11月11日(火)
上級の選択授業の中間テストがありました。あさってが読解や聴解など、クラス授業の科目の中間テストですが、選択授業はそれに先立って行われます。
私の担当科目は小論文。まず、先週の授業で書いた小論文を添削したものを返し、簡単に講評。その後、中間テストの課題を配り、書いてもらいました。スマホを見るのは厳禁ですが、上級各レベルで使っている文法や語彙などの資料ファイルは見てもいいことにしました。授業で勉強した表現を実際に使ってみることも勉強のひとつですから。上級の授業で取り上げる表現は硬いものが多く、小論文で事実を叙述したり自分の意見を主張したりするのにはちょうどいいです。上級まで上がってくる学生は、くだけた表現、初級中級で勉強した文法や語彙はそこそこ使えますが、フォーマルな文章語となると、まだまだなところがあります。それを少しでも何とかするのが、この授業の役割のひとつです。
学生たちはスマホをかばんにしまい、課題に取り組み始めました。課題文を印刷した用紙の空白にメモをしながら構成を練る学生、課題文の難解なところを母語に直して理解しようとする学生、いきなり原稿用紙に書き始める学生、しばらく考え込む学生、実に十人十色でした。
終了15分前ぐらいに、Jさんが手を挙げました。行ってみると、書き終わったので提出してもいいかと聞いてきました。読んでみると、1段落目に2つの間違いがありました。それを指摘し、最後まで読み直すようにと指示しました。しかし、机の下に隠した左手にはスマホがしっかり握られており、推敲に関してはあまり期待しませんでした。
Jさんは、1段落目の間違いは直したようですが、私が他を見回っている間に、案の定、スマホを始めました。読み直しよりもスマホを優先したようです。
テスト終了後、真っ先にJさんの小論文を読みました。予想どおり、1段落目は直されていました。しかし、結論の段落は意味不明でした。志望校不合格間違いなしの出来でした。感情的にはF評価ですが、結論の手前までは内容がどうにか理解できるので、お情けのC評価としました。
そして、Jさんをスマホ依存症者リストに加えました。
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