。

まず、学校名はまだしも、学部学科名、大学院だったら研究科や専攻名があやふやです。「A大学経営学部経営学科」と書いてあるのに、A大学には経営学部はなく、ネットで調べてみると「経済学部経営学科」だったなどというのはよくあるパターンです。学科名がブランクだと、本人に問い合わせることもあります。

TOEFL、TOEICなどの英語の試験の成績も集めています。数字を入力するだけですから、致命的なミスはありません。TOEFL:780、TOEIC:80などという回答は、明らかに入力ミスですから、こちらで書き換えればいいだけです。よく見ると、意外な学生が高得点だったり、そんな点数でよくこんな“いい大学”に入れたねという成績があったり、そんな方向に頭が向かってしまい、作業が遅れてしまうこともあります。

やっぱり、結果を出せなかった卒業生のデータを見るのはつらいですね。Yさんはその典型でしょうか。日本語もよくできるし、授業中の態度も言うことなしだし、発想も豊かだし、協調性もあるし、こんな素晴らしい学生がどこにも受からなかったなんて、不思議でなりません。

私たちは年単位でYさんを見てきましたから、Yさんの優れているところ、秀でた点まで目に映りますが、一発勝負に近い入試だと、そうはいかないこともあるのでしょう。本番で力を出し切るにはどうしたらいいかという指導が足りなかったのでしょうか。

Yさんが入力したデータには、何一つ間違いはありませんでした。不合格校を細部まで入力するのはつらかったでしょうに…。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

ベスト10

3月27日(木)

気象庁のサイトに、その日の最高気温の全国ベスト(ハイエスト?)10が出ています。それによると、本日の全校最高気温は、新潟県上越市高田で記録され、30.0度でした。おそらくフェーン現象がその原因だと思いますが、平年を17度上回ると言いますから、高田の人々の驚きも半端じゃなかったでしょう。高田は盆地ですから、雪も降れば暑くもなりやすいのです。19年8月には、40.3度という最高気温をたたき出しています。

昨日とおとといは、宮崎県や大分県の観測所で日本一高い気温が観測されました。ベスト10も南九州の観測所が中心でした。しかし、3日前の24日(月)は、沖縄の波照間島が全国最高気温でした。先週、東京で雪が降った日は、沖縄勢がベスト10を占めていました。

このように、冬はやはり沖縄が暖かく、ベスト10で沖縄県以外は東京都小笠原村だけなどという日が大半です。ここに九州勢や本州勢が顔を出し始めると、それは真冬が過ぎて春の輪郭が次第にはっきりしてきた証拠です。だから、高田が全国一ということは、もうすっかり春だと言っていいのです。まさに、雪が降ったのが春分の日の前日でしたから、暑さ寒さも彼岸までですね。

ついでに言うと、夏は、沖縄勢がベスト10になることはめったにありません。沖縄は海に囲まれていますから、高田などに比べると、とんでもない暑さにはなりにくいのです。ですから、沖縄の観測所がベストテンを占めるようになると、冬本番と言えます。

朝からパソコン仕事が続いて目が疲れたので、夕方、花園小学校まで散歩しました。桜は咲いていましたが、風が強かったせいでしょうか、地面には、花びらではなく、5枚の花弁がそのまま飛ばされてたくさん落ちていました。この調子だと、案外早く葉桜になりそうです。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

困った

3月26日(水)

超級クラスのSさんから、専門学校に落ちたという連絡が入りました。Sさんは超級クラスの学生ですから、日本語に関しては心配ありません。専門学校も、日本語で落とされたのではないことだけは確かです。では何が原因かというと、KCPでの出席率以外に考えられません。

Sさんは、もともとは大学に進学するつもりでした。その気になれば、去年の4月に進学できたかもしれません。しかし、“いい大学”に進みたかったですから、もう1年勉強する道を選びました。結果的には、この選択が裏目に出てしまいました。いろいろな理由で学校に通えない日が増えてしまい、2024年度もあと5日という押し詰まった時期において、行先が決まっていないという状況に陥ってしまいました。

もちろん、KCPも手を拱いていたわけではありません。手を変え品を変え、飴を与えたり鞭で打ったり、相談に乗り指導をし、出席率浮揚策を打ってきましたが、浮かび上がるのは一時期だけでした。やはり、合格には出席率が不可欠なのです。

最近は、出席率90%でも、「どうして10%も休んだんですか」と聞かれることがあるそうです。となると、それよりもかなり悪い数字のSさんは、どう答えても苦しい立場に追い込まれます。病気と答えたら、そんな病弱の体で留学が続けられるのかと追及されるでしょう。

在校生で一番心配なのが、Jさんです。JさんもSさんに負けないくらいの日本語力を持っていますが、Sさん以上に出席率が心配です。来年の今頃、尾羽打ち枯らして「先生、どうしたらいいですか」なんてやっているのではないかと心配しています。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

お土産

3月24日(月)

午後、職員室で仕事をしていると、ついこの間卒業したばかりのCさんが、大きな紙袋を持ってやってきました。卒業式後、九州を旅行し、その旅行の最中にT大学から入試に合格したという通知が来ました。それでうれしくなってお土産をたくさん買い込んで大きな紙袋になってしまったのかどうかわかりませんが、うれしい報告とおやつの差し入れをいただきました。

Cさんは2年前に入学して、レベル1から、すなわち、ひらがなカタカナの読み方・書き方から勉強を始めました。その後毎学期進級を重ね、今学期は超級クラスで卒業しました。入学から卒業までの成績表を見てみると、ずば抜けてすばらしい成績を挙げているわけではありませんが、毎学期クラスの上位に位置していました。学校の授業を確実に身に付けて実力を伸ばしてきたと言えます。

また、面接記録を見ると、入学時から高い目標を掲げていました。入学時に「志望校はT大学」などと言ってしまう学生は大勢いますが、そのアドバルーンがいつの間にかしぼんでしまう学生がほとんどです。入学時にCさんと同じクラスだったDさんは、レベル1の成績はCさんより上でした。しかし、今学期の成績は、Cさんの足もとにも及びませんでした。Cさんは努力が長続きする学生だったのです。

そう思って改めてCさんを見てみると、推薦を受けて外部の奨学金を受給し、いろいろな学校行事でも活躍し、卒業時の出席率も100%でこそないものの、ほぼ100%と言っていい数字でした。KCPを存分にしゃぶりつくしたうえで、T大学に進学していきます。ということは、KCPの教育って、徹底的にすがってくれれば、大きな成果につながるっていうことですね。いい教育をしてるんだって、自信を持たなきゃ。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

最後の誠意

3月21日(金)

先日、ある大学から「大学に入学しても、日本語学校の出席率が低いために大学での留学ビザがもらえず、退学を余儀なくされる学生がいる。その場合、入学金、授業料などは一切返金されないので、十分注意してもらいたい」という手紙が来ました。わざわざこういう手紙を出すくらいですから、この大学もそういう学生の“被害”に遭っているのでしょう。

大学に出願書類を送る時点での出席率はそれなりに高くても、入試を受け、合格した後に休みまくって出席率を大きく下げる学生がいます。そういう学生が、ビザが下りないために退学すると、大学には欠員が生じ、授業料収入も入りません。経済的打撃だけでなく、「何でそんな学生を入学させたのか」と、官庁からお𠮟りも受け、大学そのものの評判も落としかねません。大学にとって、何一ついいことはありません。

かなり以前ですがこういう実例があり、また、非常に短い期間のビザしかもらえなかった卒業生もいましたから、私は機会あるごとにこういうことを学生たちに訴えてきました。しかし、私の話にうなずいていた学生が合格後に遊び惚けているという例はよく耳にします。こういう手紙が実際に大学から届いているという話をしても、この話を聞いてほしい学生に限って休んでいるという有様です。

KCPって、そんなに居心地の悪い所でしょうか。私たちの手を煩わせることなく独力で合格したのならまだしも、散々世話になった挙句に今度は出席率のことで私たちの心を煩わせるとは、いったいどういう神経なのでしょう。Dさん、Yさん、Hさん、これを読んだら、期末テストまであと3日しかありませんが、せめてその3日ぐらいは毎日来てください。首の皮1枚でつながるかもしれないのですから。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

束の間の雪景色

3月19日(水)

それにしても派手に降りましたねえ。私は雨のうちに学校に着きましたが、仕事をしていると、雷は鳴り出すは、直径数ミリぐらいの雹は降るは、大荒れの天気になりました。私の次に来たH先生は、雹に打たれたそうです。その後、次々と先生方が出勤されましたが、職員室に入った時の第一声は、御苑の駅から地上に出た時の驚きようでした。そのころには地上は真っ白になっていましたから、何も知らずにひょっこり地上に出たら、そりゃあびっくりするでしょう。

雪が舞うなどという優雅な降り方ではなく、湿っぽく重い雪の塊が勢いよく落ちてくるような荒っぽい景色が窓の外に繰り広げられていました。上空の寒気が息をしているようで、いくらか穏やかになったかと思うと、またすぐに白い矢が地上に突き刺さるというサイクルが繰り返されました。

でも、校舎の前の駐車スペースや道路に落ちた雪は、積もることなく溶けていきました。ゆるめのシャーベットがぶちまけられたかのようでした。パウダースノーは服に降り積もってもはたき落とせますが、この雪は降られたら雨と同じで服をびしょぬれにします。そういう意味では始末が悪いですね。

雪とともに、気温がどんどん下がりました。気象庁の観測によると、9:51に最低気温0.5度を記録しました。その後まもなく雪が弱まり、薄日さえ差してきました。“天気雪”みたいな感じになりました。そして、水っぽい雪は完全に水となり、消え去りました。

さて、学生たちです。自主休校を決め込んだ学生が多かったようです。M先生のクラスは、出席者が4人だったそうです。出席率が心配な学生たちは、枕を並べて討ち死にでした。

明日からはいいお天気が続き、週末は最高気温が20度を超えるという予報が出ています。ということは、ほぼ開花予想通りに咲き始めるということでしょうか。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

逸材

3月18日(火)

Xさんは4月からN大学に進学します。去年の4月にレベル1に入学して、ちょうど1年で進学ですから、優秀な学生です。レベル1の時、進学の授業で会いましたが、そのころから自分の考えをはっきり言える学生でした。このまま順調に伸びてくれれば、きっと“いい大学”に入れるだろうと思っていました。現に、レベル3で受験した昨年11月のEJUでは、レベル3でトップであるのみならず、できの悪い上級の学生をも上回っていました。

Xさん自身も2年計画で“いい大学”を狙っていました。しかし、家庭の事情により1年で進学せざるを得なくなりました。N大学の受験も、そういう緊急事態の中での決断でした。その時点で受験可能な大学の中で、Xさんの勉強したいことが勉強できる最高の大学がN大学でした。準備期間が短かったものの、持ち前の頭の回転の速さと語学的センスを生かし、合格を勝ち得たのです。

授業後に、たまたまばったりXさんに会いました。「Xさん、N大学に合格したんだって?」と声をかけると、口元目元に笑みを浮かべながら「はい」と答えてくれました。ふてくされたような顔で答えられたらどうしようと思いましたが、どうやら本人も納得しているようで、安心しました。「いいところに受かったね。Xさんが勉強したいことに関しては、N大学は一流だよ(これはXさんへの慰めでもお世辞でもなく、本当にそうです)。確かにあまり有名じゃないけど。きっといい勉強ができるから、頑張って」「はい、ありがとうございます」と目を輝かせながら、明るい声で応じてくれました。

環境の変化を嘆くことなく、それに打ち勝って自分で新たな道を切り拓いたXさんは、私が思っていた以上にすばらしい学生だったようです。そういう学生を手放すのは惜しいことですが、Xさんの将来に光あれと祈るばかりです。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

もう1年?

3月17日(月)

朝、S先生がご病気でお休みになるという連絡が入りました。S先生は中級クラスの授業をすることになっていましたから、代講を立てなければなりません。中級レベル担当のH先生に授業内容を聞くと、読解を力ずくででも進めなければなりません。となると、慣れない先生ではなく、この読解をやったことのある先生が適任です。ということで、急遽、私が代講をすることになりました。別の仕事を予定していたのですが、授業に穴をあけるわけにはいきませんから、引き受けることにしました。

教室に入ると、顔と名前が一致するのは2人ぐらいで、完全にアウェー状態です。でも、最初の30分がテストでしたから、その間に答案用紙の名前とその学生の雰囲気(学生は机の方を向いているので、顔は見えません)を一致させたり、答案を盗み見てその学生はできそうかどうか見極めたりして、態勢を立て直そうとしました。

テストの次は漢字です。「予習してきてわからなかったことがあったら質問してください」と全体に聞いたら、何人かが手を挙げました。その質問に対してぱきぱき答え、ここでこちらのペースに持って来て、山場の読解になだれ込みました。

読解は水についての読み物でした。水なら化学屋の端くれとして得意分野ですから、教科書の本文を元にして、新たな情報を付け加えたり、関連事項を学生に考えさせたり進めていきました。どうにか目標到達地点に達しました。代講教師としての義務を果たしました。

胸をなでおろしながら1階に戻ってくると、先週卒業したばかりのKさんがいました。「先生、もう1年、KCPで勉強させていただけませんか」と聞いてきました。留学ビザでの日本語学校在籍期間は、最長2年と定められています。学校としてはとてもうれしい申し出なのですが、法律的にかなえてあげることはできません。また、Kさんは最上級クラスまで上り詰めていますから、4月以降、Kさんの日本語力をさらに伸ばしてあげられるような授業ができるかどうかわかりません。そういうことを伝えて、「ごめんなさい」と言いました。

午前中の中級クラスに遅刻してきたNさんも4月から進学です。KさんよりもNさんに「もう1年勉強」という気持ちを持ってもらいたいところです。でも、手ぶらで教室に入って来たNさんには、そんな気持ちはみじんもないでしょうね。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

あれ、1回だけ?

3月15日(金)

教材や教科書として使う本を探しに紀伊国屋まで行きました。開店直後だったのでわりとすいていました。1階を軽く見て、日本語学習書が置いてある7階に上がると、私が初めての客だったみたいで、直立不動の店員さんたちが一斉に私に向かって頭を下げました。

しばらくご無沙汰しているうちに、新しい教材や日本語教師側の参考書などがずいぶん出ていました。どれもみんなほしくなりましたが、そこはぐっとこらえました。そんなことをしたら破産してしまいますから。

しかし、EJU関連の本は代わり映えしませんでしたね。新しい本もありましたが、他の分野の活発さに比べると見劣りがしました。

そんな新しいEJU関連の本の1つに、2024年のEJU試験問題集がありました。2023年までは6月のと11月のと別々に出版されていましたが、2024年分は1冊にするというお知らせがだいぶ前にありました。ですから、2回分を1冊にまとめて出版されるのだろうと思っていましたが、売り場に出ていた問題集には1回分しか載っていませんでした。しかも、値上げされていました。

諸式高騰の折、値上げはやむを得ないとして、2回試験があったのに1回分しか出版しないというのはどういうことでしょう。EJUの過去問って、よっぽど売れないんですね。赤字を少しでも減らそうとして、本来2セットあるはずの問題を1回分だけにしたのでしょう。

国を挙げて留学生を呼ぼうとしているのに、こんなことでいいのでしょうか。1回分だけでも出版されるだけありがたく思えということなのでしょうか。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ